ママ友が「小4の息子は水泳とサッカーと学習塾に通っている」と言っていました。うちは水泳のみ…… みんな習い事にいくら使っているの?

配信日: 2025.07.17 更新日: 2025.09.26
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ママ友が「小4の息子は水泳とサッカーと学習塾に通っている」と言っていました。うちは水泳のみ…… みんな習い事にいくら使っているの?
親が子どもの習い事にかけるお金は、家庭の状況や教育方針によって本当にさまざまです。それでも、他の家庭の話を聞いて「うちは水泳だけでいいのかな?」と不安になることもあるでしょう。特に小学校の中学年から高学年になると、スポーツに音楽、英語に学習塾……と、子どもたちの活動の幅が一気に広がり、習い事の選択肢も増えていきます。
 
今回はFPの立場から、小学生の習い事費用の“リアルな平均”と、家計とのバランスの取り方について解説していきます。
富澤佳代子

1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP®認定者/中小企業診断士

新卒で警察官としてキャリアをスタート。その後、都内税理士法人で勤務し、多くの企業の経理業務を手がけた経験を活かして独立しました。現在は、「会社のお金」と「家庭のお金」をワンストップで相談できるパートナーとして活動しています。
 
小学生の子どもを育てるママでもあり、ライフプラン作成やキャッシュフロー分析など、個人やご家庭向けの具体的で実用的なアドバイスを提供しています。
 
企業経理相談や経営分析にも精通しており、これまでの経験を基に、経営者が抱えるお金の悩みに幅広く対応。さらに、執筆やセミナー活動も行い、「知って得するお金の知識」を届けています。お金の管理や経営に関するお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

一般的な家庭では、習い事にいくら使っている?

他の家庭がどれくらい習い事にお金をかけているのか、気になる方も多いでしょう。ここで、文部科学省「子供の学習費調査(令和5年度)」のデータから習い事にどれくらいお金をかけているかを見てみましょう。
 
このなかの「学校外活動費」という項目ですが、これはいわゆる学習塾や各種の習い事(ピアノ、英語、水泳、スポーツクラブなど)にかかる費用をまとめたものです。
 
■ 公立小学校(全学年平均)の学校外活動費
 
年間21万6107円 → 月額に換算すると、約1万8000円
 
■ 私立小学校(全学年平均)の学校外活動費
 
年間72万428円 → 月額に換算すると、約6万円
 
このように、私立小学校の家庭は、公立に比べて約3倍の費用を学校外の活動に費やす実態があります。公立では月1万8000円程度が平均ですが、私立では月6万円前後になるため、教育費としてのインパクトは大きいといえます。
 
これはあくまで全体の平均値。実際の支出額は家庭の所得状況、地域差、選ぶ習い事の種類によって大きく異なります。ただし、公立・私立ともに「月1万5000~6万円程度」という幅で把握しておくと、イメージも湧きやすくなるでしょう。
 

うちは水泳だけ…… これって少ない?

では、冒頭にあった「うちは水泳だけ」というケースの場合、どれくらいの費用になるのでしょうか?
 
水泳教室の月謝は、地域や施設によって差はありますが、全国的には月6000〜8000円程度が一般的です。さらに、水着やキャップ、スクールバッグなどの備品を一式そろえても、年間10万円に満たないケースが多く見られます。この金額は、文部科学省の学校外活動費と比べれば、平均の半分程度の出費に抑えられているといえるでしょう。
 
一方、ママ友のように「水泳+サッカー+学習塾」といった組み合わせの場合はどうでしょうか? こちらも地域によって金額は異なりますが、サッカーが月額5000〜7000円。ユニフォーム代や大会参加費などを加えるともっとかかります。
 
学習塾は通塾スタイルや受験対応の有無で差が大きいですが、5000〜2万円程度となり、 仮に中程度の費用感で見積もっても月額で2万〜3万5000円ほどになる可能性があります。この水準は、公立小の平均より高く、私立小の平均よりは控えめという位置づけになります。
 
もちろん、習い事が多いことが悪いわけではありません。問題は、「家庭の経済状況に見合っているか」「子どもにとって意味のある時間になっているか」です。
 

習い事にかける金額はいくらがいいの?

では、家庭として「習い事にいくらまでかけるのが適正なのか?」と考えるとき、以下の3つの視点が大切です。
 
【1】家計全体のなかでの割合を見る
 
一般的に、教育費全体は手取り月収の15〜20%以内が望ましいといわれています。そのなかで「習い事」にあてる部分は、5〜10%程度がひとつの目安となります。
 
例えば、月収35万円の家庭なら、習い事費は月1万7000〜3万5000円が適正範囲です。
 
これを超えてはいけないということではありませんが、生活費や貯蓄、住宅ローン、老後資金とのバランスを見ながら調整することが大切です。
 
【2】他の支出・貯蓄に無理が出ていないか?
 
子どものためと思って、習い事にお金をかけすぎてしまうと、貯蓄や将来の教育資金に支障が出るケースもあります。
 
短期的な習い事だけでなく、長期的な教育費全体のなかでどう位置づけるかを考える視点も必要です。
 
【3】金額よりも「意味がある時間かどうか」を大切に
 
費用の多寡にとらわれるよりも、「その習い事が子どもにとって意味のある時間になっているか?」を軸に考えることが、何より重要です。
 

まとめ

今回ご紹介したように、文部科学省の最新データによれば、「公立小学校の学校外活動費:月額 約1万8000円」「私立小学校:月額 約6万円」となります。これはあくまで“平均”であって、家庭の価値観・方針・収入によって、お金のかけ方は大きく変わります。
 
水泳だけでも、本人が楽しみ、心身の健康につながっていれば、それは立派なことです。一方で、複数の習い事をしていても、家計に無理がなく、目的がはっきりしていれば、それもまた素晴らしい選択でしょう。
 
大切なのは、「うちにとって、子どもにとって、ちょうどいい学びの環境は何か?」という視点です。他人と比べて“多い”“少ない”と悩むより、“納得できる選択”をしているかどうかを大事にしてほしいと、FPとして感じています。
 
家庭ごとに正解は違っていていい。だからこそ、習い事との付き合い方にも、「わが家の最適解」を見つけていきましょう。
 

出典

文部科学省 令和5年度子供の学習費調査
 
執筆者 : 富澤佳代子
1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP®認定者/中小企業診断士

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