平成の○○離れ!意外にも車はランキング外 果たして何離れが進んでいるのか

配信日: 2019.03.20 更新日: 2019.06.26

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平成の○○離れ!意外にも車はランキング外 果たして何離れが進んでいるのか
「平成」という時代にお別れを告げる時期が近づいてきました。
 
この間、“若者の車離れ”とは以前からよく聞かれた言葉ですが、“平成の○○離れ”というと何でしょうか? やはりクルマなのでしょうか?
 
株式会社エアトリが発表した「平成の〇〇離れ」に関するアンケート調査を見てみると、1位に選ばれたのは「タバコ」でした。では「クルマ」は?
 
それ以下も見てみましょう。
 
藤木俊明

執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

“平成の○○離れ”の○○にはあまりクルマは入らない?

同調査によると、“平成の○○離れ”の○○と聞いて思い浮かべるベスト3は次のとおり。
 
1位「タバコ」(33.8%)
2位「新聞」(20.5%)
3位「ギャンブル」(19.0%)
 
実は“平成の○○離れ”は「タバコ」と思い浮かべる人が多かったようです。それではタバコの販売額や販売本数自体も下がっているのでしょうか?
 
日本たばこ協会の「年度別 販売実績(数量・代金)推移一覧」によると、平成2(1990)年に3兆5951億円だった販売代金は、平成11(1999)年に4兆2600億円とピークを迎え、その後下がったり、また上がったりを繰り返しながら下降して平成29(2017)年には3兆1655億円まで減少します。
 
また、本数を見てみると、平成2(1990)年に3220億本だったものが平成29(2017)年には1455億本まで減少しますので、金額ベースで見ても、本数ベースで見ても、ある程度“平成のタバコ離れ”とはいえるかもしれません。ただ、実際に下がりだしたのは21世紀に入ってからのようで、むしろ21世紀のタバコ離れとも読めます。
 
それではクルマは?と見ると、エアトリの調査では6位「車」14.6%で、そんなに「離れた!」という強いイメージはないように見えます。
 
しかも同調査の『本当は「平成で〇〇離れしたくなかったもの」を教えてください』という問いでは、「⾞」が(9.3%)と、もっとも多い回答となりました。これは、「クルマについてはしかたなく離れた」という意識を表わすのではないでしょうか?
 
逆に、「タバコ」は、『本当は平成で〇〇離れしたくなかった』(2.9%)と、自分の意志でたくさんの人が「“タバコ”離れ」したように見えます。
 

クルマは離れたくないけど費用がつらい?

“若者の車離れ”と言われるその実態は、ひょっとして「しかたなく離れた」なのでしょうか?
 
「2017年乗用車市場動向調査」(日本自動車工業会)を見てみましょう。同調査の「6.若年層(20代以下)分析」では、「(1)車に対する関心」について、
 
【社会人・主運転車なし層】
■2015年 「非常に関心がある」7%「まあ関心がある」24%
■2017年 「非常に関心がある」9%「まあ関心がある」34%
 
と、「車に関心がある層全体」は2017年になって増えています。総計4割強が「関心がある」というのは、決して低くないデータではないでしょうか?
 
それでは「(2)車購入意向」はどうかと見ると、
 
【社会人・主運転車なし層】
■2015年 「買いたい」12%「まあ買いたい」29%
■2017年 「買いたい」14%「まあ買いたい」32%
 
と、「買いたい層」も2017年になって増えています。大まかに見て、2人に1人弱が「買いたい」と思っているわけです。
 
それではこの調査で回答してくれた【社会人・主運転車なし層】の「自由に使える月々のお金」はどうなっているのでしょうか?
 
【社会人・主運転車なし層】
○「3万円~5万円未満」21%(2017年 : 以下同じ)
○「2万円~3万円未満」20%
○「1万円~2万円未満」16%
 
この金額の中から、車の維持費を捻出していくのはなかなかきびしいかもしれません。
 

まずは「貯金」の若い世代

この調査では、【社会人・主運転車なし層】に「これから増やしていきたいもの(消費意向)」を聞いています。
 
【社会人・主運転車なし層】
○「貯蓄」48%(2017年 : 以下同じ)
○「旅行やレジャー等の娯楽」22%
○「自己投資」15%
○「金融投資」15%
○「ファッション関係」15%
 
どうも、「貯蓄」を増やしていきたいと考える人が多いようです。
 
ここまでのデータをまとめると、「車を欲しい人は確かにいる(2人に1人弱)」「自由に使えるのは3万円程度」「できたら貯蓄したい」ということですね。
 
そうすると、車は欲しいけれど、その維持費などを考えると、貯蓄に回せなくなる。他に使いたいこともある。
 
“若者の車離れ”というよりは、“若者の車あきらめ”に近いのではないでしょうか。
 
「平成の〇〇離れ」に関するアンケート調査 株式会社エアトリ
「年度別販売実績」日本たばこ協会
「2017年乗用車市場動向調査」日本自動車工業会
 
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
 

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