高速SAで「リッター200円」のガソリンに絶望…下道に降りて「170円で満タン」にする場合“高速代のロス”を払い直しても、結局お得ですか? なぜこんなに高いのでしょうか…?
1リッターあたり30円の差は、40リッター満タンにすれば1200円もの開きになります。本記事では、高速道路のガソリン価格が高い理由と、下道給油との損得を計算でくわしく解説します。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
高速道路のガソリンスタンドは下道よりも価格設定が高い
高速道路のSAやPAで給油すると、下道よりも割高になるのが一般的です。価格差は1リッターあたり10円から30円程度に上ることも珍しくなく、遠出のたびに「なぜこんなに高いのか」と感じているドライバーも多いでしょう。
高速道路のスタンドが割高になる主な理由は、複数のコスト構造が重なっているためです。第一に、ガソリンを運搬するタンクローリーの高速道路料金(輸送コスト)が価格に上乗せされることが挙げられます。
さらに、SAやPAで営業するには高速道路会社へのテナント料が発生し、全国の24時間営業のPAやSAでは夜間の人件費や光熱費も価格に反映されています。また、一般のスタンドのように洗車・車検・オイル交換といったサービスで収益を上げられないため、燃料の売り上げだけで経営を成り立たせる必要があります。
競合他社が存在しない構造上の問題もあり、価格を下げる動機が働きにくい状況が続いています。なお、現在はNEXCOによる価格統制も撤廃されており、各テナントが自主的に価格を設定しているのです。
下道に降りてガソリンを入れるのとどちらがお得?
では、価格の安い下道のガソリンスタンドに立ち寄って給油した方がお得になるのでしょうか?
今回のようなケースでは、下道に降りて給油した方が金銭的にお得になります。計算はシンプルで、節約できる燃料代から再入場にかかる追加の高速料金を差し引いた金額がプラスかどうかを確認するだけです。
1リッターあたりの差額が30円(高速200円-下道170円)で、40リッター満タンにする場合、燃料代の節約額は30円×40リッター=1200円になります。
一方、下道に降りて高速道路に再入場すると、ターミナルチャージが2回分発生します。
ターミナルチャージとは、高速自動車国道の利用ごとにかかる固定料金で、一律150円(税込165円)が設定されています。下道に降りて再入場すると、本来1回で済むターミナルチャージ(税込165円)が余分にもう1回発生します(本記事では計算しやすくするため約200円とします)。
燃料代の節約額1200円から追加の高速料金200円を差し引くと、差し引き1000円の節約になります。給油のために数分の時間を使うとしても、1000円の差額は十分に見合うものと言えるでしょう。
ただし、長距離走行の途中でICを降りると、長距離逓減割引(利用距離が100キロメートルを超えると25〜30%の割引)が途切れるケースがあります。100キロメートル以上の長距離を走行中であれば、割引の有無も含めたトータルコストで判断する必要があるでしょう。
高速道路で給油した方が安くなる損益分岐点とは?
下道での給油が必ずしも得とは限らず、給油量が少ない場合は高速道路のスタンドを使った方が安上がりになります。節約できる燃料代と追加の高速料金が等しくなる給油量を「損益分岐点」と呼びます。
損益分岐点の計算式は「追加の高速料金 ÷ 1リッターあたりの価格差」で求められます。今回のケースでは200円 ÷ 30円=約6.7リッターとなり、約7リッター以下の給油なら高速道路のスタンドで入れた方がトータルコストは安くなります。
反対に、7リッターを超えて給油するなら下道に降りて給油した方がコストを抑えられます。40リッター満タンにする今回のケースは、損益分岐点を大きく上回っているため、下道での給油が明確にお得です。
ガソリン価格の差が大きいほど損益分岐点となる給油量は少なくなります。差額が20円なら「200 ÷ 20=10リッター」が分岐点になり、差額が10円なら「200 ÷ 10=20リッター」が分岐点になります。
まとめ
高速道路のガソリン価格が高い理由は、競合がない立地条件・給油以外の収益が見込めないビジネス構造・24時間営業に伴う高い運営コストが重なっているためです。
1リッター30円の差額がある場合、40リッター満タンで1200円の節約になります。高速代のロス200円を差し引いても1000円の節約になるため、今回のケースでは下道に降りて給油する方がお得だと分かりました。
損益分岐点は「追加の高速料金 ÷ リッターあたりの価格差」で計算でき、今回なら約7リッターが分岐点になります。7リッターを超えて給油するなら下道での給油が有利で、満タン40リッターなら迷わず下道を選ぶべき状況です。
下道のガソリンスタンドがすぐに見つかるか、営業時間内か、など考慮すべき点はありますが、長距離ドライブの際は参考にしてみてください。
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級
