40代実家暮らし。新卒の時から毎月家に「5万円」を入れているのですが、先日親から「もう少し金額を増やしてほしい」と言われました。いくらくらいが相場なんでしょうか?
この記事では、アンケート調査のデータをもとに、実家暮らしで家に入れるお金は「いくらくらいが相場か」を整理し、自分と親の双方が納得できる金額を設定するためのポイントを解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
実家暮らしで「家に入れるお金」の相場はいくらくらい?
実家暮らしの独身社会人が家に入れているお金の実態について、株式会社モデル百貨が2023年に実施した調査によれば、「家にお金を入れている」と回答した人は61%に上りました。
その平均額は月額5万4009円とされており、年代別では20代が3万3232円、30代が4万1750円、40代が5万9131円、50代が7万5473円と、年齢が上がるほど高くなる傾向があります。
このデータを見る限り、今回の事例のように40代で月5万円を入れているケースは、全体平均と比較してやや控えめ、40代の平均と比べても若干少ない印象です。
ただし、地域や生活費の分担状況、親の収入や資産状況によって「適正額」は大きく異なります。平均額はあくまでも参考として受け取り、自分のケースに合わせて見直すことが重要です。
また、同調査によれば、一人暮らしのときと比べて実家暮らしによって浮いているお金は平均で6万2000円以上とされており、その一部を親に還元するという意味で家にお金を入れている人も少なくありません。
さらに、手取りの1~2割程度を目安にしているケースも多く、仮に手取りが25万円程度なら2割で5万円ほどとなり、収入によっては必ずしも少なすぎるわけではないといえるでしょう。
「適切な金額」を決めるために押さえておくべき3つの視点
適切な金額を考えるには、まず「親の家計や実家の負担状況」を把握することが大切です。親が住宅ローンや家の修繕費、光熱費や食費などをどの程度負担しているのかによって、子ども側の金銭的な貢献の必要性は大きく変わります。
生活費の多くを親がまかなっている場合、負担の分担としてもう少し多く家に入れるのが自然かもしれません。
次に、「自分の収入と将来への備え」を考慮しましょう。実家暮らしで支出が抑えられている分、貯蓄や資産形成に力を入れられるのは大きなメリットです。
しかし、家に入れる金額が高すぎて貯蓄ができなければ、将来の一人暮らしや介護負担に備える余裕がなくなってしまいます。今後のライフプランも踏まえ、「毎月〇円までなら問題なく出せる」と判断できる範囲に収めることが望ましいでしょう。
3つ目は、「親子で納得できるルールを作ること」です。ただ金額を提示するのではなく、何にいくら使っているか、どの程度の負担を求めているのかを親とすり合わせておくことが重要です。住居費を一部負担する代わりに食費や光熱費は親が持つ、逆に生活費の大部分を子どもが負担するという形も考えられます。
金額を見直すなら「目的」もセットで考える
親から「もう少し金額を増やしてほしい」と言われた背景には、生活費の上昇や将来の介護への不安があるかもしれません。親の本音を確認し、必要なら家に入れる金額の使い道も明確にしておくと、納得感のある対応がしやすくなります。
また、家に入れる金額だけでなく、家事を分担するといった金銭以外の貢献も含めてバランスを取るのも一案です。さらに、毎月は変えずにボーナス時に増額したり、親の誕生日や冠婚葬祭のタイミングでサポートしたりする形で、無理なく支援する工夫も可能です。
まとめ
40代で実家暮らしを続けている人が親に毎月5万円を入れるのは、統計的には平均よりやや少なめですが、状況次第では十分妥当な金額といえるでしょう。ただし、親の経済状況や将来の不安、家計の実態によっては、もう少し多く入れてほしいと感じるのも自然なことです。
大切なのは、「いくらが正しいか」ではなく、「どこまでが自分にとって無理がなく、親も納得できる金額か」を話し合いの中で見出すことです。一方的に求められるのではなく、家族として支え合う形を築けるよう、丁寧なコミュニケーションとバランスの取れた判断が求められます。
出典
株式会社モデル百貨 独身実家暮らしのお金事情についての調査(PR TIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
