夫は「ガソリンが1円安い」と“往復10km”のガソリンスタンドまで給油に行きます。物価高とはいえ「往復のガソリン代・手間」も考えると、近所のほうが得ですよね? 損益分岐点を確認
しかし、配偶者が「あっちのほうが1円安いから」と、わざわざ往復10キロメートル離れた店舗まで通っていたら、「往復のガソリン代や手間を考えると、近所で入れたほうが得なのでは?」と疑問に思うのではないでしょうか。
本記事では、遠くの安い店へ行くことが本当にお得なのか、往復の燃料代や車の燃費をもとに「損益分岐点」を計算して解説します。
2級ファイナンシャルプランナー技能士
「1円安い店」へ行くための往復コストは?
遠くの店舗へ行くことで消費するガソリンを計算してみましょう。今回は以下の条件でシミュレーションします。
・車の実燃費:1リットルあたり15キロメートル
・近所のガソリン価格:1リットル170円
・遠くのガソリン価格:1リットル169円(1円安い)
・遠くの店までの距離:往復10キロメートル
まず、往復10キロメートルを走るために必要なガソリンの量を計算します。
・10キロメートル÷15キロメートル=約0.66リットル
この0.66リットルのガソリン代は、遠くの店で給油しているので
・0.66リットル×169円=約111円
つまり、「1円安い店」へ行くための往復の道のりだけで、約111円分のガソリンを余分に消費してしまいます。
何リットル給油すれば「元が取れる」のか
往復で111円のコストがかかる場合、遠くの店で「得」をするためには、111円以上の値引き額を引き出す必要があります。遠くの店は「1円安い」設定なので、元を取るためには「111リットル以上」給油しなければなりません。
・必要な給油量:111円÷1円=111リットル
普通乗用車の燃料タンク容量は40~60リットル程度です。111リットルを一度に給油することは不可能です。満タン(40リットル)給油しても、お得になるのは40円です。往復のガソリン代111円を引くと、結果的に「71円のマイナス(損)」になります。
値引き額が「5円」ならお得になる?
では、遠くの店が「1リットルあたり5円安い」場合はどうでしょうか。往復のコストは同じ約111円と仮定します。
・必要な給油量:111円÷5円=約22.2リットル
これなら、23リットル以上給油すれば元が取れるため、満タン給油(40リットル)をすればお得になる計算です。ただし、往復の距離がさらに遠ければ消費するガソリンも増えるため、注意が必要です。
「時間」という見えないコストも忘れずに
ガソリン代だけでなく、「時間」のコストも考慮しましょう。時速30キロメートルで走った場合、往復で約20分かかります。時給1000円で計算すると約333円の価値に相当します。
さらに、車を走らせればタイヤなどの消耗品もわずかながら減っていきます。数十円を節約するために、貴重な休日の時間を削ることは、本当の意味での「節約」とはいえないかもしれません。
近所のガソリンスタンドでも、アプリやクレジットカードの割引を組み合わせることで、実質的に安く給油できるケースも多いかもしれません。
まとめ
「少しでも安いガソリンを」という気持ちは理解できますが、往復のガソリン代を計算すると、結果的に損をしているケースも少なくありません。
安い店までの距離にもよりますが、1円、2円の差であれば、近所の店舗で給油したほうが、お金も時間も節約できる可能性が高いといえるでしょう。普段から自分の車の燃費やタンク容量を把握しておき、冷静に「損益分岐点」を見極めることをおすすめします。
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士
