単身で都営住宅に住んでいますが、パート収入が「月15万円→20万円」に。収入が「入居基準」を超えた場合、どれくらいで退去しなければいけないのでしょうか?

配信日: 2025.09.24 更新日: 2025.09.26
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単身で都営住宅に住んでいますが、パート収入が「月15万円→20万円」に。収入が「入居基準」を超えた場合、どれくらいで退去しなければいけないのでしょうか?
賃貸住宅に住んでいる世帯の中には、都や県、市町村などの自治体が運営する住宅に住んでいる人もいるでしょう。都営住宅に住むことを希望する場合、所得基準を満たす必要がありますが、所得が著しく高い場合は、入居できません。
 
また、収入が増えて基準を超えた場合、退去を求められることがあります。今回のケースでは収入が「月15万円→20万円」に増えていますが、場合によっては引っ越しの必要があるため注意が必要です。
 
本記事では、都営住宅に住むための所得基準をご紹介します。また退去する場合のタイミングについても解説します。
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都営住宅とは

都営住宅は公共住宅であり、一般的に低価格の賃料で借りられます。対象は、住む家に困っている低収入の世帯です。都営住宅には、毎月募集している物件のほか、随時募集しているもの、年4回定期的に募集しているものなどがあります。
 
都営住宅の申し込み資格には、都内在住であること、所得が定められた基準内であること、住居に困っていることなどが含まれます。単身者と家族世帯とでは、条件が一部異なります。
 

都営住宅に住める所得基準

東京都住宅供給公社によると、都営住宅に入居するための所得基準は表1の通りです。なお「特別区分」とは、心身障がい者を含む世帯、60歳以上の世帯、高校修了期までの子どもがいる世帯などに当てはまる区分です。
 
表1

家族の人数 一般区分 特別区分
1人 0円~189万6000円 0円~256万8000円
2人 0円~227万6000円 0円~294万8000円
3人 0円~265万6000円 0円~332万8000円
4人 0円~303万6000円 0円~370万8000円
5人 0円~341万6000円 0円~408万8000円
6人 0円~379万6000円 0円~446万8000円

出典:東京都住宅供給公社「所得基準表」を基に筆者作成
 
今回のケースは単身世帯であるため、一般区分であれば所得が「189万6000円まで(月あたり15万8000円まで)」、特別区分なら「256万8000円まで(月あたり21万4000円まで)」が入居対象となる所得基準です。
 
基準値は所得額を基にしています。年収ベースだとどうなるか知りたい場合は、東京都住宅供給公社のシミュレーターを使うと便利です。
 

年収が基準を超えるとどれくらいで退去しなくてはならないのか

東京都住宅供給公社によると、都営住宅に連続して3年以上入居しており、かつ所得月額が基準を超えると、「収入超過」の状態とみなされます。
 
この場合、都営住宅を明け渡す努力義務が課せられます。これは、都営住宅への入居を希望していても空きがなく入居できない人を考慮した措置です。とはいえ、明け渡しは努力義務であり、収入超過後すぐに退去しなければならないわけではありません。
 
また、一般都営住宅または特定都営住宅に引き続き5年以上入居していて、最近の2年間に連続して認定所得月額が基準(31万3000円)を超えた場合、「高額所得者」として認定されます。高額所得者の認定を受けると、明け渡しを要求されます。
 

退去しなかった場合どうなる?

収入超過者が直ちに住居を明け渡さなくても、大きな問題になるわけではないでしょう。
 
とはいえ、家賃面で入居者にはデメリットが発生します。東京都住宅供給公社によれば、収入超過者とみなされてからの期間に応じて、家賃の割増率が毎年上がり、最終的には近隣の民間賃貸住宅と変わらなくなってしまいます。
 
家賃の安さという、都営住宅に住むメリットのひとつが失われるのです。
 

入居基準を超えてもすぐに退去する必要はないと考えられる

都営住宅の入居者が、基準を超える収入を得た場合、収入超過者になります。その場合は退去の努力義務が発生しますが、あくまで努力義務であり、すぐに退去を求められるわけではありません。
 
ただし、低賃料という都営住宅のメリットがなくなる可能性があるため、退去する方が住宅環境がよくなる可能性もあるでしょう。
 

出典

東京都住宅供給公社 所得基準表
東京都住宅供給公社(手続編) 4-4 収入超過者・高額所得者に対する措置
東京都住宅供給公社 収入超過者になると住宅使用料(家賃)はどのようになりますか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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