引っ越し先で「ゴミ捨て場を使うなら町内会の会費を払うように」と言われました。自治会に加入しないとゴミ捨て場の利用はできないのでしょうか?
こうした背景から「自治会に入っていない世帯はゴミ捨て場を利用できない」として、自治会への加入・会費の支払いを求められることがあるようです。
本記事では、自治会への加入を条件にゴミ捨て場の利用を制限されたケースを想定し、加入の義務付けやゴミ捨て場利用の是非について、現在の制度や考え方を整理して解説します。
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目次
自治会への加入強制は法的に認められない
自治会(町内会)とは、特定の地域に住む住民が自発的に作った組織です。自治会はゴミ捨て場の管理や防犯活動・防災活動など、地域に密着した様々な活動を行います。
とはいえ自治会はあくまで任意の組織であり、住民の加入が義務付けられているわけではありません。加入することを「望ましい」としている市町村の見解もありますが、あくまで個人の判断で決めることです。
自治会未加入者はゴミ捨て場を利用できない?
自治会に入っていない人たちに、ゴミ捨て場の利用を許可しないケースは多くみられます。加入者側からすれば、「自治会に入らず、お金や管理の手間をかけないのに加入者と同じように利用できるのはおかしい」と不公平を感じることがあるようです。
国立環境研究所が2020年に全国の市町村を対象に実施した調査では、自治会未加入者がゴミ捨て場を利用できないといったトラブルが、約7割の自治体で確認されています。
こうした実態がある一方で、自治会に加入していないことだけを理由に、ゴミ捨て場の利用を一律に制限する対応は適切ではないとされます。実際、自治会への非加入を理由に利用を認めない措置について、裁判で違法と判断された事例もあります。
ただ、現場では費用負担や管理の公平性をめぐる感情的なしこりが残りやすく、制度上は利用可能であっても、心理的には使いづらさを感じるケースがあるのも実情です。
ゴミ捨ての管理は市町村に義務付けられている
そもそもゴミ処理に関する義務や責任は誰にあるでしょうか。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の第6条には、ゴミ捨て管理について以下のように記載されています。
「市町村は、当該市町村の区域内の一般廃棄物の処理に関する計画(以下「一般廃棄物処理計画」という。)を定めなければならない。」
つまりゴミ捨ての管理を担うのは市町村です。
ただし、最終的なゴミ捨て場の管理については、地元のゴミ捨て場利用者に決めてもらっているケースが珍しくありません。また、設置や修理、当番調整などを自治会が担っている場合も多くあります。
例えば愛媛県新居浜市には約4000箇所に「ごみステーション」がありますが、半数以上が自治会によって運営されています。
自治会未加入でもゴミ捨て場を利用する方法
自治会に未加入であることを理由にゴミ捨て場利用を拒否された場合、以下のような手段を検討してください。
・役場に相談して対処してもらう
・戸別収集ができるか調べる
・未加入者の間でゴミ捨て場を設置する
・自治会に入らずゴミ捨て場利用料のみ支払う
住民同士だけで争うと収拾がつかないことがあるため、行政のサポートを得ながら、実際的な方法を模索するとよいでしょう。
自治会に未加入でもゴミ捨て場利用は可能だがトラブルは多い
ゴミの処理や収集に関する責任を担うのは市町村ですが、ゴミ捨て場の設置や当番管理などについては自治会に任せられていることが多いです。そのため未加入者は利用を拒否されるケースが後を絶ちませんが、裁判では利用を認めた判決が下されています。
自治会と交渉しても進展がない場合は、役場に相談する、別のゴミ捨て場を設置するなど、別の手段を探しましょう。
出典
デジタル庁 e-GOV法令検索 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第6条
東京都 生活文化スポーツ局 町会・自治会活動に関する調査報告書 12ページ
新居浜市 地域のごみステーションの維持・管理について 1ページ
国立研究開発法人 国立環境研究所 増える自治会未加入者、ごみ集積所の管理はどうする?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
