【注意】千円札を「100円玉」に両替したら、なんと“偽造コイン”が出てきた! ほぼ本物に見えるけど、側面にギザギザがない!? 両替機も通過した「MVSコイン」とは
本記事では、MVSコインの概要やMVSコインを使うと犯罪になるのか、偽造通貨を見つけた場合の対応方法などを解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士
MVSコインとは
今回話題になったMVSコインとは、どのようなものなのでしょうか。コインの片面は「100」など本物の百円硬貨と同じ模様が刻印されています。しかし、反対面には「MVS」などと刻印されており、ゲームセンターなどで使われているコインのようです。また、本物にはある側面のギザギザはMVSコインにはありません。
「MVS」とは
このMVSコインは、海外通販サイトで「Arcade MVS Coins Currency for Vintage Arcade Games」などと称されて販売されています。
「MVS」とは、かつて国内で販売されていた「Multi Video System」と呼ばれるアーケードゲーム基板のことです。MVSコインは、Multi Video Systemを使うためのコインとして販売されているようです。
しかし、実際にはMulti Video Systemは、設定によってコインなしでも使用できます。したがって、MVSコインは偽造100円硬貨としての悪用を前提として販売しているのではないかと思われます。
MVSコインを使うとどうなる
このような紛らわしいコインを使うと、どのような犯罪に該当するのでしょうか。MVSコインを使ったり輸入したりすると、刑法第148条第2項に規定されている偽造通貨行使等罪に該当すると思われます。
今回の事例のように、片面が本物そっくりに刻印されているコインは、反対面を見るまで偽物だと気付かない人も多いでしょう。偽造通貨とみなされるには、「一般人が本物だと思ってしまう程度」の作りでなければなりませんが、MVSコインはこの要件に当てはまる可能性が高いでしょう。
偽造通貨行使等罪は、法定刑が「無期または3年以上の拘禁刑」です。
傷害罪の「15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」、窃盗罪の「10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」などよく見聞きする犯罪と比べると、非常に重たい罪が規定されています。このように罪が重たい理由は、偽造通貨によってお金に対する信用が失われると、国内だけでなく国際的な信用問題にも影響が及びかねないからです。
ただし、偶然手に入れた偽造通貨を使った場合は、適用される罪名が変わってきます。この場合に適用されるのは、刑法第152条の「収得後知情行使等罪」です。
こちらの法定刑は「額面価格の3倍以下の罰金または科料」で、偽造通貨行使等罪に比べかなり軽くなっています。これは、偽造通貨をつかまされてしまった人が損を取り戻そうとして、その偽造通貨を使う点に同情の余地があるとされているためです。
しかし、犯罪であることには変わりはないため、偶然偽造通貨を手に入れても、絶対に使ってはいけません。
偽造通貨を見つけたら
今回のように偶然偽造通貨を見つけたら、どうしたらよいのでしょうか? 先ほども説明したように、偽造された通貨を使うと犯罪になります。使わずに持っていただけだとしても、警察官の職務質問などで発見された際に、あらぬ疑いを受けてしまう可能性があります。
したがって、偽造通貨を見つけたら、施設の管理者や警察に届けましょう。今回のように両替機から出てきた場合は、店舗管理者に届けるのが良いと思われます。
まとめ
今回偽100円硬貨として使われたMVSコインは、海外通販サイトで販売されているものです。本物の100円硬貨と見間違えてしまう可能性があり、偽造通貨とみなされる可能性が高いでしょう。したがって、販売されているものを購入して輸入したり使用したりすると、通貨偽造行使等罪に該当すると思われます。
通貨偽造行使等罪は非常に重い罪のため、軽い気持ちで使用などをすると大変なことになりかねません。もしも見つけた場合は、すぐに店舗や警察に届けるようにしましょう。
出典
e-Gov 法令検索 刑法
執筆者 : 山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士
