『進撃の巨人』調査兵団員の給料と死亡リスクを”労災”視点で計算

配信日: 2026.03.31
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『進撃の巨人』調査兵団員の給料と死亡リスクを”労災”視点で計算
『進撃の巨人』に登場する調査兵団は、天敵である「巨人」と戦う特殊部隊です。調査兵団員の生存率は極めて低く、新兵の多くが命を落とします。もし調査兵団が現実に存在したら、どんな仕事で、リスクに見合った給料はいくらでしょう。
 
本記事では、「リスクプレミアム(危険への上乗せ報酬)」の概念をもとに、調査兵団員の仮想年収を試算します。現実の危険職と照らし合わせながら、リスクと報酬の関係を見ていきましょう。
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危険な仕事はなぜ高給になるのか

危険な仕事の給料が高い理由は「リスクへの上乗せ報酬があるため」です。
 
命や健康を脅かす可能性がある仕事には、通常の給与に加えて、危険手当や割増賃金が支払われます。経済学では「リスクプレミアム」と呼ばれ、リスクが高いほど報酬も高くなる仕組みです。
 
日本でも、危険業務には法律にもとづいた手当があり、今回は代表的なものを2つ紹介します。
 

危険手当はリスクへの追加報酬

危険手当とは、業務上の危険やリスクに対して払われる追加報酬です。例えば、自衛隊では「特殊勤務手当」として、危険業務に対して数百円〜1万円超が支給されます。民間も、仕事によって危険手当があります。
 
この手当の目的は「高いリスクを受け入れてもらうための報酬」です。リスクが高いほど、手当の金額も大きくなります。調査兵団も「命を落とす可能性が非常に高い業務」への手当が支給されるはずです。その試算は後の章で行います。
 

人がやりたがらない仕事は給与が上がる

「誰もやりたがらない仕事」は、需要と供給の観点からも給与が高い傾向にあります。
 
特に「3K(危険、汚い、きつい)」と呼ばれる仕事で人が集まりにくく、企業は給与を上げて人材を確保しようとします。これは「補償賃金格差」と呼ばれる経済原理で、廃炉作業や建設業界の仕事などが、担い手が少なく給与が高い代表例です。
 
調査兵団も、危険度の高さから志願者は限られるはずです。現代であれば、人材を確保するために、相応の高給を提示せざるを得ないでしょう。
 

調査兵団員は、現代の仕事で何になるか

調査兵団の任務は、未知の危険(巨人)が存在する壁外エリアへ出向き、索敵・戦闘・情報収集を行うことです。現代では、以下の仕事と共通点があります。


・壁外で巨人を探し戦う:危険を探し対処する(爆発物処理、機雷処理)
・立体起動装置を使って高所移動:鉄塔や建設物の高所移動(高所作業)
・複数人で巨人と戦う:チームの連携行動(消防、自衛隊)

以上のことから、調査兵団員に近い現代の職業は、自衛隊の「機雷処理員」です。
 
機雷処理員は、海の中の爆発物(機雷)を探知・回収・処理する専門職です。作業中は常に爆発リスクにさらされ、水中で視界の限られた環境で作業します。自衛隊では「爆発物取扱作業等手当」として日額で最大1万400円が支給されます。
 

調査兵団員の給料はいくらになるか

調査兵団員の給料を考察するために、重要な考え方が「リスクプレミアム」です。リスクプレミアムとは「リスクを取る対価として上乗せされる報酬」のことです。危険が高いほど、給料も多くなります。
 

機雷処理員(海上自衛隊)の平均年収は?

海上自衛隊の平均年収は、569万円です。ただし、護衛艦の乗組員になると月額の43%、潜水艦の乗組員になると月額の55.5%が加算され、仕事内容によって給料は大きく異なります。機雷処理員の場合、手当も加算されるため平均年収を上回るでしょう。
 

死亡リスクを金額換算する

調査兵団員の危険手当を計算をします。巨人がいる壁外にいくこと、死亡リスクを抱えながら巨人と戦うことを、危険地域の災害派遣と化学爆弾の処理とすると、危険手当は以下の通りです。


危険地域への災害派遣:日額4万2000円
化学爆弾の処理:日額2600円

それぞれを年収で計算すると、年間で危険手当は約1628万円が支給されます。
 

調査兵団員の年収をシミュレーション

前述の内容をもとに、調査兵団員の年収をシミュレーションしましょう。


基本給(潜水艦乗組員):569(1+55.5%)=約885万円
危険手当:約1628万円

以上から、調査兵団員の推定年収は2513万円と考えられます。しかし、その死亡リスクから現実的には割に合わない水準かもしれません。
 

危険な仕事は高給でも割に合わない可能性も

『進撃の巨人』の調査兵団の、給料とリスクの関係を解説しました。自衛隊の特殊勤務手当と平均年収をもとに試算すると、調査兵団員の年収は約2513万円でした。
 
一見すると高収入に見えますが、巨人との交戦や壁外への出動が前提のため、割に合わない水準といえます。高い報酬はリスクを取った人への対価ですが、そのリスクが現実になったとき、お金だけでは補えないものがあることも忘れてはなりません。
 

出典

人事院 規則九―三〇(特殊勤務手当)
自衛官募集サイト 自衛官の処遇改善
防衛省 第2回処遇・給与部会
防衛省 職員給与施行細則
防衛省 防衛省・自衛隊に関する質問
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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