60代の夫が緊急入院、“窓口で30万円”と言われてパニック。「限度額適用認定証」を出せば本当はいくらになる?
本記事では、医療費が高額になったときに役立つ制度について、分かりやすく解説します。
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目次
60代の夫が緊急入院! 医療費の窓口負担が30万円の場合、自己負担の上限額はいくら?
家族が急に入院となり、高額の入院費を聞かされるとパニックになってしまう方もいるでしょう。実際、健康保険が適用されても、手術や長期入院が重なると、1ヶ月の医療費総額が100万円、200万円と高額になることも珍しくありません。
しかし、日本には「高額療養費制度」があり、1ヶ月(月の始めから終わりまで)に支払う医療費の自己負担額には上限があります。厚生労働省によれば、70歳未満・標準報酬月額28万~50万円(年収約370万~770万円)の人が、総医療費100万円(窓口負担3割=30万円)の入院をした場合、自己負担の上限額は8万7430円となります。
計算式は次のとおりです。
・8万100円+(医療費-26万7000円)×1%
年齢と所得に応じて上限額が定められているため、最終的な自己負担はこの上限を超えることはありません。ただし、入院時の食費負担や差額ベッド代などは含まれないため注意が必要です。
「限度額適用認定証」の提示で窓口負担を軽減できる
高額療養費制度は、医療費が自己負担上限額を超えた場合、その超過分が後日払い戻される仕組みです。ただし、「限度額適用認定証」を事前に申請することで、窓口での負担を自己負担上限額に抑えることができます。
「限度額適用認定証」は、加入している健康保険に事前申請すると交付され、窓口で提示することで、その場での支払額が上限額までに抑えられます。
前述の「70歳未満・年収約370万~770万円で医療費が100万円(窓口負担30万円)」のケースでは、「限度額適用認定証」を提示すれば、窓口での支払いは自己負担上限額の8万7430円で済み、高額療養費の申請や払い戻しを待つ必要がありません。
「マイナ保険証」を使えば、手続きがさらに楽に
健康保険証の利用登録がされたマイナンバーカード(マイナ保険証)を提示することで、事前に「限度額適用認定証」を申請しなくても、公的医療保険が適用される診療に対しては、高額療養費制度の上限額を超える支払いが免除されます。
ただし、マイナ保険証を利用するには、あらかじめマイナンバーカードの健康保険証としての利用登録が必要です。まだ利用登録をしていないケースでは、緊急入院などで間に合わない場合もあるため、早めに登録を済ませておきましょう。
まとめ
緊急入院に備えるうえで、まず知っておきたいのは「1ヶ月あたりの医療費の自己負担には上限がある」という点です。
年齢や所得区分、医療費の総額にもよりますが、標準的な収入の60代の方であれば、入院や手術などで医療費が高額になっても、自己負担は1ヶ月あたり数万円程度におさまるケースもあり、思っているほど負担が膨らむわけではありません。
そのうえで家計の備えとしては、「自己負担上限額×数ヶ月分」程度の資金を用意しておくと安心です。この機会に、自分の所得区分に応じた自己負担上限額をあらかじめ確認しておきましょう。
出典
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)(5ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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