「夏期講習だけで50万円」「塾についていくための家庭教師」…正直、うちには無理です。経済力がないと中学受験は難しいのでしょうか?
でも、『お金がないから無理』なわけではありません。本記事では、実際の費用や教育格差の現状を見ながら、“経済力がなくてもできる工夫”を紹介します。諦めずに前向きに選択肢を広げるヒントをお届けします。
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中学受験には本当に“お金”が必要なのか?
近年、学習塾への支出は13年連続で上昇傾向にあり、特に都市部では小学生の中学受験対策として月4~10万円程度かかるケースもあります。
公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、年間学習塾費の平均額は公立小学校で16.6万円、私立小学校で36.6万円でした。住宅ローン同様に塾代が大きな負担となっている家庭も出ており、「夏期講習だけで数十万円」という声が現実的なものとして多く聞かれるようになりました。
また、近年の調査によると所得格差によって“塾代を使えるかどうか”の差が広がっており、高所得層では塾代を増やす傾向がある一方、低中所得層では支出を減らす傾向が顕著です。これは教育格差の拡大に直結しており、「お金のある家庭だけが有利になる」という構造に警鐘が鳴らされています。
家庭教師や夏期講習がなぜ高額なのか?
家庭教師の料金相場を見ると、個人契約なら1500~2500円/時間、家庭教師センター経由なら2300~5500円/時間程度が目安となります。学年や指導内容によって金額は変動し、特に中学受験対策の場合は高めになる傾向があります。週に数回、数か月にわたると総額は膨大になることもあります。
一方で、夏期講習や模試、教材費などを含めると数十万円かかることも現実的です。公教育の無償化が進む一方で、浮いた教育費を塾に投入する家庭もあり、これが塾代の高騰を招いているとも指摘されています。
お金に余裕がなくてもできる工夫とは?
こここそ、経済的に厳しい家庭が注目すべきポイントです。
・公的、民間の支援制度を活用する
例として、一部の自治体やNPOによる「スタディクーポン」など、低所得家庭向けの塾費用支援制度があります。また、無料学習会や地域での学習支援も各地で展開され、活用できる制度が増えています。
・家庭学習の工夫
塾や家庭教師に頼らず、親子で教材を選び、地道に積み上げる学習も費用を抑える効果があります。SNSや先輩の声でも「参考書でコツコツ伸びた」「自習で難関合格した」という事例は少なくありません。
・保護者のスキル活用や副業
一部の家庭では、「塾代を捻出するために在宅副業を始めた」「SNSやライティングで収入を得た」という実例もあり、小さな積み重ねが教育資金の支えになっています。
・情報収集やネットワーク活用
他の家庭と教材を共有したり、中古参考書・模試問題を活用したり、節約と同時に効果的な学びを確保する動きも可能です。
経済力がないからと諦める必要はない
中学受験は確かにお金がかかる場面も多いですが、「経済力がないと無理」と決めつける必要はありません。支出の全体像を把握し、公的支援や地域の学習支援、副業・家庭学習などを組み合わせることで、「できる工夫」はたくさんあります。
大切なのは、「無理かも」と感じたときに、どう行動するか。そして情報を持ち、自分たちの選べる道を知ること。その積み重ねが、子どもの未来に大きな差を生むはずです。経済的な限界を感じる中でも、「諦めずに選択する力」が未来を開く鍵になることを信じたいです。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 学習塾にかけている費用はどれくらい?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
