更新日: 2019.06.13 子育て
家計を圧迫している【塾代】 あなたはどう考えている?
子どもを塾に通わせたいけれど費用の捻出が難しいと感じているご家庭、通塾しているけれど授業料以外の費用が予想外にかかり、家計を圧迫していると感じているご家庭は少なくありません。
学習補助や受験対策のための塾代は、家計にとって大きな支出となります。
多額の費用を無駄にしないためにも、塾でどのくらいお金がかかるのか細かく把握するとともに、塾以外の学習スタイルとも比較検討してみるとよいでしょう。
また、塾代が捻出できないからといって諦めることはありません。他の選択肢も視野に入れて考えていきたいと思います。
執筆者:井上美鈴(いのうえみすず)
ファイナンシャル・プランナー,ライフシンフォニア 代表
~シングルマザー・子育て世代にお金の話をわかりやすく伝えるFP~
家計管理・公的制度の紹介・教育費や老後資金の貯め方・奨学金・投資などすぐに役立つお金の話」を分かりやすく伝えるFP。
漠然としたお金の不安を感じる時間をなくし、「子育てという限られた貴重な時間」や「自分自身が望む豊かな時間」を大事にしてもらいたいという思いで活動している。
離婚後3年で教育資金を貯めた、自らのシングルマザー体験が強み。
金融機関(証券会社・銀行)・公立学校事務員・派遣会社コーディネーター等のさまざまな仕事を経験。現在、大学生の子どもを育てるシングルマザー。
https://lifesinfonia.com
高校受験のための塾代はどのくらい?
受験を控えた中学3年生の塾代はどのくらいなのでしょうか。
5つの大手塾(河合塾、湘南ゼミナール、駿台フロンティアjr.、臨海セミナー、早稲田アカデミー)の、集団での授業料を調べ、大まかな傾向とメリットデメリットを挙げてみました。
入会金 2万円前後
授業料 3教科 月額2万290円~3万7000円
5教科 月額2万4580円~4万6000円
※いずれも税抜き
その他 季節講習、維持費・模試代・教材費・交通費
塾によって料金体系がかなり異なります。
入学金や額面の授業料だけでなく、テキスト代、施設維持費、年会費なども発生することが多く、それらの金額は塾のホームページやパンフレットには明記されていないことがほとんどです。
また、模擬試験代、季節講習代、苦手科目克服のための個別指導代なども、申し込めば申し込んだ分だけ料金が加算されます。塾に勧められるままに支払っていたら、気がついたときには月額8万円以上支払っていたというケースも多く見受けられます。
年間トータルで実際にどのくらいかかるのか、資料を請求したり、各教室に問い合わせたりして確認することをおすすめします。
また、お子さんの学習スタイルや学力、体力と合っているかを、親子で慎重に考えて選ぶことをおすすめします。
・メリット
同じレベルの仲間と切磋琢磨できる
対面式で質問しやすい
教室に行くことで勉強モードに切り替えられる
・デメリット
時間的制約がある
途中で退塾することが難しい
子どもの学力や学習スタイルに合っているかが見極めづらい
塾以外の選択肢とは?
今は、オンライン塾など、通塾以外の選択肢も増えています。親世代にはなかった新しい学習の形と言えます。
オンライン塾
リクルートの「スタディサプリ」、ジャストシステムの「スマイルゼミ」。これらは無料(一部)~月額1万円ですべての講義動画を視聴できるなど非常にリーズナブルです。
また、完全無料の授業動画を提供しているサービスもあります。
・メリット
自分のペースでいつでも学習できる
質の高い講師の授業を全国どこにいても選べる
料金がリーズナブル
・デメリット
ネット環境や機器(PC・スマホ・タブレット)が必要
学習に自己管理が必要
無料塾
経済的に塾に通えない人のための、無料の塾なども増えてきています。
東京では「TERACO」(都立上位校向け)や、個別指導型の「ステップアップ塾」「八王子つばめ塾」「江戸川さくら塾」などが挙げられます。
お住まいの地域で探してみてください。
自治体の塾代助成制度
東京都「受験生チャレンジ支援貸付事業」や大阪市「塾代助成事業」など、かかった塾代を助成してくれる制度もあります。
知恵と工夫でカスタマイズ可能
子どもの個性によって、さまざまな学習スタイルが選べるよう、学校外学習も多様化しています。
・時間や生活スタイルに制約をかけたくないのでオンライン塾
・思考力やメンタル部分を支えてもらったり、学習習慣を身に着けさせたりするために通塾
・苦手科目はすぐに質問できるように通塾、得意科目は自分のペースで先取りできるオンライン塾
・ハイレベルな受験対策は通塾、途中でつまずいた部分はオンライン塾で補強
・経済的余裕がないので、無料の塾やオンライン塾
などなど、選択肢は数え切れないほどあります。
周囲に流されることなく、親子で情報収集して話し合う。そして、子どもの特性や生活環境に合った方法をセレクトする。コスパのよい方法を模索してカスタマイズすることで、同じ費用の中でも、より効果的な受験対策ができるのではないでしょうか。
執筆者:井上美鈴(いのうえみすず)
ファイナンシャル・プランナー,ライフシンフォニア 代表