本当の“お金持ちの定義”は、自宅に「デパートの外商が来る」こと? 顧客の“上位わずか5%”が「店舗売り上げの半分」を生み出す…年間いくら購入すれば“優良顧客”として専属担当者が付くのか
お金持ちをイメージする材料の1つに、デパートの「外商」があります。デパートのスタッフが訪れる家はお金持ちのように感じますが、どのくらいのお金があれば外商が来るのでしょうか?
本記事では金持ちの定義や外商の概要、デパートの売り上げと外商との関係などを解説します。
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「お金持ち」の定義とは?
資産家と呼ばれる人々に明確な基準は存在しませんが、野村総合研究所の調査では、純金融資産が1億円以上5億円未満の世帯を富裕層と呼んでいます。
純金融資産とは、預貯金や株式などの総額から負債を差し引いた金額を指します。つまり、ローンで豪邸を購入しても富裕層には分類されません。同調査によると、日本国内で1億円以上の金融資産を持つ世帯は全体のわずか2.97%にすぎず、まさにほんの一握りの存在といえるでしょう。
一方、年収2000万円以上の高所得者や、手元に多額の現金を保有する人々を含めてお金持ちと表現するケースも珍しくありません。1億円という数字は1つの明確な目安になりますが、どこからを裕福とみなすかの感覚は、一人ひとりの価値観によって大きく変わります。
デパートの「外商」とは? どんな家にくるの?
デパートでは、特定の優良顧客に専属の担当者がつき、手厚い接客を提供するサービスを「外商」と呼び、年間50万円から100万円以上の買い物が目安になるとも言われています。
審査基準は非公開ながらも、選ばれやすい人物の傾向はいくつか存在し、代表的な例は以下のとおりです。
・年収1000万円以上の高所得者
・企業の経営者や役員クラス
・医師や弁護士などの専門職
以前は担当者が邸宅へ直接出向いて商品を販売していましたが、近年は豪華なホテルでの特別販売会へ招待する形式もあるようです。顧客の仲間入りを果たすには、一般のクレジットカードで年間購入額の実績を積んで招待を待つか、既存会員から紹介を受けるルートが近道になります。
最近は20代から30代の若年層でも条件さえ満たせば特別な待遇を受けられるため、昔ながらの年配の資産家といったイメージは変化しています。
デパートの売上の多くが外商って本当?
ほんの一握りの優良な買い手が売上の大部分を支えている話は事実であり、大手デパートにおける総売上の約3割は外商部門による実績という話もあります。有名な都内の大型店舗では、全体の顧客のうちわずか5%のトップ層が、店舗全体の半分もの売上を生み出すケースすらあるようです。
普段目にする華やかな売り場の裏側では、担当者が顧客の要望へきめ細かく応えるビジネスモデルが、デパートの利益を強力に下支えしています。
まとめ
純金融資産が1億円以上ある富裕層はお金持ちの代表的な存在であり、日本全体の約2.97%しか存在しない非常に限られた人々です。デパートが展開する特別なサービスは、年間数十万円以上の買い物を継続する優良顧客向けに提供され、年収の高さや社会的信用の大きさが審査基準になります。
また、デパート全体の売上の多くを、顧客全体のわずか数%に過ぎないVIP顧客が担っており、特別な顧客向けのビジネスは現代のデパート経営で不可欠な柱として機能しています。
出典
株式会社野村総合研究所 日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級
