口座残高「100万円」の通帳を拾って交番へ。落とし主が見つかれば「20万円」の謝礼をもらえる? 現金ではない“通帳”でも対象になるのでしょうか?
しかし、遺失物法では報労金は「落とし物の価値」を基準に算定され、通帳の価値は口座残高そのものではなく、通帳自体の価値や換金・悪用可能性などを踏まえて個別に判断されます。そのため、必ずしも高額な報労金を受け取ることができるとは限りません。
この記事では、通帳やクレジットカードを拾った場合の謝礼の仕組みや、警察での手続きについて解説します。
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目次
「100万円」の通帳を拾っても「20万円」の謝礼は請求できない可能性が高い! 遺失物法における通帳の価値とは
他人の落とし物を拾って警察に届け出た場合、遺失物法に基づき、落とし主に対して物件の価格の5%から20%の間で「報労金(謝礼)」を請求する権利が生じます。今回のケースでは、口座残高に100万円と記載された通帳を拾ったため、その20%にあたる20万円を請求できるのではないかと考える方もいるかもしれません。
しかし、拾ったのが通帳である場合、持ち主に20万円の謝礼を請求できる可能性は高くありません。なぜなら、遺失物法における「物件の価格」は口座残高そのものではなく、通帳自体の価値や、通帳の紛失によって生じうる損害・危険性などを踏まえて個別に判断されるためです。
通帳は、あくまで口座に関する情報を記載した「証書」にすぎず、拾った人が勝手に預金を引き出すことは犯罪です。そのため、通帳自体に100万円の価値があるとは通常いえず、実務上も高額な報労金にはなりにくいと考えられます。場合によっては、再発行手数料程度を参考にされることがありますが、これは一律の法律上の基準ではありません。
クレジットカードやキャッシュカードの場合はどうなる?
通帳だけでなく、クレジットカードやキャッシュカードなどを拾った場合も基本的に同様の考え方が適用されます。例えば、限度額が100万円のクレジットカードを拾ったからといって、その限度額を基準に数万円の報労金を請求することはできないと考えられます。
一方で、クレジットカードと一緒に「現金100万円」が入った財布であった場合は話が別です。現金の価値は額面そのものであるため、100万円を拾って届け出た場合は、法律に基づいて5万円から20万円の報労金を請求する権利が認められます。
このように、同じ「100万円」という数字であっても、現金なのか、通帳やクレジットカード等なのかによって、法律上の扱いとお金に関する価値の算出方法は異なるのです。
落とし物を届け出た際の選択肢! 警察署での手続きと権利の範囲
落とし物を交番や警察署に届け出た際、拾った人にはいくつかの権利が与えられます。警察の窓口では、これらの権利を「請求するか」「放棄するか」についての意思確認が行われます。
警察庁によると、具体的には次のとおりです。
・落とし主が見つかった場合に「報労金(5%から20%の謝礼)」を請求する権利
・落とし主が3ヶ月間現れなかった場合に、その落とし物を自分のものにできる「所有権」
・落とし主が判明した際、警察から「拾得者の氏名や住所を落とし主に教えてよいか」という個人情報の開示同意
もし「お礼も何もいらない」という場合は、これらすべての権利を放棄して手続きを終えることも可能です。一方で、権利を主張する場合は基本的に落とし主に個人情報が伝わることになります。
今回のように通帳を拾った場合、報労金の金額や手続きの負担などを考慮し、報労金を受け取る権利を放棄するケースもあるでしょう。
金額よりも早期の返還と善意が大切
口座残高が100万円の通帳を拾って交番に届け出たとしても、拾得者に20万円という高額な謝礼を請求することは基本的にはできないと考えられます。遺失物法における通帳の価値は口座残高ではなく、あくまで通帳自体の価値や、通帳の紛失によって生じうる損害・危険性などを踏まえて個別に判断されるためです。
通帳のような重要な遺失物を拾った場合には、報労金の有無にかかわらず、速やかに届け出ることで落とし主への返還につながります。制度の内容を理解したうえで、適切に対応することが大切といえるでしょう。
出典
e-Gov法令検索 遺失物法(平成十八年法律第七十三号) 第三章 費用及び報労金 (報労金)第二十八条
警察庁 スライド『落とし物・忘れ物を拾ったら?』編 警察に届け出ましょう!
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
