生活保護を受けている母と同居予定です。私の収入「月28万円」は保護費に影響するのでしょうか?
そこで、この記事では、生活保護受給者が月28万円の収入のある家族と同居する場合に、家族の収入がどのように扱われるのかを解説します。
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
同居により扱いが変わる?
生活保護は基本的に世帯単位で判断される制度です。そして、生活保護を受けている母と子どもが同居すると、原則として同じ世帯として扱われることになります。
そのため、生活保護の受給決定や額に影響する下記の要素すべてが、生活保護を受けている母に加えて同居予定の子の要素も加味して決定されます。
・世帯全体の収入
・世帯人数
・生活費の基準
つまり、原則として月28万円の収入を有する子どもが生活保護を受ける母と同居した場合、生活保護費の減額どころか、状況によっては受給を打ち切られる可能性もあるでしょう。
神奈川県川崎市の例では、40代の夫婦と中学生、そして小学生の4人世帯ですら、生活扶助基準額は約18万円です。同世帯に月額で28万円もの収入を得ている子どもがいたとすれば、母親の生活保護は打ち切りとなる可能性は高いでしょう。
世帯分離という手もある
とはいえ、十分な収入を有する子どもが、生活保護を受けている親と同居しつつ親の生活保護はそのままという状況を維持しなければならない事情もあるかもしれません。
そういった場合は、世帯分離という方法もあります。生活保護における世帯分離とは、生活保護を受ける人と収入を有する人が同じ世帯に存在しているときに、生活保護の受給においては両者を切り離して考えるというものです。
それにより、結果として親の生活保護に影響を与えない状態で、収入を有する子どもが同居できるということになります。
ただし、生活保護の受給に当たっての審査は非常に厳格です。収入が月28万円もある子どもと同居している状態ですと、世帯分離をして親だけ生活保護を受け続けることは、そう簡単ではないと考えた方がよいでしょう。
親を扶養に入れる選択肢も考える
子ども側の家族構成や地域の物価など個別の事情によって異なりますが、月収28万円で家族を養うことが可能なケースもあります。
加えて、70歳以上の親と同居し扶養に入れることで、老人扶養親族の扶養控除を最大58万円受けることができます。また、自身が勤務先で社会保険に加入していれば、親を扶養に入れることで親の社会保険料を削減することもできたり、勤務先の規定次第では、扶養手当を受けたりすることもできる可能性があります。
このように、親を扶養する際の優遇制度を駆使することで、想定よりも税金の負担が軽くできるケースもあるため、一度確認することをおすすめします。
まとめ
生活保護を受けている母と子どもが同居する場合、子どもの収入は原則として生活保護費に影響します。特に、子どもに月28万円程度の収入がある場合、最低生活費を上回り、世帯として生活できると判断されれば、生活保護が停止されることも考えられます。
ただし、家計が完全に別である場合には「世帯分離」が認められることもあり、必ずしも同居によって生活保護が終了するとは限りません。生活保護の受給については、個別の事情によって判断される部分が大きいです。同居を決める前に福祉事務所へ相談し、確認しておくことをおすすめします。
出典
川崎市 令和7年10月からの生活保護基準改定について
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.1180 扶養控除
執筆者 : 柘植輝
行政書士
