「私立高校無償化」で喜んでたら、夫に「年収バレるから人に言わないで」とチクリ…“一律無償”なのにダメなんですか?「所得制限撤廃の落とし穴」とリアルな負担額とは

配信日: 2026.04.28
この記事は約 3 分で読めます。
「私立高校無償化」で喜んでたら、夫に「年収バレるから人に言わないで」とチクリ…“一律無償”なのにダメなんですか?「所得制限撤廃の落とし穴」とリアルな負担額とは
2026年4月から、いわゆる私立高校無償化が開始されました。単語だけ見ると高校教育の費用が一切かからないイメージを受けますが、残念ながらそれは事実ではありません。
 
私立高校無償化によって何が無償になるのか、そして何が自己負担となるのか、そして制度利用状況から世帯年収が推測される可能性があるという、意外なデメリットを本記事で詳しく解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

令和8年度から「所得制限」が撤廃され私立高校も“実質無償”に

文部科学省による高校生などの就学支援政策として、高等学校等就学支援金制度があります。
 
令和7年以前の制度では、世帯の所得に応じた支給上限額があり、私立全日制高校では支給上限額である年間約39万6000円を超える授業料部分は自己負担でしたが、令和8年4月より、所得要件が撤廃され、支給される支援金も全国平均の授業料水準まで引き上げられました。
 

(令和7年までの制度)

・世帯年収約590万円未満:公立 11万8800円・私立全日制 最大39万6000円
・世帯年収約590万~約910万円未満:公立・私立全日制 11万8800円

 

(令和8年4月からの制度)

・世帯年収制限なし:公立 11万8800円・私立全日制 45万7200円・私立通信制など 33万7200円

 
上記のように、改正によりシンプルな制度となりました。
 
ちなみに、高校無償化と呼ばれていますが、授業料が支援金以上になる場合、支援金を超える部分は自己負担となるので注意しましょう。
 
なお、掲題の年収がバレると言われた理由は、所得制限撤廃前は支援対象にならなかった高年収世帯であるためと考えられます。
 

私立高校に通う家庭の約2割は世帯年収1200万円以上、高年収世帯が一定数を占める環境

文部科学省による「令和5年度 子供の学習費調査」では、私立全日制高校における世帯の年収1200万円以上の割合は21.9%となっています。
 
なお、私立中学校では41.8%、私立小学校では52.8%と高い比率となっており、高年収世帯では早い段階から子どもに私立校での教育を受けさせる傾向が見て取れます。
 
この度の制度改正により、所得制限撤廃によって従来は支援対象外だった層も制度の対象に加わることとなります。上記のように私立高校には比較的高年収の世帯も多く、保護者間での経済状況の差が意識されやすい環境と考えられます。
 
このような状況下で制度の利用状況が共有されると、結果的に世帯年収が推測されることへの抵抗感につながる可能性もあるでしょう。
 

「無償化」の対象は“授業料”のみ! 私立高校では“年間100万円近い”負担も

高等学校等就学支援金制度により無償化されるのは授業料のみで、授業料以外の教材費・施設設備費・学校独自の教育充実費・通学費などは無償化の対象外となります。
 
私立高校では授業料以外の負担が授業料以上にかかるケースも珍しくなく、文部科学省による「令和5年度子供の学習費調査」では、私立高校の学校教育費平均83万2650円のうち、無償化となる授業料は27万9170円なので、それ以外の55万円以上は自己負担となります。
 
また、私立全日制高校の学校外活動費(学習塾や国際交流活動など)の年間平均額は34万6611円で、こちらも自己負担となるため、家庭の教育方針によっては年間100万円を超える負担が生じるケースも考えられるでしょう。
 

まとめ

自己負担の部分もそれなりに生じる高校無償化ですが、それでも私立高校に通う、または通わせたい子どもがいる世帯には大きな支援となります。注意点として授業料が支援金以上の私立高校もあるので、受験前に一度確認してみると良いでしょう。
 

出典

文部科学省 高等学校等就学支援金・新制度(お知らせ)リーフレット
文部科学省 高等学校等就学支援金等
文部科学省 子供の学習費調査 令和5年度 5 世帯の年間収入段階別、項目別経費の構成比
文部科学省 高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律の概要
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 調査結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 yumobile
FF_お金にまつわる悩み・疑問