災害用に現金を家に置いていますが、気づけば「100万円」近くになっていました。妻に“置きすぎで危ない”と言われましたが、盗難以外に何かデメリットはあるのでしょうか?
ただし、気づけば100万円近くになっていた場合、「備え」として適切なのか不安になる人もいるかもしれません。そこで本記事では、災害用の現金を自宅に置くメリットと、盗難以外に考えられるデメリットについて解説します。
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目次
災害用の現金は必要だが、100万円を家に置く必要性は低い
災害時に、現金を用意しておくこと自体は大切です。大きな地震や台風などで停電が起きると、ATMやレジ、キャッシュレス決済が使えないことがあります。こうした状況では、水や食料、薬、電池、交通費など、すぐに必要なものを買う際に、現金が役立ちます。
ただし、災害用として100万円近くを自宅に置いておくのは多すぎるかもしれません。災害直後に必要になる支払いは、数十万円単位の大きな買い物より、数百~数千円の支払いが中心です。そのため、1万円札ばかりを多く置くよりも、千円札や小銭を混ぜて準備したほうが実用的となります。
目安としては、家族構成や住んでいる地域にもよりますが、数日から1週間程度をしのげる生活費を考えておくとよいでしょう。多くの防災情報サイトでは、災害用の現金として小銭を含めて家族で2万円程度が目安と紹介されています。
ただし、必要額は家族構成や生活環境によって変わるため、普段の生活費をもとに数日分の生活費を目安に考えるとよいでしょう。実際に使う場面では、少額の支払いが中心になる可能性があるため、千円札や小銭を混ぜて用意しておくと安心です。
自宅に多額の現金を置くと、火災・水害・紛失のリスクがある
自宅に現金を置くデメリットは盗難だけではなく、火災や水害で紙幣が燃えたり、ぬれたりするリスクもあります。日本銀行では、損傷した現金の引き換えを行っていますが、紙幣の残り方によって全額、半額、または失効となる基準があります。つまり、被害を受けた現金が必ず全額戻るとはかぎりません。
また、保管場所を家族の一部しか知らない場合、いざというときに使用できない可能性もあります。防災目的で置いているのに、本人が外出中だったり、けがをして場所を伝えられなかったりすれば、せっかくの備えが役に立ちません。
多額の現金を自宅に置いていると、保管場所を変えたことを忘れたり、現金が入っていると気づかずに封筒や袋を処分してしまったりするおそれがあります。家族が、中身を知らずに片付けてしまうケースも考えられるでしょう。
金額が大きいほど、見つからないときの不安も大きくなります。災害用の現金は、金額を増やすより、必要なときに確実に使える状態で保管することが重要です。
タンス預金は相続や家計管理で家族を困らせることがある
100万円近い現金を家で保管するのは、家計管理の面でもデメリットがあります。銀行口座に預けていれば入出金の記録が残りますが、自宅の現金は記録が残りにくくなります。そのため、「いつ」「何のために」「いくら置いたのか」があいまいになりがちです。
特に注意したいのが、相続です。相続税の対象となる財産には、預貯金だけでなく現金も含まれます。家で保管している現金も財産として扱われるため、相続時に家族が把握していなければ、申告漏れにつながるおそれがあるため注意が必要です。
もちろん、自宅で現金を保管すること自体が悪いわけではありません。ただし、金額が大きくなるほど、家族間で「誰のお金なのか」「何のためのお金なのか」が分かりにくくなります。災害用として保管する場合h、封筒やメモに目的と金額を書き、家族で共有しておくと安心です。
また、使わない現金を長く家に置いておくと、銀行に預けた場合に比べて利息を得る機会もなくなります。大きな金額ではないにしても、資産管理の面では預金のほうが記録も残り、安全性も高いといえるでしょう。
災害用現金は「少額・小分け・記録あり」で備えよう
災害用の現金を家に置くことは、停電や通信障害への備えとして有効です。ただし、100万円近くを自宅で保管すると、盗難だけでなく、火災や水害、紛失、相続時の申告漏れといったリスクが高まります。
自宅で保管する現金は、災害直後の生活に必要な分にとどめ、残りは銀行口座で管理すると安心です。
保管する分は千円札や小銭を混ぜて小分けにし、保管場所や金額を家族で共有しておくと、いざというときにも使いやすくなります。現金を多く置くことだけに意識を向けるのではなく、必要なときに安全に使える形で備えましょう。
出典
内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン 防災・災害ポータル
日本銀行 日本銀行が行う損傷現金の引換えについて
国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
