借りている駐車場の料金が突然「月8000円→月1万1000円」に…。値上げを拒否することはできないのでしょうか?
そこで、この記事では、駐車場の値上げが認められる条件や、値上げに納得できない場合の対応方法などを解説します。
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
駐車場料金の値上げは原則として合意が必要
駐車場の契約は多くの場合、賃貸借契約です。契約期間中に賃料などの条件を変更するには、原則として当事者双方の合意が必要です。
つまり、賃料を一方的に貸主が「今月から3000円の値上げです」と通知し、契約期間中に値上げを実施することは、通常はできないのです。契約内容によっては争いになる余地もありますが、借主が同意しない限り、従来の条件で支払う扱いが基本です。
ただし、契約の更新時は別です。契約の更新時は実質的には既存の契約が終わり、新たな契約の始まりとなるため、そのタイミングで値上げを拒否すると、契約条項によっては、双方の同意がないとして契約の更新がなされず、契約が終了となる可能性もあるためご注意ください。
また、契約条件の中に、あらかじめ値上げに関する条項が定められていれば、その条件に基づいて賃料改定が行われることがあります。その場合、借主が拒否できない場合もありますので、契約書の確認が重要です。
駐車場には借地借家法が原則適用されない
一般的な駐車場は月極であったとしても住宅とは異なり、契約更新時における貸主からの一方的な値上げが比較的容易です。住宅であれば借地借家法という法律の適用があるため、値上げには正当な理由が必要です。
しかし、駐車場は住宅ではなく、借地借家法の適用が原則ないため、契約更新時に貸主が新たな賃料を提示でき、借主が同意しなければ更新されないのが一般的です。
近年では、家賃の値上げには同意が必要である、といった内容や、一方的な大家さんからの値上げは拒否できる、という旨の言葉がインターネット上に散見されます。
これらはあくまでも住居という社会生活上重要なものの賃貸借において借主を保護するために設けられた特例的なルールです。
アパートやマンションなどの賃貸借契約においてみられるような借地借家法の保護は、一般的な月極駐車場の契約においては適用されないことを知っておいてください。
交渉の余地はないのか
現実的に駐車場代の値上げの拒否は難しいものですが、交渉する余地はあります。方法としてはいくつかあるのですが、まずは値上げ後の駐車場代と近隣の駐車場代を比較してみましょう。近隣と比較して高額であれば、近隣の価格を提示して交渉することで、一時的に据え置きとなったり、値上げ幅が小さくなったりする可能性があります。
また、値上げが突然であった場合は、急な話で家計が厳しいと相談することで、一定期間だけ据え置きというような対応をしてもらえる場合があります。
しかしながら、あくまでも交渉が成功する保証はなく、貸主側の厚意での対応となる点にはご注意ください。
まとめ
駐車場代の値上げは拒否することが可能ですが、その場合は契約の更新時に契約が更新されなくなるおそれがあります。
近年は、物価の上昇や一部地域への需要集中などを背景に、駐車場代の値上がりもやむをえない側面があります。突然の駐車場代の値上げに抵抗を感じるのも無理はありませんが、貸主にも何かしらの理由があるはずです。
もし、駐車場代の値上げの通知が来たら、まずは落ち着いて内容をよく確認しましょう。そのうえで、必要に応じて貸主側と誠実に話し合いを行うことで、双方にとって納得できる形での対応につながる可能性があります。
執筆者 : 柘植輝
行政書士
