購入したマンションの修繕積立金がこの6年ほどで7000円→1万2000円→2万円と上がっています。この負担は妥当でしょうか? 売却を考えるレベルでしょうか?

配信日: 2026.04.07
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購入したマンションの修繕積立金がこの6年ほどで7000円→1万2000円→2万円と上がっています。この負担は妥当でしょうか? 売却を考えるレベルでしょうか?
マンションの修繕積立金が6年間で、月7000円から2万円(約2.8倍)に上がったとのこと、負担は大きいと感じられるはずです。この値上げが妥当かどうか、そして売却すべきかどうかの判断は以下のように考えられます。本記事で、一緒に考えてみましょう。
水上克朗

ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー

値上げは妥当なのか?

多くの新築マンションで、修繕積立金は段階的に上がります。特に次のケースでは、月2万円程度になることもあります。
 
●段階増額積立方式を採用している
例えば、この積立方式は、1~5年:安く設定し売りやすくする、6~15年:徐々に値上げ、15年以降:大規模修繕対応で本格水準へ、というような構造です。新築当初は安く、築年数の経過とともに上げる設定です。よって当初の設定7000円は安すぎた可能性が高いです。
 
●国土交通省のガイドラインの目安
国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(P9~11)では、以下のモデルケースについて、修繕積立金の目安を算定しています。
 

・建物の階数:地上10階建て
・建築延床面積:7000平方メートル
・マンションの総専有面積:4900平方メートル(戸当たり70平方メートル、住戸数70戸)
・計画期間当初における修繕積立金の残高:7000万円
・計画期間全体で集める修繕積立金の総額:2億6460万円
・計画期間:30年
※計画期間全体における専用使用料等からの繰入額の総額:9000万円
※機械式駐車場(3段(ピット2段)昇降式)30台

 
算定の結果、モデルケースにおける修繕積立金の平均額は、計画期間全体で241円/平方メートル・月、目安の幅は、206円~356円/平方メートル・月の範囲に収まっていることが確認できました。
 
よってこのモデルケースで70平方メートルなら、修繕積立金は、1万4420円(=206円×70平方メートル)~2万4920円(=356円×70平方メートル)が一つの目安となります。
 
●修繕費の高騰
建材や人件費の高騰で、大規模修繕費用は上昇傾向にあり、適切な増額は必須です。
 
●将来の備え
一方、この値上げを避けて低いままにしておくと、将来的に「一時金」(数十万~数百万円)が徴収される、あるいは大規模修繕が実施できないリスクがあります。
 

売却を考えるレベル?

単に修繕積立金が2万円になったことよりも、以下の状況であれば売却を視野にいれたほうがいいかもしれません。
 

・管理組合が「将来、修繕積立金が月3万円、4万円、5万円になる、または一時金の徴収予定がある」と計画しており、今後の家計負担が耐えられない
・管理会社や管理組合が機能しておらず、修繕工事が計画的に進んでいないのであれば、将来資産価値が著しく下がる
・共有部分の修繕が放置されている、清掃が行き届いていない
・同立地・同規模のマンションより大幅に積立金が高い

 
ただし、修繕積立金2万円程度で、長期的に計画された大規模修繕が行われ、マンションの価値が維持されています。今後の計画的な修繕が完了すれば、これ以上急激な値上げがない場合などは、売却を考える必要はないと思われます。
 

具体的に行うべきこと

まずは、「長期修繕計画書」の確認です。管理事務所で最新の計画書を見せてもらい、積立金がいつまで、いくらまで上がる予定かを確認しましょう。次に、「管理費・修繕積立金」の相場を調査しましょう。周辺の似た築年数・規模のマンションの積立金相場をネットなどで調べ、現状と比較してみることです。
 
不安な場合は、マンション管理に詳しい不動産会社やコンサルタントに、計画書を確認してもらうのが最も確実です。
 

まとめ

修繕積立金2万円は負担ですが、適切な維持管理費であれば、売却して手放すよりも、管理状態の良い物件として住み続けるほうが賢明な場合もあります。まずは、将来計画を把握することから始めましょう。
 

出典

国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和6年6月改定)
 
執筆者 : 水上克朗
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー

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