子どもがおもちゃ屋で商品を落として壊してしまいました。わざとではない場合でも、弁償をする義務はあるのでしょうか?

配信日: 2026.03.15
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子どもがおもちゃ屋で商品を落として壊してしまいました。わざとではない場合でも、弁償をする義務はあるのでしょうか?
子どもとの買い物中は、思いがけない出来事が起こることがあります。おもちゃ屋で商品を落として壊してしまったとき、「すぐに弁償しなければならないのか」と不安になる方は少なくありません。こうした場面では、慌てて対応する前に、まず基本的な考え方を知っておくことが大切です。
 
そこで本記事では、法律の基本と店頭での対応のポイントについて解説します。
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わざとでなくても、弁償が必要になることはある

店の商品を落として壊した場合、まず問題になるのは、壊した本人に法律上の責任があるかどうかです。民法709条では、他人の権利や法律で守られる利益を、故意または過失によって侵害したときは、損害を賠償する責任を負うと定めています。
 
ここでいう過失とは、わざとではないものの、通常払うべき注意を怠ったことです。例えば、店内で走っていた、商品棚の近くで無理に手を伸ばしたなどの事情があれば、過失が認められやすくなります。つまり、わざとではないというだけで、直ちに弁償が不要になるわけではありません。
 
一方で、事故の状況によっては判断が分かれることもあります。通路が極端に狭い場所に割れやすい商品が不安定に置かれていた場合などは、店側の事情も検討される余地があります。そのため、壊れたという結果だけで、いつも同じ結論になるとはかぎりません。まずは、状況を落ち着いて確認することが大切です。
 

子ども本人ではなく、親が責任を負うこともある

子どもが壊した場合は、大人と同じように考えればよいわけではありません。
 
民法712条では、未成年者が他人に損害を与えた場合でも、自己の行為の責任を判断できるだけの知能を備えていなかったときは、その子ども本人は損害賠償責任を負わないとしています。また民法714条では、その場合に子どもを監督する法的な義務を負う親などが損害賠償責任を負うと定めています。
 
重要なのは、年齢だけで一律に決まるわけではない点です。実際には、その子どもの成長の度合いや、その場の危険をどこまで理解できたかによって判断されます。
 
つまり、幼い子どもの場合は親の責任が問題になりやすく、成長している子どもの場合は本人の責任が検討されることもあります。ただし、店とのやり取りでは、親が前に出て対応するのが一般的です。責任の所在をその場で言い争うのではなく、まずは謝罪し、事実関係を確認するほうが望ましいでしょう。
 

商品を壊してしまったとき、どう対応すればよい?

実際に商品を壊してしまったら、まず店員にすぐ伝え、けが人がいないかを確認しましょう。ガラスや陶器のように破片が出る商品の場合は、子どもをその場から離して安全を確保することを優先します。
 
そのうえで事情を説明し、店の案内に従いましょう。感情的になってしまうと、状況の確認が不十分になりやすいため、落ち着いて対応することが重要です。
 
その場で弁償を求められた場合でも、すぐに強く反論するのではなく、「何が壊れ、どのような状況だったのか」を確認することが大切です。納得できない点がある場合は、店長などの責任者と話し、必要に応じて後日あらためて相談する方法もあります。
 
なお、個別の事情によって判断が分かれるため、金額や責任に争いがある場合は、消費生活センターや弁護士への相談も検討すると安心です。国民生活センターでも、消費生活相談の案内を行っています。
 

子どもが商品を壊してしまったときは、落ち着いて誠実に対応しよう

子どもがおもちゃ屋で商品を落として壊した場合、わざとでなくても弁償が必要になることはあります。ただし、必ず無条件で全額を支払うと決まっているわけではありません。弁償する責任があるかどうかについて、法律上は過失の有無や子どもの判断力、親の見守り方などを踏まえて判断されます。
 
このような場面でまず大切なのは、責任逃れを考えることではなく、店に迷惑をかけた可能性がある以上、まず誠実に謝罪し、状況を確認することです。
 
そのうえで、必要に応じて専門家に相談すれば、感情ではなく法律に沿って整理しやすくなります。万一の場面でも落ち着いて対応できれば、トラブルを大きくなるのを防ぎやすくなるでしょう。
 

出典

デジタル庁 e-Gov 法令検索 民法
独立行政法人国民生活センター 全国の消費生活センター等
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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