節約には「ボトルじゃなく詰め替え用」と信じてたのに…ドラッグストアで「本体298円」「詰め替え448円」で売られてて衝撃! 実はボトルを買うほうが安いんですか!? 注意すべき“単価の逆転現象”
特に昨今の物価高騰により、家計をやりくりする人にとって、数十円の節約でも大きな課題です。しかし、そんな賢い消費者であろうとする心理を突いた、恐ろしい価格のわながスーパーの棚には潜んでいることがあります。
実は、内容量と価格をしっかり計算してみると、特売になっているボトル本体を買ったほうが、詰め替え用パックよりも圧倒的に安いという「価格の逆転現象」が頻繁に起きています。ひどい場合には、量が少ない詰め替え用パックのほうが、ボトル本体よりも150円近く高いことすらあるのです。
今回は、節約のつもりがかえって浪費になってしまう「単価マジック」のからくりと、だまされないための防衛策について解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士
「詰め替え用=安い」は思い込み? 容量減と特売が引き起こす逆転現象
そもそも、なぜプラスチック容器代がかかっているはずのボトル本体のほうが、簡易包装の詰め替え用パックよりも安くなるのでしょうか。最大の理由は、ボトル本体が客寄せのための「特売品」として大幅に値引きされやすい点にあります。
一方、詰め替え用パックは「すでにボトルを持っている人が継続して買う」商品であるため、本体ほど極端な値引きがされにくい傾向があります。
さらに拍車をかけているのが、「内容量の違い」です。多くの場合、詰め替え用パックはボトルからあふれないようにするため、本体よりも容量が1割から2割ほど少なく作られています。
近年は物価高の影響から、値段を変えずに内容量を減らす「ステルス値上げ」が相次いでおり、詰め替え用パックの容量がさらに減っているケースも少なくありません。
「詰め替え用はエコで安いはず」という固定観念が強ければ強いほど、価格表示をじっくり見比べずに手に取ってしまい、結果的に割高な買い物をしてしまうのです。
実録・150円の損! 洗濯洗剤の容量と価格で徹底比較
では、実際にどれくらいの損をしてしまうのか、ドラッグストアやスーパーでよく見かける洗濯用液体洗剤を例にシミュレーションしてみましょう。
ある特売日、洗濯洗剤のボトル本体(500ミリリットル入り)が「お1人さま2点限り」の目玉商品として298円で販売されていたとします。一方、すぐ隣の棚に並んでいる同じ洗剤の詰め替え用パック(400ミリリットル入り)は、通常価格の448円でした。
この時点で、詰め替え用パックのほうがボトル本体よりも150円高いことが分かります。
100ミリリットルあたりの単価で計算するとどうなるでしょうか。ボトル本体は100ミリリットルあたり59.6円です。対して詰め替え用パックは、100ミリリットルあたり112円となります。なんと、単価で見ると詰め替え用パックはボトル本体の約2倍の価格になっているのです。
仕事や育児で疲れた状態で買い物に行くと、思考力が落ちています。「詰め替え用だから安いはず」と思い込んで448円のパックをカゴに入れてしまうと、実質的に大きなお金を捨てているのと同じ状態になってしまいます。
だまされないための防衛策! 買い物カゴに入れる前の確認手順
第1に、値札の「100ミリリットルあたり」や「100グラムあたり」の単価表示を必ず確認する習慣をつけることです。
最近のスーパーやドラッグストアの電子値札には、親切に単位あたりの価格が小さく記載されていることが増えました。販売価格だけでなく、この単価表示を比べるだけで、どちらが本当にお得なのかが一目瞭然になります。
第2に、「大容量2.5倍!」などのうたい文句に踊らされないことです。特大サイズの詰め替え用パックは一見お得に感じますが、基準となっている「通常サイズの容量」が少なく設定されているトラップが潜んでいる場合があります。
特大サイズを買う場合でも、スマホの電卓機能などを使って、ざっくりとでも単価を計算してみることをおすすめします。
第3に、時にはボトルごと買い替える柔軟さを持つことです。「毎回プラスチックゴミを出すのは環境に悪い」と罪悪感を覚える人もいるかもしれませんが、長期間同じボトルを使い続けると、水あかやカビ、雑菌が繁殖する原因にもなります。
半年に一度など、定期的にボトル本体が特売になっているタイミングを狙って買い替えることは、衛生面でも金銭面でも理にかなった選択といえるでしょう。
節約のつもりが浪費に変わる「思考停止」のわな
特に、夕方の混雑したスーパーで、急いで夕飯の買い出しをしているような状況では、値札をじっくり見比べる余裕はありません。人間は疲れているときほど、過去の経験則や思い込みに頼って判断を下してしまう生き物です。
毎日コツコツと家計を切り詰め、10円でも安い食材を求めて自転車を走らせているのに、日用品の「単価マジック」で150円も余分に払っていては本末転倒です。買い物の際は「詰め替え用=無条件で安い」という思い込みをいったん捨て、本当に賢い選択ができているか、立ち止まって確認する習慣をつけてみてください。
出典
総務省統計局 小売物価統計調査
執筆者 : 西村和樹
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士

