2026年から導入される“独身税”。年収600万円だと「1000円」払わないといけない? 対象者や負担額を解説
とくに「独身は負担が増える」「年収600万円だと1000円払うことになる」といった話題が広がり、制度への不安を感じる人も少なくありません。実際にはどのような制度で、誰がどの程度負担するのでしょうか。
本記事では、こども家庭庁が公表している資料をもとに、制度の概要と負担額の仕組みを整理します。
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「子ども・子育て支援金制度」とは何か
2026年から始まる「子ども・子育て支援金制度」は、少子化対策の一環として子育て関連施策の財源を社会全体で支えるための仕組みです。制度の目的は、児童手当の拡充や保育サービスの充実など、子ども・子育てに関する政策支援の安定財源を確保することにあります。
この制度は「独身者だけが負担する税金」ではなく、原則として医療保険に加入しているすべての人が対象となります。負担の方法は医療保険料への上乗せであり、加入先の保険者を通じて「支援金」が徴収されます。独身か既婚か、子どもの有無による区別は基本的にありません。
支援金の対象者と負担額の仕組み
前述のとおり、対象となるのは医療保険に加入するすべての人で、会社員、公務員、自営業者など加入制度を問わず負担が生じます。こども家庭庁によれば、具体的な負担額は加入する医療保険制度、所得や世帯の状況などによって異なるとされています。
支援金制度は段階的に引き上げられる設計となっており、医療保険加入者1人当たりの平均負担額は、令和8年度で月額250円、令和9年度で350円、令和10年度で450円と見込まれています。これは制度全体の平均値であり、加入している医療保険の種類によって差は生じますが、当初は比較的小さな負担にとどまる見込みです。
制度の枠組みとしては、所得が高いほど負担が増える一方、すべての加入者が応分に支える仕組みであり、特定の個人だけに負担を求めるものではありません。
年収600万円だと本当に「1000円」の負担になる? 試算の内容
こども家庭庁が公開している資料では、制度導入後の被用者保険の年収別支援金額の例として、「年収600万円の場合で月額1000円」という試算が紹介されています。これは令和3年度実績の総報酬で、機械的に1人当たりの令和10年度における支援金額を計算した場合のモデルケースです。
この試算は制度のイメージを理解してもらうための例示であり、年収600万円のすべての人が1000円の支援金拠出になるわけではありません。保険者ごとに必要な支援金額が異なるため、実際の負担額は加入している医療保険によって変動する点を理解しておく必要があります。
まとめ
2026年から導入される「子ども・子育て支援金制度」は“独身税”と呼ばれることもありますが、独身者に特化した税金ではなく、原則として医療保険に加入するすべての人が対象となる仕組みです。
負担額は所得や加入する医療保険制度などに応じて決まり、参考として、年収600万円の場合で1000円となる例が公表されています。また、制度全体の見込みとして、医療保険加入者1人当たりの負担額は令和8年度で月額250円、令和9年度で350円、令和10年度で450円程度が目安とされています。
支援金制度の目的は、子育て支援の財源を社会全体で安定的に確保することにあり、特定の層への追加負担を目的としたものではありません。正式な料率が確定する段階で、自身の加入保険の情報を確認しておくことで、より正確な負担額を把握できるでしょう。
出典
こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度について 子ども・子育て支援金制度のQ&A Q6. 子ども・子育て支援金の額はいくらになりますか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
