交番に「5万円入った財布」を届けたら、警察に「あなたの情報を伝えますか?」と聞かれた! 断ったけど、もし頼んでたら“お礼に1割”もらえてたのでしょうか?

配信日: 2025.11.16
この記事は約 3 分で読めます。
交番に「5万円入った財布」を届けたら、警察に「あなたの情報を伝えますか?」と聞かれた! 断ったけど、もし頼んでたら“お礼に1割”もらえてたのでしょうか?
帰宅途中に財布を拾ったAさんの実体験です。
 
財布には5万円が入っており、交番で届け出をする際に名前や住所などを記入すると、警察官に「拾った人の情報を、持ち主に伝えてもいいですか」と聞かれました。Aさんは「結構です」と断ったものの、後から「もし伝えていたらお礼がもらえたのかも」と思ったそうです。
 
落とし物を交番や警察署に届けた経験のある人もいるかもしれませんが、拾った人にはどんな権利があるのでしょうか。また、一度は断った情報提供や謝礼も、あとから訂正することはできるのでしょうか。本記事では、そんな落とし物にまつわる手続きと謝礼について解説していきます。
渡辺あい

ファイナンシャルプランナー2級

拾ったらどうする? 交番での手続きの流れ

財布などの落とし物を拾った場合には、「遺失物法」に基づいて、速やかに交番や警察署へ届け出なければいけません。原則として7日以内に届け出をしないと、謝礼などの権利を失うだけでなく、場合によっては占有離脱物横領の疑いがかけられてしまうこともあります。
 
届け出の際には、拾った日時や場所、物の特徴などを記入し、拾った人の名前や連絡先を警察が確認し、「拾得物件預り書」を受け取ります。そのうえで「持ち主にあなたの情報を伝えてよいか」と尋ねられるのが一般的な流れです。
 
落とし物を拾うと、拾い主には謝礼をもらう権利が発生しますが、謝礼のやりとりに関して警察は関与せず、個人間で交渉を行うことになります。そのため、謝礼が欲しい場合は落とし主と連絡を取れるように、あらかじめ警察で落とし主への情報提示の許可をしておく必要があるのです。
 

謝礼っていくらもらえるの?

遺失物法では、落とし主は拾った人に対して、落とし物の価値の5~20%に相当する金額を「報労金」として支払う義務があると定めています。例えば、今回のように5万円入りの財布であれば、2500円から1万円が目安になります。
 
ただし、必ず受け取れるとは限らず、報労金を受け取るには、拾った人の氏名や連絡先を落とし主に伝えることが前提です。つまり、匿名の場合は謝礼の受け取りを辞退したことになるのです。
 

後から「やっぱりお礼がほしい」は可能?

届け出時に「情報は伝えない」と答えた場合でも、後から「やっぱり報労金を受け取りたい」と申し出ることは可能なのでしょうか。実は報労金を請求する権利は、落とし物が遺失者に返還された後の1ヶ月を経過するまでとなっているので、この期間中であれば請求する権利はあります。
 
しかし、警察が落とし主に拾い主の情報を伝えていない状態で、落とし主に返還が済んでいる場合は、再度警察から落とし主に連絡を取る必要が出てくるため、時間もかかり、謝礼を受け取るのは難しくなるということも考えられるでしょう。
 

落とし物は速やかに届け出を

財布などの落とし物を交番に届けると、拾得者には謝礼を受け取る権利が生じます。ただし、謝礼を受け取るには「落とし主に自分の情報を伝えること」が前提であり、匿名では謝礼を受け取ることはできません。
 
今回のAさんの場合、事前に持ち主に情報提示する旨を伝えていれば、謝礼を受け取れた可能性はありますが、一度匿名を選択すると、その後に思い直したとしてもスムーズに謝礼を受け取ることは難しくなるでしょう。
 
落とし物を拾った際に「お礼を期待するか」「匿名を選ぶか」は、拾った人次第です。どちらを選ぶにしても、落とし物を見つけたときには、困っている人のために速やかに警察に届けるようにしましょう。
 

出典

警視庁 落とし物について
 
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問