東京2020オリンピックの「記念プルーフ貨幣セット」、今なら「定価の倍以上」で買い取られることも!? 高値で売れる「貨幣セット」にはどのようなものがある?
とくに東京オリンピックや天皇即位記念など、歴史的な出来事と結びついたものは注目を集めやすく、収集家の関心も高まるとされています。この記事では、価値が上がる可能性がある貨幣セットや、定価、買い取り価格について解説します。
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目次
貨幣セットとは
貨幣セットとは、造幣局が発行する未使用の硬貨や記念コインを、セットにした商品です。
これらは特定の年に製造された硬貨が中心で、年を示すプレートのようなものと一緒に専用ケースに収められています。未使用で保管されることが多いため、硬貨の光沢や刻印が比較的きれいに保たれていることが多いようです。
また、通常の貨幣だけでなく、特別な行事を記念したデザイン性の高いコインも含まれることがあり、収集の対象になっているようです。保存状態がよいまま保たれていれば、コレクションとしての価値が高まる可能性もあります。
東京2020オリンピック競技大会の記念プルーフ貨幣セットの定価
表1は東京2020オリンピック競技大会の貨幣セットの当時の販売価格を示したものです。
表1
| セット名称 | 年度 | セット数 | 定価 |
|---|---|---|---|
| 東京2020オリンピック競技大会記念千円銀貨幣プルーフ貨幣セット (リオ2016-東京2020オリンピック競技大会開催引継記念) |
平成28年度 | 5万セット | 9500円 |
| 東京2020オリンピック競技大会記念一万円金貨幣プルーフ貨幣セット(第一次発行分) 「流鏑馬と心技体」 |
平成30年度 | 4万セット | 12万円 |
| 東京2020オリンピック競技大会記念千円銀貨幣プルーフ貨幣セット(第二次発行分) 「陸上競技」 |
平成30年度 | 9万セット | 9500円 |
| 東京2020オリンピック競技大会記念一万円金貨幣プルーフ貨幣セット(第三次発行分) 「「勝利」(野見宿禰像)と「栄光」(ギリシャの女神像)と「心技体」」 |
令和元年度 | 4万セット | 12万2223円 |
| 東京2020オリンピック競技大会記念千円銀貨幣プルーフ貨幣セット(第三次発行分) 「体操」 |
令和元年度 | 9万セット | 9676円 |
| 東京2020オリンピック競技大会記念千円銀貨幣プルーフ貨幣セット(第四次発行分) 「ボクシング」 |
令和2年度 | 9万セット | 9676円 |
| 東京2020オリンピック競技大会記念 千円銀貨幣コンプリートセット |
令和2年度 | 1万セット | 8万7090円 |
| 東京2020オリンピック競技大会記念 500円バイカラー・クラッド貨幣・100円クラッド貨幣コンプリートセット |
令和2年度 | 10万セット | 5400円 |
※独立行政法人造幣局「記念貨幣セット」を基に筆者作成
東京2020オリンピック記念貨幣セットは、平成28年度から令和2年度にかけて発行されました。発行形態には一万円金貨セット、千円銀貨セット、クラッド貨幣セットがあります。
一万円金貨幣プルーフ貨幣セットは2回発行され、いずれも発行数は4万セット、価格は12万円または12万2223円となっています。
千円銀貨幣プルーフ貨幣セットは、第一次から第四次まで複数の競技をテーマに発行されており、各セットの発行数は9万セット、価格は9500円または9676円です。
令和2年度銘の「バイカラー・クラッド貨幣・100円クラッド貨幣コンプリートセット」は、東京2020オリンピック・パラリンピックを記念して発行された特別仕様のコレクションです。
特徴は、500円のバイカラー・クラッド貨幣に、大会を象徴する意匠が施されている点です。
※バイカラー・クラッド貨幣:色や材質の異なる金属を組み合わせて作られた特殊な構造の硬貨
バイカラー・クラッド貨幣・100円クラッド貨幣コンプリートセットには、東京2020オリンピック競技大会の記念貨幣14種類(500円硬貨1種類、100円硬貨13種類)が、発行順に4枚のコレクションシートに収められています。10万セットが販売され、販売価格は5400円でした。
東京2020オリンピック競技大会の記念プルーフ貨幣セットの現在の価値
東京2020オリンピック競技大会金貨幣の発行枚数は合計8万セットとされ、購入には抽選が必要だったとされています。こうした希少性や入手難易度の影響もあり、後年の取引価格に変動が見られます。
一万円金貨幣(第一次発行分)は25万円ほどで買い取られるケースもあるようです。定価の12万円と比較すると倍以上の価格で取引されていることになります。
高値で売れる可能性がある貨幣セットの種類
東京2020オリンピック競技大会の記念プルーフ貨幣セット以外にも、額面以上の価格で取引されている貨幣セットはいくつか存在します。昭和62年プルーフ貨幣セットと天皇陛下御即位記念プルーフ貨幣セットは、現在、取引価格が上昇傾向にあるとされる貨幣セットの一例です。
昭和62年のセットには、1円から500円までの6種類の硬貨が含まれています。その年の50円硬貨は一般には流通していないとされ、記念セットのみに収められたようです。
昭和61年度と62年度の合計で23万セットが販売されたとされ、セットに含まれる50円硬貨の希少性が市場での評価につながっている可能性があります。
また、平成2年に発行された天皇陛下御即位記念プルーフ貨幣セットにもプレミア価値がついているようです。記念意匠としては、鳳凰や瑞雲、菊の紋が刻まれ、国内外の収集家から注目されています。
いずれも市場では、過去に額面を大きく上回る価格で売買された例があるようです。
貨幣セットは倍以上の価値になることもあり、希少性が高い貨幣セットは価値が高くなる傾向がある
今回は、貨幣セットについて解説しました。貨幣セットは、発行年や構成内容、発行数などによって市場での評価が変わる収集品です。
買い取り価格を判断するには、流通の有無や発行枚数、需要などの情報を把握することが必要となります。売却や保管を検討する際は、過去の実勢価格や市場動向を参考に判断するとよいでしょう。
出典
独立行政法人造幣局 記念貨幣セット
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
