姉の地域では小学校の「給食費が無料」なのに、うちは「月5000円」かかっています。給食費無料は全自治体が「対象」ではないの?
今回は、学校給食費の無償化が行われるようになった背景や、給食費の平均費用についてご紹介します。
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目次
学校給食費の無償化は全自治体対象ではないのか
学校給食費の無償化は、全自治体対象ではありません。
文部科学省が令和6年に発表した「「給食無償化」に関する課題の整理について」によると、令和5年9月1日時点で自治体独自の無償化を実施していた自治体は、1794自治体のうち722自治体です。
この時点では、全国の自治体のうち約40%が無償化を実施しており、半数を超えていない状況です。
無償化している自治体でも対象者が異なる
学校給食費は、自治体によって無償化の対象が異なります。文部科学省「学校給食費の無償化を実施する各教育委員会における取組の実態調査について」によると、学校給食費を実施している722自治体のうち、75.8%の547自治体が、小中学校の全員を対象に無償化を実施しています。
20.1%である145自治体は、支援要件を設けて小中学校の学校給食費の無償化を実施しているようです。また、約20自治体が小学校か中学校のどちらかで全員を対象に無償化しています。
学校給食費を無償化している多くの自治体が小学校でも中学校でも変わらない条件となっていますが、地域によっては小学校と中学校で条件が異なる場合があるため事前の確認が重要です。
学校給食費の無償化が行われるようになった背景
同調査によると、学校給食費の無償化が行われるようになった背景は以下の通りです。
●保護者の経済的負担の軽減、子育て支援
●少子化対策
●定住、転入の促進、地域創生
●自治体の施策の一環
●食育の推進
●保護者からの要望
自治体によってさまざまな理由が考えられますが、金銭的な負担の軽減や、学校給食費を無償化することによる地域の人口増加を目的としている地域が多い傾向にあります。
また、学校給食費無償化の背景として、家庭の経済状況に関係なく、子どもにバランスの取れた食事を提供することがあげられます。食事は学習意欲や成長に非常に重要だと考えられているためです。
熊本県「令和5年熊本県子どもの生活に関する実態調査結果について」では、貧困線を下回る層の割合は13.3%、ひとり親世帯では40.9%となりました。同調査から、貧困線を下回った層とそうでない層の子どもでは、生活習慣や学習意欲、自己実現欲などに影響が出るといわれています。
このように、栄養バランスの整った食事は子どもの発達に必要不可欠である点から、貧困格差を減少させるために無償化が進んだと考えられるでしょう。
学校給食費の平均月額費用
文部科学省「学校給食実施状況調査」によると、令和5年度の小中学校の学校給食費の平均的な月額費用は以下の通りです。
●小学校:4688円
●中学校:5367円
無償化でない場合、小学校では1年間で5万6256円、中学校では6万4404円を負担しなければなりません。これらを合計すると、9年間で53万748円です。学校給食費が小中学校ともに無償化になれば、自宅での食費や子どもの教育費などにあてられるようになるでしょう。
学校給食費の無償化は自治体によって異なる
学校給食費の無償化は自治体によって異なりますが、今回紹介した調査によれば、学校給食費の無償化を行っている722自治体のうち、547自治体で小中学校ともに無償化されています。
給食費の無償化は経済的な負担削減や地域の人口増加など、さまざまな背景があって各自治体で実施されており、実際に小中学校の学校給食費の負担がなくなれば平均で53万748円の費用が節約できるでしょう。ただし、自治体によって金額は変動する場合があります。
現在学校給食費の無償化が行われていない自治体も、今後実施される可能性もあるため、学校からの情報や市の便りを確認するとよいでしょう。
出典
文部科学省 「給食無償化」に関する課題の整理について
文部科学省 学校給食費の無償化を実施する各教育委員会における取組の実態調査について
熊本県 令和5年熊本県子どもの生活に関する実態調査結果について
文部科学省 学校給食実施状況調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
