世帯年収1500万円は“都内”だと普通? 都内で子どもを育てるのに必要な世帯年収は?
配信日: 2025.07.05

特に都心部では住宅や教育などのコストが高い傾向にあるため、思ったよりも生活に余裕がないというケースもあるでしょう。また子育て世帯では、どれくらいの年収があれば安心なのかを知りたいという人もいるかもれません。
本記事では、都内における世帯年収1500万円の割合や、都内で子どもを育てるのに必要な年収の目安などを紹介しながら、ゆとりある暮らしに必要な条件を考えます。

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目次
都内における「世帯年収1500万円」の割合は?
東京都福祉局の「東京都福祉保健基礎調査 令和3年度『都民の生活実態と意識』」によれば、世帯年収1500万円を超える世帯は全体の5.6%です。約5割の世帯が世帯年収500万円未満であることを考えると、世帯年収1500万円は高所得層であるといえるでしょう。
ただし、地域によっては平均年収が1000万円を超えるところもあるなど、比較的多くの家庭がこの層に含まれているケースも考えられます。
都内で子どもを育てるのに必要な年収は?
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、児童のいる世帯における1世帯あたりの平均年収は812万6000円でした。
これは全国平均ですが、都内においては、前述の東京都福祉局のデータより、18歳未満の子どもがいる世帯の年収は700万円~800万円の割合が最も多く、次いで900万円~1000万円、800万円~900万円で、700万円~1000万円の割合が全体の3割以上を占めています。
そのため、都内で子どもを育てるのに必要な年収としては、700万円~1000万円がひとつの目安となるかもしれません。
未就学児の年間育児費用は約100万円、小学生になると教育費や習い事などの負担が増え、1人あたり年間115万円ほどになるといわれています。これに加えて住宅費や生活費、医療費などもかかるため、教育に力を入れる家庭であれば、さらに多くの収入が必要でしょう。
年収1500万円あれば都内での子育てはゆとりがあるのか?
では、年収1500万円あれば、都内で子育てをしながらゆとりある生活を送れるのでしょうか。仮に30代夫婦と子ども1人の家庭を想定し、手取り年収を約1025万円、ボーナスを考慮せずに単純計算すると、月の手取りは約85万円になります。
この中から住宅ローンまたは家賃におよそ25万円、食費10万円、教育費6万円などを支払うと、残りは水道光熱費や交通・通信費、保険料、日用品費、交際費、そして貯蓄などに充てられます。
ただし、教育費は中学・高校・大学と進むにつれて増えていくため、いまは余裕があっても将来に備えた資金計画が必要です。また、23区内では住宅価格が高い傾向にあり、可処分所得が目減りする可能性があるため、手元に残る資金は想像より少ないと感じることも少なくないでしょう。
まとめ:都内で安心して暮らすためには何を考慮すべきか
都内で世帯年収1500万円というのは、約半数の世帯が世帯年収500万円未満であることを考えると、高所得層といえそうです。しかし、都内で子育てをしながら暮らすとなると、それだけで「余裕がある」とは言いにくい面もあります。生活費や教育費が年々増えることを見据えて、長期的な視点での家計管理が必要です。
都内で子どもを育てるのに必要な世帯年収としては700万円~1000万円がひとつの目安になるかもしれません。そのため、世帯年収1500万円あればゆとりある生活が送れるように感じられますが、教育費は中学・高校・大学と進むにつれて増えていくため、いまは余裕があっても将来に備えた資金計画が必要です。
安心して子育てをするためには、収入の多さだけでなく、支出のバランスや公的支援制度の活用も含めた総合的な家計設計が求められます。
出典
東京都福祉局
厚生労働省 2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況 II 各種世帯の所得等の状況 1 年次別の所得の状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー