都営住宅で暮らしていますが、夫の定年退職金「800万円」が入ったら退去させられるのでしょうか? 年金も2人合わせて「月15万円」なので不安です…。
所得基準を超える状態が続くと、現在入居している場合でも退去を求められるケースがあります。
今回のケースでは、退職金を受け取ることで都営住宅を退去しなければならないかもしれないと不安に感じている世帯が登場します。
本記事では、都営住宅に住む条件と退職金が入居要件に影響するか否かをまとめました。

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都営住宅の入居には所得基準がある
最初に、都営住宅に入居するための条件を確認してみましょう。都営住宅に入居するにはさまざまな条件が設けられていますが、そのひとつとして、表1に示す所得基準に沿っている必要があります。
表1
| 世帯人数 | 一般区分 | 特別区分 |
|---|---|---|
| 1人 | 0~189万6000円 | 0~256万8000円 |
| 2人 | 0~227万6000円 | 0~294万8000円 |
| 3人 | 0~265万6000円 | 0~332万8000円 |
| 4人 | 0~303万6000円 | 0~370万8000円 |
| 5人 | 0~341万6000円 | 0~408万8000円 |
| 6人 | 0~379万6000円 | 0~446万8000円 |
出典:東京都住宅供給公社(JKK東京)「所得基準」を基に筆者作成
所得基準には「一般区分」と「特別区分」があります。特別区分は、60歳以上の世帯や心身障害者を含む世帯、高校修了期までの子どもがいる世帯などが含まれます。
収入が基準を超えた場合、「収入超過者」とみなされ、都営住宅を明け渡す努力義務が課せられます。強制ではないためそのまま住み続けることもできますが、住宅使用料に割増料金が加算されるため、家賃負担が大きくなる可能性があるでしょう。
月15万円の年金額で入居し続けられる?
今回のケースの夫婦が受け取る年金は、月15万円です。次の条件で所得基準を満たしているかを東京都住宅供給公社(JKK東京)の「都営住宅 所得基準判定 シミュレータ」を使ってシミュレーションしました。
・入居人数:2人
・遠隔地扶養者:なし
・所得区分:特別区分(60歳以上の世帯)
・本人収入:年金(65歳以上で受給中)
・家族収入:年金(65歳以上で受給中)
この場合、「所得基準を満たしている可能性が高い」との判定が出ます。
なお所得は、前年度が基準です。今回のケースでは定年を控えているため、実際には前年度収入は年金ではなく給与になりますが、定年後に収入が減少する場合は現在の収入を基準にできる可能性があります。
退職金をもらうと所得要件に影響する?
退職金を受け取る場合、金額にもよりますが、所得が一気に高くなる可能性があります。今回のケースでは800万円を受け取るため、かなりの収入になるでしょう。
しかし、結論からいうと、退職金は所得要件には影響しません。退職金などは一時的な収入とみなされ、継続的に得られる給与収入などとは別物になるためです。
ただし退職金を運用して利子所得や配当所得、不動産所得などを得た場合は算定されるため注意しましょう。
また、退職して年金暮らしになり収入が減少した場合、住宅使用料の見直しができるかもしれません。「収入再認定請求書」および必要な証明書類を提出することで、減免申請が可能なケースもあるため、必要に応じて「JKK東京お客さまセンター」へ問い合わせるとよいでしょう。
退職金を受け取っても直ちに退去につながるわけではない
退職金は一時的な収入であり、都営住宅における所得基準の算定には含まれません。そのため、基本的に退職金を理由に退去を求められることはないでしょう。
また年金収入が15万円であれば、少なくとも特別区分において所得要件をオーバーしてしまうことはなく、引き続き入居できる可能性はあると考えられます。
退職により収入が減少した場合、家賃の減免申請ができる可能性があります。東京都住宅供給公社に問い合わせてみるとよいでしょう。
出典
東京都住宅供給公社(JKK東京) 所得基準(7-1、7-2ページ)
東京都住宅供給公社(JKK東京) 4-4 収入超過者・高額所得者に対する措置
東京都住宅供給公社(JKK東京) 退職・廃業・転職した場合、住宅使用料(家賃)の見直しができますか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー





