予約の飛行機が「オーバーブッキング」に! 数人が“協力依頼”に応じていましたが、なにかお得なのでしょうか? JAL・ANAの「協力金」もあわせて確認

配信日: 2025.08.17 更新日: 2025.09.26
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予約の飛行機が「オーバーブッキング」に! 数人が“協力依頼”に応じていましたが、なにかお得なのでしょうか? JAL・ANAの「協力金」もあわせて確認
飛行機に乗る際、空港で「この便は満席のため、ご協力いただけるお客さまを募集しています」というアナウンスを耳にしたことはありませんか?
 
これは、飛行機の座席が足りなくなった際に、航空会社が乗客に対して協力を募る場面です。もし協力していたら、どれくらいお得だったのか気になる人もいるでしょう。
 
本記事では、なぜ飛行機の座席が足りなくなってしまうのか、航空会社が採用している「フレックストラベラー制度」の内容、そして謝礼がどれくらいお得なのかを解説します。
浜崎遥翔

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

オーバーブッキングはなぜ起こる?

航空会社は、あらかじめ飛行機の座席数を上回る予約を受け付けることがあります。理由は、直前のキャンセルや予約変更で座席が空くことによる損失を防ぐためです。
 
過去の利用実績や便ごとの傾向に基づいて行われ、出発前には予約過多の状態が解消されるのが一般的ですが、まれに予想に反して座席数が足りなくなってしまいます。この状況が「オーバーブッキング」と呼ばれるものです。
 
こうしたケースでは、航空会社が一部の乗客に対して代替便への振替をお願いしなければなりません。もちろん無償でというわけにはいかず、協力した乗客には謝礼として協力金が支払われます。
 

航空会社のフレックストラベラー制度とは?

オーバーブッキングが発生した際に、協力して便を変更してくれる乗客を募り、協力金と代替交通手段を提供する仕組みをフレックストラベラー制度といいます。
 
例えば、JALとANAが支払う協力金は以下の通りです。

<ANAの場合>

●代替便の出発が当日:現金1万円、1万マイル、ANAスカイコイン1万コインのいずれか
●代替便の出発が翌日以降:現金2万円、2万マイル、ANAスカイコイン2万コインのいずれか

<JALの場合>

●代替便の出発が当日:現金1万円、7500マイル
●代替便の出発が翌日以降:現金2万円、1万5000マイル

なお、代替便の出発が翌日となる場合は、航空会社が宿泊費、宿泊施設と空港間の交通費などの必要な経費も負担します。また、格安航空会社でもこういった制度があるようです。
 
もちろん、この制度に申し出たとしても、必ずしも協力が成立するとは限りません。申し出が多かったり、最終的に搭乗者にキャンセルが出て席に空きができたりした場合は、元の便にそのまま乗ることになり、その場合は謝礼の対象外です。
 

フレックストラベラーでもらえる謝礼はどれだけお得?

ANAの場合、9500マイルを東京~沖縄、大阪~宮古・石垣、福岡~北海道などの片道特典航空券に引き換えられます(レギュラーシーズンの場合)。もし翌日振替となり2万マイルを手に入れた場合、こういった長距離路線の往復航空券を実質無料にできるのです。
 
例えば、東京~沖縄の区間では、安くても片道2万円以上となることが多いので、実質4万円以上の謝礼を受けたことと同じになります。
 
また、現金として謝礼を受け取り、豪華な食事を楽しんだり、お土産をワンランク上のものにしたりと、目に見える形で旅の満足度を高めてもよいでしょう。
 

協力依頼は聞き逃さないように

航空会社では、過剰予約による座席不足を補うために、フレックストラベラー制度を活用しています。協力することで得られる謝礼は魅力的で、予定に余裕があれば十分検討に値します。
 
飛行機に乗るときは、アナウンスに耳を傾けてみましょう。思いがけないお得なチャンスが潜んでいるかもしれません。
 

出典

全日本空輸株式会社 フレックストラベラー制度のご案内
日本航空株式会社 フレックストラベラー制度
全日本空輸株式会社 ANA国内線特典航空券 シーズン・必要マイルチャート
 
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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