アニメのグッズってどれくらい儲かるの?フィギュアからコラボカフェまで
実はアニメグッズのビジネスには、思いのほか複雑なお金の流れが存在します。フィギュア・アクリルスタンド・コラボカフェなど、種類ごとに利益の構造は大きく異なり、ファンの購買行動がアニメ産業全体を支えている側面もあるのです。
本記事では、身近なアニメグッズを題材に、グッズビジネスのお金の仕組みを分かりやすく解説します。
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目次
国内キャラクターグッズ市場は約2.8兆円規模
矢野経済研究所の調査によると、国内キャラクターグッズ市場はおよそ2兆8000億円規模にのぼるとされており、その存在感は絶大です。フィギュア単体でも2025年度の市場規模は510億円に達し、根強い需要が続いています。
さらに世界のアニメグッズ(マーチャンダイジング)市場は2025年に約120億7000ドル規模と評価されており、今後もさらなる拡大が予測されています。
グッズ種類別「利益率」を比べてみると?
アニメグッズといっても、その種類は非常に多岐にわたります。フィギュアのような製造コストが高い商品もあれば、缶バッジのように原価が低く利益率が高い商品もあります。ここでは代表的なグッズの利益率を比較してみましょう。
・フィギュア(スケール)
販売価格の目安:1万円〜3万円
原価率の目安:30〜50%
利益率の目安:50〜70%
一般的な塗装済み完成フィギュア(スケールフィギュア)の販売価格に対する製造原価率は、30〜50%程度とされています。
かつて1/8スケールのフィギュアは、数千円台で購入できていましたが、中国工場の人件費・材料費の高騰を受け、現在は1万円台半ば〜後半が標準的な価格帯です。金型を使った大量生産であっても手作業による塗装工程が多く、製造コストが下がりにくい構造が背景にあります。
・アクリルスタンド
販売価格の目安:1000〜2,000円
原価率の目安:30〜45%
利益率の目安:40〜65%(直販時)
・缶バッジ
販売価格の目安:300〜600円
原価率の目安:17〜34%
利益率の目安:約66%
アクリルスタンドの製造原価率は、30〜45%程度とされており、直販の場合は利益率が40〜65%に達することもあります。
缶バッジはさらに利益率が高く、57mmサイズを1000個製造した場合の原価は1個あたり約71円ですが、平均販売価格は約416円で、利益率は約66%とも試算されています。これらは「高単価×低原価」で利益を積み上げる、グッズビジネスを代表するモデルといえるでしょう。
・コラボカフェメニュー
販売価格の目安:1,200〜3,000円
原価率の目安:30〜40%
利益率の目安:25〜30%
飲食店の一般的なメニュー原価率は25〜30%程度とされていますが、コラボカフェのメニューが割高になるのにはれっきとした理由があります。まずIPホルダーへのライセンス料(ロイヤリティ)、描き下ろしイラストや可食プリント用フィルムなどの特殊コスト、さらに「期間限定」ゆえの一括食材仕入れによるコスト高が重なるためです。
1,500〜2,000円のドリンク1杯でも、単なる飲食代だけではなく「IPの価値」に対する対価も含まれていると理解するとよいでしょう。
グッズの売上はどこへ流れるのか?「製作委員会」という仕組み
グッズ販売・コラボカフェ・配信ライセンスなどから得られた収益は、一旦製作委員会に集められ、各出資企業の出資比率に応じて分配される仕組みです。グッズメーカーが製作委員会に参加している場合、優先的にキャラクターのグッズ化権(商品化権)を取得できるため、出資額をグッズ販売の利益で回収するというビジネスモデルが成立しています。
一方で、アニメ制作スタジオ自体は著作権を持てないケースも多く、グッズ収益の恩恵を直接受けにくいという課題も業界内で指摘されています。
市場は約2.7兆円規模でアニメ産業を支えることにつながる
アニメ産業において、放送・配信だけでは制作コストを全額回収できないケースは多く、グッズ販売や二次利用収益が製作費回収の重要な柱となっているのが現状です。フィギュアや缶バッジ1個を購入するたびに、その利益の一部は製作委員会を通じて次の作品づくりへと還元されます。
「推しグッズを買う行為は単なる消費ではなく、好きな作品が次のシーズンへと続くための資金循環に貢献している」と考えると、いつものお買い物が少し違って見えてくるかもしれません。
出典
矢野経済研究所 キャラクタービジネスに関する調査を実施(2025年)
矢野経済研究所 「オタク」市場に関する調査を実施(2025年)
Fortune Business Insights アニメグッズ市場規模、シェア、成長レポート、2034年
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
