腹腔鏡手術で“20万円の入院費”がかかりそう……。「高額療養費」の“自己負担上限額”が見直されるそうですが、いくらくらい高くなりそうですか?

配信日: 2026.02.26
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腹腔鏡手術で“20万円の入院費”がかかりそう……。「高額療養費」の“自己負担上限額”が見直されるそうですが、いくらくらい高くなりそうですか?
入院や手術が決まると、健康面の不安はもちろん、出費も気にかかるものです。高度な医療を受ける場合、入院費が高額になるケースも珍しくありません。
 
治療費が高額だった場合に心強い味方となる「高額療養費制度」ですが、現在、この制度の自己負担上限額を引き上げる見直しが進められています。本記事では、私たちの医療費負担はどのくらい増えるのか、制度変更のポイントと試算を解説します。
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「高額療養費制度」の見直しが進められている

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、原則は被保険者ごとの自己負担限度額を超えた場合に、その超過分が高額療養費として支給される仕組みで、一定条件のもとで世帯合算も可能です。
 
現在は所得区分ごとに月ごとの自己負担上限額が設定されていますが、この上限額の引き上げや新たな年間上限の導入などを含む見直しが検討されています。
 
厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて」によると、2026年8月と2027年8月の2段階に分けて制度改正を進める方向性が示されています。この背景には、少子高齢化や医療技術の高度化、高額薬剤の普及などに伴う医療費総額の増加があります。
 
検討会では「所得区分ごとの応能負担を踏まえたきめ細かい設計」を軸に、「長期療養者への配慮」や「外来特例の見直し」などが主な論点となっています。高額療養費制度の公平性と将来にわたる持続可能性を両立させつつ、現役世代の保険料負担とのバランスをどのように図るかが課題とされています。
 

“20万円”の入院費用、制度が見直されたらいくら高くなる?

では、掲題にある「腹腔鏡手術で3割負担後の支払額が20万円かかるケース」を想定し、制度改正によって自己負担がどう変わるかを見てみましょう。
 
年収約370万円から770万円の世帯では、現行制度ではひとつの区分とされ、月額上限は「8万100円+(医療費-26万7000円)×1パーセント」に抑えられています。
 
2026年8月からは4〜7%引き上げ、月額上限は「8万5800円+(医療費-26万7000円)×1パーセント」程度になります。さらに2027年8月からは所得区分が細分化され、そのうち年収約650万円から770万円程度の層の月額上限が「11万400円+(医療費-26万7000円)×1パーセント」程度に設定される案が提示されています。
 
最終的な金額は、今後の制度設計で確定します。これまでは年収約650万~770万円の層は、3割負担後で20万円の医療費がかかる場面では、自己負担が約8万円台で済んでいました。しかし、今後は約11万円程度まで増える可能性があります。
 

限度額を引き上げた場合、“7割超”の患者が「受診抑制」

全国保険医団体連合会が実施したアンケート調査によると、自己負担上限額が引き上げられた場合、7割を超える患者が「受診を控える」といった懸念を示している結果が公表されています。
 
同団体から、限度額アップの効果は国民1人あたり年間でわずか数百円程度の保険料軽減にすぎず、患者の負担増は不合理だという指摘もあります。
 
がんなど長期にわたって療養が必要な患者については、多数回該当の上限額を据え置くことや、新たに年間上限を導入することなど、経済的負担に配慮した措置も検討されています。しかし、窓口で支払う一時的な負担が増える可能性が高いとみられます。
 

まとめ

今回の制度見直しにより、腹腔鏡手術で20万円の入院費がかかった際の自己負担額は、年収によっては現在の約8万円から、2027年以降は約11万円へと3万円ほど増加する可能性があります。
 
「高額療養費制度があるから大丈夫」と楽観視せず、まずはご自身の所得区分が新しい制度でどこに該当しそうか確認する必要があります。公的保険に頼るだけでなく、保険の見直しや貯蓄など、自助努力による備えがより重要になるでしょう。
 

出典

厚生労働省 高額療養費制度の見直しについて
全国保険医団体連合会 【高額療養費影響調査】7割が受診抑制、6割が薬・治療法を変更
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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