更新日: 2019.06.19 その他暮らし

家でも職場でもない「サードプレイス」カフェや書店だけじゃない、意外な場所とは

家でも職場でもない「サードプレイス」カフェや書店だけじゃない、意外な場所とは
「サードプレイス」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。一体どの場所なの?そして「サード」があるならば「ファースト」と「セカンド」はどこを指すのか。ちょっと気になってしまいますが・・・。
 
上野慎一

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

「第三の居場所」~コーヒーショップ、書店、居酒屋などさまざまですが・・・

もともとはアメリカの社会学者が提唱したもので細かな要素も指摘されていますが、都市生活者にとって「家」(ファーストプレイス)や「職場」(セカンドプレイス)ではない「第三の居場所」を指すものと理解されているようです。
 
まず思い浮かぶのは、例えばコーヒーショップやカフェ。「スターバックスコーヒー」はこの考え方で事業を拡大し、同社(日本法人)の会社案内サイトでも「・・・これからも、お客様のサードプレイスとしてより豊かで潤いのある時間を提供し、・・・」と表明しています。
 
昼休みにのぞいてみる書店や会社帰りに立ち寄る居酒屋やスポーツクラブなど、さまざまな時間帯や空間が当てはまるようにも思えます。
 
一方で、昨今の「ライフワークバランス」や「働き方改革」などのスローガンのもと、在宅勤務(自宅が一時的にセカンドプレイスに)や自席のあるオフィス以外のスポット的な拠点利用(セカンドプレイスが複数に)なども進んでいます。
 
一日は24時間しかなく、外出先の場所や時間帯の中にあるはずの第三の居場所はどんどん確保しづらくなるのでしょうか。
 

「シェアリングエコノミー」の進展がもたらすサードプレイスとは?

世の中では「シェアリングエコノミー」も普及しつつあります。
 
クルマを例にとれば、【マイカー(自分で所有)→ レンタカー(有人店舗で中長時間借りる)→ カーシェアリング(無人システムで分単位から借りる)】といったように所有から利用へ、そして利用の簡便化や利用単位細分化への流れが進んでいるのです。
 
そして一日24時間の中での”陣地”が縮小されがちに思えるサードプレイスにも、例えば次のように簡便化・時間細分化・機能分化などによって利用できる余地や使い勝手が拡がって身近になる流れが見られます。
 

<例1:カーシェアリング>

 ・15分200円台くらいで利用可能。
 
 ・株式会社NTTドコモ「dカーシェア」の”カーシェア時代におけるクルマの使い方”意識調査(2018年1月9日公表)によると移動以外の用途で、「実際に利用した」上位は、【仮眠(休憩)、友人・家族との電話、仕事上の電話】、「利用してみたい」上位は【仮眠(休憩)、音楽鑑賞・オーディオ、カラオケ】でした。
 
 ・タイムズ24株式会社「タイムズカープラス」のホームページでは、ユーザーの利用シーンのうち移動以外の用途として、【外回り中の電話BOXの代わり、家の鍵がない(ときの一時退避先)】などが例示されています。
 

<例2:駅ナカなどの個室ボックス型オフィス>

 ・JRや東京メトロの駅構内などで試験的設置や実証実験が進んでいます。ある施設の利用料金は15分250円です。
 
 ・ボックス内には机、イス、電源、Wi-Fi環境などが完備し、防音や空調も整っています。
 
 ・駅構内などの交通至便な場所で、移動や乗り換えのスキマ時間を利用して周囲に気兼ねのない空間が手に入ります。
 

<例3:カラオケボックス>

 ・30分や1時間単位で利用でき、料金も時間帯によっては数百円くらいでおさまる場合もあります。
 
 ・飲み会の2次会で行くといったイメージもありますが、もともと防音設備が充実。歌の代わりに音楽・ゲーム・ビデオなどを大音響で楽しむニーズが拡がり、店舗側がそれに対応する流れも進んでいるようです。
 

<例4:カフェ併設書店(ブックカフェ)>

 ・例えば「蔦屋書店」など。併設されるカフェの飲み物(数百円)を買えば、店内のスペースで購入前の本を着席して自由に試し読みできます。
 
 ・さらに入場料を課すタイプ(コーヒーなどのフリードリンク付)や宿泊可能なタイプ(カプセルホテルのようなスタイル)なども出現しています。
 
 ・一定のコストはかかるものの、「立ち読み」とはまったく違ったスタイルでゆったりと本を探したり試し読みが楽しめます。
 

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まとめ

サードプレイスには家庭や職場における役割から解放され、いち個人としてくつろげる機能があるといわれています。そんな空間や時間が人生に刺激や潤いをもたらしてくれることもあるでしょう。
 
家庭や職場の境目がますます”ボーダーレス”になっていくような時代ですが、一方でスキマの空間や時間などを活用しやすい環境も進展しています。あなただけのサードプレイス、意外と身近に見つけられるかもしれませんね。
 
執筆者:上野慎一(うえのしんいち)
AFP認定者,宅地建物取引士
 

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