兄の子どもは私立、わが家の子どもは公立を考えています。すると兄から「無償化があるなら、私立を選んでも負担はそこまで変わらない」と言われました。本当にそうなのでしょうか?
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
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高校無償化制度を解説
これまで所得制限が設定されていた高校無償化制度ですが、2026年から所得制限が撤廃され、全世帯で高校の授業料の支援が受けられるようになりました。公立高校と私立高校の支給金は、以下の通りとなっています。
公立高校:年額11万8800円まで
私立高校:年額45万7200円まで
この支援金は、各家庭に支給されるのではなく、学校に直接支給され、授業料に充てられます。なお、国からの支給に加え、地域によっては、各自治体で、支給額が上乗せされるケースもあります。
公立高校の場合、支援金は授業料と相殺され、家庭での授業料負担は基本的に発生しません。ただし、制服代、PTA費用、修学旅行などの旅行積立金などの支払いは各家庭で負担する必要があります。
一方、私立高校の支援額は、全国の平均授業料をもとに決められています。もしも、子どもが進学する私立高校の授業料が、この平均授業料よりも高い場合は、各家庭で授業料の超過分を負担する必要があります。
その他、各私立高校が設定している、入学金、施設料、制服代、実験実習費、PTA費用、パソコンやタブレットなどの端末費用などの支払いも自己負担となります。
私立高校に必要なお金とは?
高校無償化制度により、私立高校も授業料負担が大幅に軽減されます。しかし、各私立学校で必要となるその他入学金などの費用は自己負担です。学校によっては、高校無償化制度がスタートしても、引き続き公立高校に比べて、負担額が大幅に高くなる可能性があります。
具体的に、私立高校で必要となる金額の目安をチェックしていきましょう。例えば、以下のような学校の場合、高校1年生の家庭での負担額は、73万円となります。
入学金:25万円
授業料超過分:30万円(支援金年額45万7200円を差し引いた金額)
施設設備費:10万円
教科書副教材:3万円
PTA会費、生徒会費用等:5万円
合計:73万円
このように、高校無償化後も、各家庭で費用負担が発生する可能性があります。「高校生はお金がかからないから安心」ということは決してなく、「今までよりは費用負担が減るだけ」と認識しておきましょう。
私立と公立、どう選択する?
子どもの高校進学を考える場合、まずは、子どもがどの学校に行きたいのか、意思を確認しましょう。「どうしてもこの私立高校がいい」という学校が見つかれば、家庭で支払わなければいけない自己負担額を確認します。
家庭での負担額が問題ないという場合は、私立高校への進学を目指しても良いでしょう。逆に、授業料の超過分などを支払うことができないと判断した場合は、やはり公立高校への進学も再検討してみましょう。
まとめ
家計の状況から、今まで私立高校への進学を諦めていた家庭でも、高校無償化制度によって、自分が行きたい私立高校に通える可能性があります。まずは高校無償化制度の仕組みをよく知り、高校3年間で払わなければいけない自己負担額を確認してみましょう。
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
