「長期間の入院」で「1年間に4回以上」高額療養費の対象に…。4回目からはさらに「自己負担限度額」が引き下がるって本当?

配信日: 2025.07.20 更新日: 2025.09.26
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「長期間の入院」で「1年間に4回以上」高額療養費の対象に…。4回目からはさらに「自己負担限度額」が引き下がるって本当?
病気やけがにより長期入院をした場合、医療費の負担が気になるかもしれません。公的医療保険では、ひと月における医療費が一定額を超えた場合、後から払い戻しを受けられる高額療養費制度が設けられています。さらに高額療養費制度に3回該当すると4回目は「多数回該当」として医療費を少なくできる可能性があります。
 
そこで今回は「多数回該当」について詳しく解説していきます。
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高額療養費制度について

医療機関での自己負担額について、年齢や所得ごとに定められた上限額を超えた場合に払い戻される制度を高額療養費制度といいます。高額療養費制度は世帯ごと・ひと月ごとに判定されます。
 
なお、医療費がかかることがあらかじめ分かっている場合には、加入している健康保険組合などから「限度額認定証」を取り寄せておくと、病院や調剤薬局で支払う金額が一定の金額となります。マイナ保険証を使った場合も同様です。
 

多数回該当について

高額療養費制度では、年間で3回以上高額療養費の支給を受けた場合、4回目以降は「多数回該当」となります。この場合、もともと定められている限度額が引き下げられて、医療費の負担を少なくできます。多数回該当は、継続的に医療費が高額になる方にとって、経済的負担を軽減できる制度といえるでしょう。
 
多数回該当の場合、70歳以上の場合の限度額を表1にまとめました。
 
表1

所得 本来の限度額 多数該当の限度額
年収約1160万円~ 25万2600円+(医療費-84万2000円)×1% 14万100円
年収約770万円~約1160万円 16万7400円+(医療費-55万8000円)×1% 9万3000円
年収約370万円~約770万円 8万100円+(医療費-26万7000円)×1% 4万4400円
~年収370万円 5万7600円 4万4400円

※厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」を基に筆者作成
 
次に、69歳以下の場合を表2にまとめました。
 
表2

所得 本来の限度額 多数該当の場合の限度額
年収約1160万円~ 25万2600円+(医療費-84万2000円)×1% 14万100円
年収約770万円~約1160万円 16万7400円+(医療費-55万8000円)×1% 9万3000円
年収約370万円~約770万円 8万100円+(医療費-26万7000円)×1% 4万4400円
~年収370万円 5万7600円 4万4400円
住民税非課税者 3万5400円 2万4600円

※厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」を基に筆者作成
 
70歳以上の住民税非課税者には多数回該当の適用はありません。
 

年に4回以上高額療養費制度に該当すると多数回該当として自己負担限度額が少なくなる

年齢や所得に応じた限度額を超える分が払い戻される仕組みを高額療養費制度といいます。
 
さらに、高額療養費制度に該当する月が年に3回あると、4回目からは自分で支払う医療費が少なくなる制度を多数回該当といいます。多数回該当は長期的に治療が必要な方にとって、経済的に支えてくれる心強い制度といえるでしょう。
 
万が一の際に慌てないように、制度の仕組みと適用される条件などについて日頃から理解しておくことが大切です。
 

出典

厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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