2歳未満は「飛行機・ホテル代」がタダなので、子連れで“海外旅行”の予定です。母は「子どもの思い出にならない」と言いますが、今のうちが得ですよね? 高くても“物心ついてから”がいいですか?
一方、費用面で考えると、幼児は飛行機代やホテル代がほぼかからず、「今のほうが圧倒的にお得」と感じる人もいます。
本記事では、「夫婦+2歳未満児」と「夫婦+小学生」でかかる旅行費用の違いを整理しながら、それぞれのメリット・デメリットを比較し、いつ行くのが合理的かを考えていきます。
FP2級、AFP、簿記3級
「どうせ覚えていない」は本当? もったいないと言われる理由
2歳前後の子どもを連れて海外旅行に行くことについて、「どうせ将来覚えていないのだから意味がない」と言われた経験がある人は少なくないのではないでしょうか。
確かに、2歳未満の子どもが旅先の景色や出来事を長期的な記憶として残せる可能性は高くないとされています。そのため、「思い出づくり」という観点だけで見ると、もったいないと感じる意見にも一定の合理性があります。
ただし、旅行の価値は子ども本人の記憶だけで決まるものではありません。親にとっての体験や、家族写真として残る記録、当時の出来事を後から家族で語り合えることも、旅行の大切な価値です。
また、幼少期に家族旅行などを通じてさまざまな刺激を受けること自体が、子どもの感情や感覚の発達に影響を与えるとも言われています。重要なのは、「覚えているかどうか」だけで判断するのではなく、その旅行に何を求めるのかを整理することです。
費用面で見ると2歳「未満」は圧倒的に安いという現実
次に、費用面の違いを具体的に見てみます。JALやANAなどの航空会社では、2歳未満の子どもが座席を使用しない場合、国際線でも大人運賃の10%程度で搭乗できます。
2歳を過ぎて座席を利用する場合は、大人運賃の75%程度の料金設定になるケースが一般的です。そのため、費用面を考えると、2歳の誕生日を迎える「前」の方が圧倒的に安くなります。
例えば、往復で大人1人15万円の国際線航空券を想定すると、「夫婦+2歳未満児」であれば航空券代は32万円程度で済みますが、「夫婦+2歳以上」では41万円程度かかります。航空券だけで約9万円の差が生まれる計算です。
宿泊費に関しては、多くのホテルでは年齢ではなく、添い寝利用の場合は無料となり、追加料金が発生しないケースがほとんどです。子どもがベッドを単独で使用する年齢で宿泊する場合と比べると、宿泊費だけでも数万円の違いになります。食事の有無も合わせると、「幼児のうちに海外旅行に行くほうが圧倒的に安い」のは事実と言えるでしょう。
結局いつ行くのが正解?「費用」と「体験」のバランスで考える
では、「安い今」に行くのが正解なのでしょうか。必ずしもそうとは言い切れません。幼児期の海外旅行は、本人の記憶には残りにくくても、写真や動画を通じて後から家族で振り返ることができます。その反面、長時間のフライトや時差、現地での移動など、小さい子を連れていることで親の負担が大きくなりやすいのも事実です。
一方、子どもがある程度成長してからの旅行は、費用が高くなる反面、体験の密度が高まります。文化の違いや景色、食事を理解し、自分の言葉で語れるようになることで、旅行は「親の思い出」ではなく「家族全員の記憶」として残りやすくなります。
つまり、「幼児との海外旅行はもったいない」「小学生まで待つべき」と単純に割り切る必要はありません。
コストや中長期的に考える思い出の蓄積を重視するなら幼児期、共にできる体験の深さを重視するなら成長後など、それぞれのメリットを理解したうえで選んだ旅行であれば、あとから「もったいなかった」と感じる可能性は低くなるはずです。
家族旅行において大切なのは、合理的な正解を探すことよりも、自分たちの基準で選ぶことなのかもしれません。
執筆者 : 大林郁哉
FP2級、AFP、簿記3級
