60代夫婦で年金生活が始まったばかりなのに、「高額療養費」の上限額が8月から引き上げられると聞いて不安です…。医療費「100万円」の場合、自己負担はどれくらい増えるのでしょうか?

配信日: 2026.05.27
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60代夫婦で年金生活が始まったばかりなのに、「高額療養費」の上限額が8月から引き上げられると聞いて不安です…。医療費「100万円」の場合、自己負担はどれくらい増えるのでしょうか?
高額療養費制度は、医療費の自己負担が過度に大きくなり、家計への負担が重くなることを防ぐために設けられている制度です。本制度は令和8年8月から見直しが予定されていますが、何が変わるのか、自己負担額はどの程度増えるのか分からない人もいるでしょう。
 
本記事では、高額療養費制度の見直し内容や自己負担額の増加幅などを解説します。
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現行の「高額療養費制度」は高齢者優遇との意見も

高額療養費制度とは、医療費が高額になった際に年齢や所得に応じて自己負担額に上限を設ける制度です。70歳未満と70歳以上で自己負担限度額の計算方法や上限額が異なり、70歳以上は外来診療でも上限額が設定されるといった負担軽減措置が存在します。
 
厚生労働省の資料でも、高齢者区分では現役並み所得者を除いて比較的自己負担上限額が低く設定されています。そのため、一部では高齢者優遇との意見も出ているようです。
 
一方、高齢者は慢性疾患や継続治療が必要になるケースも多く、医療費の負担能力への配慮がなされている点も考慮すべきかもしれません。
 

「世代間の不公平性」を是正する見直しが進められている

政府・厚生労働省は高額療養費制度について、現役世代の負担軽減や制度の持続可能性の確保を目的に見直しを進めています。自民党の資料によると、医療保険制度全体で世代間・世代内の公平性を重視する方向性が示されています。見直しでは、主に高所得者区分を中心に自己負担限度額の引き上げが検討されました。
 
また、厚生労働省の資料では負担能力に応じたきめ細かな所得区分の再編も議論されています。しかし、患者団体からは治療の断念につながる恐れがあると懸念も示されているようです。
 

令和8年8月以降「自己負担」はどのくらい増える?

厚生労働省の資料では、高額療養費制度の自己負担限度額について段階的な引き上げ案が示されています。年収が高いほど上限額の引き上げ幅が大きくなる方針で、令和8年8月には4~7パーセントの限度額の引き上げが行われます。令和9年8月には、所得区分の細分化と限度額の引き上げが行われる予定です。
 
掲題のように医療費が100万円かかった場合でも、実際の自己負担額は年齢や所得区分によって大きく異なります。総医療費が100万円、年収が約370万~約770万円の場合、現行制度での自己負担額は8万7430円です。
 
一方、令和8年8月以降は、年収約370万~約770万円の区分では「8万5800円+(総医療費-28万6000円)×1%」となるため、自己負担額は9万2940円です。
 
現行制度の8万7430円と比べると、5510円増える計算です。また、低所得者層については負担が増え過ぎないよう配慮されている一方、令和9年8月以降は所得区分の細分化も予定されているため、年収によって影響の大きさは異なります。
 
さらに、長期療養者への配慮として、見直しでは以下の措置も講じられています。
 
・多数回該当の据え置き
直近1年以内に3回以上高額療養費制度の対象となった場合、4回目以降の自己負担限度額がさらに引き下げられる特例です。改正後も、その金額は据え置かれる方針が示されています。
 
・年間上限の導入
新たに、年間累計の自己負担上限額が設けられます。年間上限を超えた自己負担分については、保険者から還付を受けられる仕組みです。これにより、多数回該当に該当しない場合でも長期療養者の負担が抑えられます。
 

まとめ

世代間の不公平性を是正するため、政府・厚生労働省は高額療養費制度の見直しを進めています。自己負担限度額について段階的な引き上げ案が示されており、令和8年8月に限度額の引き上げ、令和9年8月に所得区分の細分化と限度額の引き上げが行われる予定です。段階的に改正されるため、それぞれの改正内容を把握しておきましょう。
 

出典

厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
厚生労働省 高額療養費制度の見直しの基本的な考え方
厚生労働省 (参考)高額療養費制度の見直しについて
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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