別荘を「国内に2つ、海外に1つ」所有していますが、子どもたちから「維持費は大丈夫?」と心配されます。信託で売却のタイミングや使い方まで決めてしまうのはよくないのでしょうか?
一般的に、不動産は使わないまま放置し続ければ、傷みや劣化の進行が早まります。それを防ぐために、一定の維持費等を負担して、利用時に快適な状態を保てるよう、適切に維持管理する必要があります。
本記事では、別荘などで一般的にかかる維持費の内容や、仮に別荘を不動産信託した場合に覚えておきたいポイントなどを確認していきます。
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
別荘等にかかる一般的な維持管理費用
別荘等の利用頻度にもよりますが、日常の維持管理についてはオーナーが自分でやるのではなく、管理会社等に委託してメンテナンスや清掃、緊急時の対応を任せているケースが多いと思われます。
この場合には、管理会社との契約により当然費用が発生します。別荘等にかかる一般的な維持管理費用については、管理会社との契約に基づき、「管理費・共益費」などで包括されることもありますが、考えられる維持管理費用の内訳は以下の通りです。
(1)固定資産税(都市計画税も含む)
(2)電気・水道・ガス料金(基本料金などを最低限負担)
(3)ハウスクリーニング代
(4)火災保険料(地震保険料も含む)
(5)設備のメンテナンス費用(庭・プール・温泉施設など)
(6)サブスク契約の料金(インターネット、ケーブルTVなど)
これらの費用は、立地条件や広さ、設備の有無などにより大きく異なります。また、オーナーが利用しない時期には、貸別荘として貸し出すことで収入を得ている場合もあるでしょう。
別荘等を不動産信託する場合に覚えておきたいこと
不動産信託とは、自分が所有している不動産を「受託者」(家族や信託会社など)に信託し、管理や運用、処分などを自分の代わりに行ってもらう制度です。多くの場合、不動産オーナーである本人(自分)が受益者となり、受託者が運用する不動産から発生する利益を受益者が受け取る仕組みを取ることが一般的なようです。
不動産信託をするメリットはさまざまありますが、代表的なものはオーナーが年老いて認知症になったときや亡くなったときのメリットが大きいといわれています。
例えば、オーナーが認知症となり、意思能力が失われたと判断されると別荘等の不動産の処分(売却)やリフォームなどができなくなる場合があります。もちろん、家族が勝手に売却することもできません。
このような場合に、家族を受託者とする不動産信託契約を結んでいると、不動産の管理、運用、処分を家族に任せられるため、必要に応じて売却なども実行することができます。この費用を受益者であるオーナーが入居する老人ホーム等の費用に充てることなどもできるのです。
また、オーナーが亡くなった場合でも、次世代へ不動産という資産を継承していく際に、不動産信託が有効となる場合があります。
例えば、遺言書にオーナーが亡くなった場合の別荘の遺贈先について記載しておくことが重要ですが、不動産信託の場合には、さらに次の相続(二次相続)を誰に行うかについても指定しておくことが可能です。
さらに、子が兄弟など複数で財産を共有せざるを得ない状況でも、不動産信託によって、一人を受託者、残りの方を受益者として設定することで、受益者にも一定の利益を分配できる仕組みを作ることが可能となります。
このような不動産信託の契約を信託銀行などのプロと締結した場合には、中立な立場からスムーズに実行されるというメリットがある一方で、一定の費用の負担が必要となるというデメリットも理解しておかなければなりません。
最も信頼できる家族の一人に受託者を担っていただく場合には、受託者として指名されなかった家族への配慮も必要となり、状況によっては、このことがトラブルの種となる可能性もあります。
まとめ
不動産信託を実行する場合には、信託内容の決定や公正証書の作成、信託登記などの手続き等さまざまな専門的な知識が必要となります。そのような意味からも、信託銀行や司法書士・弁護士などの専門家に相談することが推奨されるでしょう。
別荘など相続時に分割しづらい不動産などの財産を多く所有している方は、信頼できる専門家を見つけ、まずは相談してみることをお勧めいたします。
執筆者 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
