ファイナンシャルプランナー資格で食べていくには
配信日: 2017.10.05 更新日: 2019.01.07
ファイナンシャルプランナー(FP)はご存知のように専業業務がありません。そんな資格を取得して食べていけるのか?というご質問に対して筆者なりの回答をしたいと思います。
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
FP6分野の中で核を育てる
FPは6分野に及びます。ライフプランとリタイヤメントプラン(住宅ローン、年金が要)、リスク管理(生命保険・損害保険・医療保険)、金融資産設計(金融商品、金利・為替などマクロ経済の動き)、タックスプランニング(所得税・消費税・法人税)、不動産設計(不動産取引手続きと税務)、相続事業承継(相続税、中小企業における事業承継)ですが、ご相談に見える方は6分野をまんべんなく聞きたいというよりは、6分野のうちのどれかを重点的に聞きたいけれど、それだけをピンポイントに知りたいのではなくて(もしピンポイントに深堀いのであれば、それぞれを専門に扱う士業に問い合わせます)、全体の家計の中で、生活の中での関連性として知りたいというご要望を持ってこられます。
したがって、6分野の中で特に「ここが強い」という核を中心に徐々にスキルや経験を関連の他分野に浸透させていくようにします。
例えば前職が不動産関係だったので、ということで「不動産に強い」がライフステージのここの局面で不動産を購入すると、ローン返済と教育費負担でこのような家計状況になる、などと関連付けた情報提供ができるようにすると顧客の信頼も得られます。
なぜ士業ではなくFPに相談するか
筆者のクライアントに「なぜ士業ではなくFPに問い合わせるのか?」ということを聞くと、「士業は専門業なので敷居が高い(相談料が高い)、士業に聞くというほど質問内容が限られているのではなくてもっといろいろ聞きたいから。」といった回答が一番多いです。
例えば税務相談であれば、個別具体的な回答ができないFPに聞くより、税理士にきくほうが効率的です。ですが、漠然と子どもの教育費がかかりそうだ、老後が不安だ、これは誰に聞けばいいんだろうか?というように質問事項が定まっていないときにFPを選択されるようです。
このような質問に対応できるために、好奇心を旺盛にして積極的にさまざまな現実に向き合っていくことが求められている、テキストは自分で作り上げていく、でも自分主体ではなくクライアント主体に改訂していく柔軟さが求められている職業と言えると思います。