東京に住む“大学生のわが子”への仕送り「10万円」がキツイです。「家賃でほとんど消える」と言われますが、学生で“家賃8万円”は高すぎますか? 家賃・仕送り額の平均とは
総務省統計局の「住民基本台帳人口移動報告」によると、東京都における転入者が転出者を上回る転入超過数は全国最多で6万5219人となっており、特に20〜24歳の転入超過数は8万443人と最多で、進学や就職を機に上京する人が多いのが分かります。
上京した学生の子どもに仕送りをしている家庭もあると思いますが、月10万円の仕送りを「家賃でほとんど消える」と言われると、家賃が高すぎるのではと思う人も少なくないのではないでしょうか。本記事では、東京都の家賃相場や子どもへの仕送り額について考えていきます。
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東京都23区ではシングル向きの家賃は9ヶ月連続で最高値更新
まずは東京都の家賃がどれぐらいなのか見てみましょう。アットホーム株式会社の調査によると、東京都23区のアパートにおける面積帯別平均家賃(2026年1月時点)は図表1の通りです。
図表1
アットホーム株式会社 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向(2026年1月)より筆者作成
全ての面積帯で4ヶ月連続で2015年1月以降最高値を記録しており、特に30平方メートル以下のシングル向きの平均家賃は7万2118円で、9ヶ月連続で最高値を更新しています。また、図表2は東京都下における面積帯別平均家賃です。
図表2
アットホーム株式会社 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向(2026年1月)より筆者作成
シングル向きの平均家賃は23区内と比較すると安く、5万8253円となっていますが、こちらも5ヶ月連続で最高値を更新しています。
首都圏に私立大学に進学する家庭の仕送り額
東京地区私立大学教職員組合連合の「私立大学新入生の家計負担調査 2024年度」によると、2020年度〜2024年度の首都圏における私立大学の新入生に対する、5月の仕送り額は図表3のようになっています。
なお5月は、入学直後の新生活や教科書・ノートなどの教材購入で費用がかさむことから、1年のうちでも一番高い仕送り額になる傾向があります。
図表3
東京地区私立大学教職員組合連合 私立大学新入生の家計負担調査 2024年度より筆者作成
仕送り額は2020年以降増加傾向で、2024年度は10万1100円です。6月以降は出費が落ち着くため、仕送り額の平均額は8万8500円となりますが、それでも大きな出費と言えるでしょう。
さらに、家賃の平均は6万8900円と、仕送り額に対して8割近くを家賃が占めており、生活費に充てられる金額は少ないことが分かります。実際に計算してみると、仕送り額から家賃を除いた生活費は1万9600円で、1日あたり653円です。この金額で、電気・ガス・水道といった光熱費、食費などを賄うのはかなり厳しいでしょう。
多くの家庭にとって仕送りの負担は大きい
このように、東京都23区におけるシングル向けの家賃の平均が7万2118円、首都圏の私立大学に入学した学生の家賃の平均は6万8900円であることから、タイトル事例のような家賃8万円は平均より少し高いと言えます。しかし、このところの物価上昇を考えると、住む場所によっては8万円でも厳しいところがあるかもしれません。
さらに、先述の「私立大学新入生の家計負担調査 2024年度」では「前期分の授業料は今までの貯金で賄えたが、後期分以降は借り入れ先を検討している」「仕送りだけでは賄いきれず、奨学金も借りている」といった保護者の声があり、教育費の工面に苦労していることが分かります。
現在は、子どもが3人以上いる世帯で一定の要件を満たせば、大学の授業料や入学金の支援を受けられる「高等教育の修学支援新制度」も拡充されています。また、貸与型だけでなく、給付型の奨学金も増えてきました。子どもが大学に進学するという家庭は、早くから情報収集をし、利用できるものの選択肢を広げておきましょう。
出典
総務省統計局 住民基本台帳人口移動報告
アットホーム株式会社 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向(2026年1月)
東京地区私立大学教職員組合連合 私立大学新入生の家計負担調査 2024年度
執筆者 : 金成時葉
2級ファイナンシャル・プランニング技能士



