消防団は「報酬4万2000円」でも“全額会費として徴収”される!? SNSでは「飲み会代にピンハネ」「やりがい搾取」の声も…なぜ“会費徴収”が問題に? 消防団のトラブルと課題

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消防団は「報酬4万2000円」でも“全額会費として徴収”される!? SNSでは「飲み会代にピンハネ」「やりがい搾取」の声も…なぜ“会費徴収”が問題に? 消防団のトラブルと課題
「地域のヒーロー」とも言われる消防団員ですが、「実質的にタダ働き」なのではという投稿が話題になりました。X(旧Twitter)では「消防団の年間報酬4万2000円が、そのまま会費として徴収された」というコメントがあり、「やりがい搾取」「ピンハネでは?」「飲み会に使われるやつ」など多くの反響が寄せられています。
 
消防団は、災害時や火災時に地域を支える重要な存在です。しかし、会社員や子育て世帯が参加するケースも多く、「どれくらい報酬があるのか」「実際に自己負担はあるのか」を知らないまま入団してしまう人もおり、地域を守る大切な活動である一方で、「お金の扱いが不透明」「想像より負担が多い」と感じる人も少なくないようです。
 
本記事では、消防団の報酬制度や会費の実態、入団前に知っておきたい注意点について解説していきます。
渡辺あい

ファイナンシャルプランナー2級

消防団の報酬は条例に基づいて支払われる

消防団員には、団員としての活動を行うと、それに対して報酬が支払われることになっています。実は消防団は消防組織法に基づき市町村が設置する消防機関の一つで、消防団員は「非常勤特別職の地方公務員」という扱いになっているためです。つまり、消防団はボランティアに近い側面はあるものの、公的な身分を持って活動しているのです。
 
消防団員の報酬には大きく分けて「年額報酬」と「出動報酬」の2種類があります。「年額報酬」は、消防団に所属していることに対して支払われる基本報酬です。年額報酬は自治体によって違いはあるものの、総務省消防庁は、この標準額を「3万6500円」としています。
 
また、火災や災害時に出動した場合は、別途「出動報酬」が支払われます。この出動報酬も自治体によって額が異なりますが、訓練は数百円から数千円、災害出動は8000円前後のところが多くみられます。
 

なぜ「会費徴収」が問題になるの?

消防団では、地域によって「団体費」「分団費」「積立金」などの名目で会費を徴収しているケースがあります。これは法律で全国一律に決まっている制度ではなく、自治体や地域ごとの慣習によって異なり、多くは次のような用途で使われることがあります。
 

・飲み会や懇親会
・制服の一部負担
・分団の備品購入
・地域イベント費
・退団時の記念品積立

 
このように地域の消防団の運営に必要な費用を全員で負担するという考え方自体は、間違いだとは言えないでしょう。しかし「説明が不十分なまま徴収される」ことに不満を持つ人も少なくありません。特にSNSでは、「報酬がそのまま自動的に回収された」「断りづらい空気があった」「実質的に強制だった」といった声も見られます。
 
消防団の報酬は、本来は個人に支払われるお金であり、総務省消防庁も、報酬は「団員本人へ直接支給すること」を求めています。団や分団の運営に必要な費用であっても、報酬の全部または一部を一律に会費などとして徴収する場合は、使途や必要性を明確にし、団員の納得を得たうえで慎重に扱う必要があります。
 

「地域貢献」と「負担感」のバランスが課題

消防団は、地域防災に欠かせない存在です。特に地震や豪雨などの災害時には、地元をよく知る消防団の力はとても重要となります。しかし少子高齢化や共働き世帯の増加により、「時間的負担」や「人間関係の負担」を理由に入団者が減っている地域もあります。特に、お金の徴収ルールが不透明な場合は、後からトラブルにつながる可能性があるでしょう。
 
消防団は地域に根付いている団体ですが、これからは「昔ながらの慣習」に縛られるのではなく、団員が負担とならないような団運営をしていくことも必要となってきます。消防団への入団を考えている場合は、入団後に思いもかけない負担に悩まないように、あらかじめ報酬額や会費の有無、出動頻度、飲み会の慣習などを事前に確認しておくと安心です。
 
地域貢献の気持ちと、自分自身の生活負担のバランスを考えながら、「自分に合った参加の形かどうか」を判断してから入団を決めるようにしましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 消防組織法
総務省消防庁 消防団員の処遇等に関する検討会
 
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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