子どもの発熱でホテルに「キャンセル連絡」したら、電話で「キャンセル料6万円です」と請求された! ほかのホテルは「ご病気なら…」と“配慮で無料”にしてくれたのですが、支払いは必須なんですか?
以前、別のホテルで子どもが熱を出したときは「病気なら仕方ないですね」と特別にキャンセル料を免除してくれたのに……今回も同じようにお願いできないの? と疑問や不満を感じる人もいるでしょう。
本記事では、病気などやむを得ない理由でキャンセルした場合の法的な支払い義務と、ホテルによって対応が異なる理由、そしてトラブルを防ぐための対処法について解説します。
2級ファイナンシャルプランナー技能士
病気などの「不可抗力」でも、キャンセル料の支払いは原則必須
結論からいうと、子どもの発熱や急病といったやむを得ない事情であっても、原則としてキャンセル料の支払い義務は生じます。
宿泊予約をした時点で、客とホテルの間には「宿泊契約」が成立しています。客側の都合で契約を解除する場合、ホテル側が被る損害(本来得られるはずだった利益や、すでに手配していた食材費・人件費など)を補てんするために、「キャンセル料」が設定されています。
観光庁が定める「モデル宿泊約款」でも、宿泊客の都合で契約を解除した場合は規定の違約金を申し受ける旨が明記されています。子どもの発熱や身内の不幸は客側にとって予期せぬ出来事ですが、ホテル側に落ち度はありません。
宿泊約款に「当日キャンセルは100%」と定められていれば、法律上も契約上も、請求通りに支払うのが原則です。
「以前は無料にしてくれた」のはホテルの温情にすぎない
では、なぜ以前のホテルはキャンセル料を取らなかったのでしょうか。それは「病気の場合は無料にするのがルールだから」ではありません。そのホテルが、サービスの一環として特別に免除してくれた、「温情対応」にすぎないのです。
「また元気になったときにぜひお越しください」というホテル側の好意ですから、それを別のホテルにも「前は無料だったから今回もそうすべきだ」と求めるのは筋違いといえます。
規定通りに100%のキャンセル料を請求するホテルが冷たいわけではなく、それが通常のビジネスルールなのです。過去の温情対応を当然のことと思わず、契約に基づく責任を受け入れることが大切です。
無断キャンセルや支払いの放置は厳禁! 誠実な対処法と事前の備え
キャンセル料の支払いを無視したり、連絡もなく無断キャンセルをしたりするのは絶対に避けましょう。ホテル側から少額訴訟を起こされたり、今後の宿泊予約を断られたりする可能性があります。
負担を減らしたい場合は、キャンセルの可能性が生じた時点ですぐにホテルへ電話し、「キャンセル料はお支払いしますが、来月の〇日に延期できますか?」などと相談してみましょう。
別日程への振り替えることを条件に、キャンセル料を減額・免除してくれるケースもあります。また、小さな子どもがいる家庭は、旅行予約の際に「旅行キャンセル保険」への加入を検討しておくと安心です。
まとめ
家族旅行の当日に子どもが発熱してホテルをキャンセルする場合でも、原則として規定通りのキャンセル料を支払う義務があります。
以前に無料でキャンセルできたのはホテル側の特別な配慮であり、すべての施設で同じ対応が受けられるわけではありません。「病気だから払わなくていい」と自己判断せず、トラブルが生じたら、すぐにホテルへ連絡して誠実に対応することが、結果的に自身の信用を守ることにつながります。
出典
観光庁 モデル宿泊約款
独立行政法人国民生活センター 旅行サービス・宿泊施設
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士
