20代の推し活支出が突出して高い理由——「推しのために働く」Z世代のマネー意識

配信日: 2026.03.31
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20代の推し活支出が突出して高い理由——「推しのために働く」Z世代のマネー意識
今、Z世代(おおよそ1996〜2012年生まれ)を中心に、推し活への支出が注目を集めています。単なる「浪費」に見えるその支出は、実は独自のマネー意識に裏打ちされた行動でした。本記事では、データをもとにZ世代の推し活とお金の関係を読み解きます。
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20代の推し活支出、実は全年代トップクラス:データで見るリアル

マイナビが実施した「推し活と仕事に関する意識調査」によると、20代正社員の49.2%が推し活をしており、これは全年代で最も高い割合です。
 
一方、推し活に使う月間支出の平均を年代別に見ると、30代が1万4692円で最も多く、20代の1万4026円が続きます。支出額の絶対値では30代がわずかに上回るものの、重要なのは「収入との比率」です。
 
20代は他の年代と比べて年収が低い傾向にあることを鑑みると、収入に対して推し活にかける金額は、他年代と比べて大きい可能性があります。つまり、20代は「金額」ではなく「収入に占める割合」という観点から見たとき、最もお金をかけている世代といえるかもしれません。
 

推し活市場は約3.5兆円——若者が動かす消費の実態

推し活は個人の趣味にとどまらず、経済規模の大きな現象に成長しています。
 
株式会社Oshicocoと株式会社CDGが実施した大規模調査によると、推し活をしている人の割合は全体の約16.7%で、人口換算すると約1383万人にのぼります。これは前年の1136万人から約250万人増加した数字です。推し活にかける年間消費額は、1人当たり平均で約25万5000円、推し活人口全体の市場規模は約3.5兆円に達しています。
 
財務省が2025年11月に発行した広報誌「ファイナンス」のコラムでも、推し活が特集されており、YouTubeやInstagramなどのクリエイターエコノミーが2021年から2023年まで年間平均17.4%成長し、推し活の普及を後押ししていることが分析されています。「若者の趣味」という枠を超えた経済現象として、政府も注目し始めているのです。
 

「推しのために節約する」——Z世代のメリハリ消費という発想

デロイトトーマツグループが実施した「国内Z世代意識・購買行動調査」では、「節約と贅沢のメリハリをつけるようになった」と回答する層が昨年に引き続き最も多く、Z世代が消費においてバランスを重視していることが示されました。
 
さらに注目すべきは「ご褒美消費」への意欲です。全世代からの回答よりもZ世代の回答の方が10ポイント以上高かったのが「自分へのご褒美消費が増えた」という項目で、Z世代は節約志向を持ちながらも、自分自身への投資や満足感を得るための消費を大切にしていることが分かります。
 
そして、Z世代における「今後消費を増やしたいもの」として「推し活」が高い割合を占めており、ミレニアル世代以降では「推し活」が上位に入っていない点が特徴です。Z世代では各年代で昨年よりも割合が増加しています。
 

「推しのために働く」——仕事モチベーションとの意外な関係

マイナビの調査では、推し活をしている人の7割以上が「推し活は自分の人生において重要」と答え、推し活をしている人はしていない人と比べて「仕事と私生活がどちらも充実している」傾向にあることが分かりました。また、推し活をしている人の79.4%が「推し活で私生活が充実した」と回答しています。
 
財務省のコラムでは、推し活を行う高校生は、推しを持たない層と比較して、職場環境を快適と感じる割合が10ポイント以上高く、働きぶりが認められていると答える割合も有意に高いという調査結果が紹介されています。
 

SNSが加速させる「推し消費」と、上手な付き合い方

推し活がもたらすのは支出だけではありません。推し活における投げ銭・メンバーシップなどの月額課金型サポートといった消費行動は、寄付と同様に「利他性」に基づく満足感に寄与し、ウェルビーイングに影響を与え得るという指摘があります。
 
家計管理の観点では、推し活費を「娯楽費」として月ごとに予算を設定し、固定費・変動費とは別の「推し活枠」として可視化することが有効です。収入対比で無理のない金額を決めておけば、Z世代らしい「メリハリ消費」を崩すことなく、推し活も家計も両立させられるでしょう。
 

推し活は「浪費」ではなく、Z世代の価値観を映す消費行動

20代は推し活をしている割合が高く、収入に対する支出割合という観点でも、推し活に積極的にお金を使っている世代といえます。推し活人口は拡大しており、市場規模も数兆円規模へと成長しています。
 
推し活は、私生活の満足度や仕事のモチベーションにも影響を与える側面があるからこそ、家計の中で予算を決めて上手に付き合うことが大切です。
 

出典

株式会社マイナビ 『正社員2万人に聞いた「推し活と仕事」に関する意識調査』を発表
株式会社Oshicoco 推し活人口は1384万人、市場規模は3兆5千億円に!第2回推し活実態アンケート調査結果を公式noteで公開 (PR TIMES)
財務省 広報誌「ファイナンス」
デロイト トーマツ グループ 2025年度「国内Z世代意識・購買行動調査」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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