7月に予定されていた高速道路の「深夜割引見直し」が延期に…車で頻繁に大阪と東京を行き来しているのですが、新制度になったら高速料金はいくら変わる?

配信日: 2025.08.26 更新日: 2025.09.26
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7月に予定されていた高速道路の「深夜割引見直し」が延期に…車で頻繁に大阪と東京を行き来しているのですが、新制度になったら高速料金はいくら変わる?
高速道路をよく使うドライバーにとって「深夜割引」は家計を支える重要な存在です。2025年7月に予定されていた制度見直しは、直前で延期されました。なぜ延期されたのか、そして次に導入される新制度で実際に負担はいくら増えるのか。
 
本記事では大阪―東京を例に、具体的な数字で影響を試算します。
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「深夜割引見直し」は本当に延期されたのか? 延期の背景と現状を整理

高速道路を日常的に利用する人にとって、深夜割引の行方は家計に直結する大きな関心事です。NEXCO東日本・中日本・西日本の3社は「深夜割引の見直し」を2025年7月頃に実施予定としていました。しかし、4月に発生した広域的なETCシステム障害を受け、延期することが発表されました。
 
結果的に、現行制度の深夜割引は当面継続されることになりましたが、制度見直し自体がなくなるわけではありません。準備が整い次第再開される見通しです。
 

現行制度と新制度のどこがどう違う? 料金の仕組みを比較

では、現行の深夜割引と新制度にはどのような違いがあるのでしょうか。表1におもな違いをまとめました。
 
表1

現行制度 新制度(予定)
割引適用時間帯 0:00~4:00に走行すれば
全行程割引適用
22:00~翌5:00の間に、走行した分のみ割引適用
(時間帯外は対象外)
割引方式 即時割引
(料金所通過時に割引適用)
後日還元型
(後日、ETCマイレージなどで還元)
割引適用範囲 走行した区間すべてに割引 対象時間帯の走行距離などに応じて割引料金を算出
上限距離 なし 1時間あたり普通車等は105km、大型車等は90km。
利用時間が4時間超は休憩を考慮して設定
長距離逓減制 100~200km未満:25%
200km~:一律30%
400km超で段階的に割安になるよう制度拡充

※筆者作成
 
新制度は「対象時間は広がる一方で、使い方によっては割引率が下がる可能性がある」仕組みです。特に長距離移動を深夜にまとめて行う人にはメリットが残る一方、短距離利用者にとっては恩恵が薄くなる可能性が指摘されています。
 

大阪―東京間ならどれくらい変わる? 深夜割引見直しで増える負担を試算

では、「大阪―東京間を車で頻繁に行き来する場合」、どれほどの負担増になるのでしょうか。
 
大阪市内から東京都心部まで約500kmの区間を普通車で走行すると、通常料金は約1万3000円前後です。
 
現行の深夜割引(30%)を適用すると、約9100円に抑えられます。片道で約3900円、往復なら約7800円もの節約効果があり、月に4往復すれば3万円以上、年間では約37万円に達する計算です。
 
一方、新制度では「22時~翌5時の走行距離に応じた割引」が適用、還元されます。
 
仮に大阪を21時に出発し東京に翌4時到着とすると、単純計算で、走行時間の約7時間のうち6時間が割引対象、距離換算で約430km分のみ30%還元となり、割引額はおよそ3400円に縮小する可能性があります(長距離逓減制は考慮しない)。片道で500円程度の負担増となるケースがあり、年間利用頻度が高い人ほど影響は大きくなるでしょう。
 
さらに、新制度は「即時割引ではなく後日還元型」なので、キャッシュフローの観点でも家計に与えるインパクトは小さくありません。還元を受けるためには事前にETCマイレージサービスへの登録が必要となるため、確認しておきましょう。
 

まとめ

今回の深夜割引見直し延期は、長距離ドライバーや高速道路を頻繁に使う人にとって「一時的な安心材料」といえます。しかし、新制度の導入がなくなったのではなく、先送りされたにすぎません。今後は新制度の内容を理解し、出発時刻を工夫することで対象時間帯を最大限活用でき、負担増を最小限に抑えられるでしょう。
 
高速道路料金は家計に直結する出費だからこそ、最新情報を追いながら、制度変更に合わせて柔軟に対応していくことが大切です。今のうちに「自分にとって最適な走り方」を見直すことが、これからの賢いドライバーの節約術といえるでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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