ドライブ中「救急車」が渋滞を“すり抜け”…ママ友の旦那さんは「追走すれば渋滞を抜けられる」「道交法では問題ない」と言いますが、禁止規定なしでもダメですよね?“反則金・違反点数”が発生する理由とは
実際、道路交通法には「緊急車両を追走してはならない」という規定はありません。では、追走しても本当に違反にはならないのでしょうか。
本記事では、救急車の後ろについて走ることが違反になるかどうか、また、渋滞中に緊急車両が来たときの正しい対応について解説します。追走中に違反が重なった場合の反則金や免許への影響についてもシミュレーションするので、最後まで目を通してください。
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
銀行にて12年勤務し、法人および富裕層向けのコンサルティング営業に従事。特に相続対策や遊休地の有効活用に関する提案を多数手がけ、資産管理・税務・不動産戦略に精通。銀行で培った知識と経験を活かし、収益最大化やリスク管理を考慮した土地活用のアドバイスを得意とする。
現在は、2社の経理を担当しながら、これまでの経験をもとに複数の金融メディアでお金に関する情報を発信。実践的かつ分かりやすい情報提供を心がけている。
救急車の後ろについて走ること自体は違反ではない
結論から言うと、救急車のすぐ後ろにつけて走ること自体は、直ちに違反とはなりません。しかし、緊急車両には一般車両には認められていない特例があることにより、追走することで知らずに違反になるリスクがあります。
救急車両の特例として、赤信号でも交差点に進入できること、道路の右側にはみ出して通行できること、ほかの車両を追い越せること、などが挙げられます。これらはあくまで緊急車両だけに認められた特例であり、後ろをついていく一般車両には当然適用されません。
救急車が赤信号の交差点を通過するとき、その後ろの車が同じように進めば信号無視になります。救急車が道路右側にはみ出した場合、後続車が同じ走行をすれば通行帯違反です。合法的に追走しようとすると、救急車についていくこと自体が事実上不可能であると言えるでしょう。
渋滞中に救急車が接近してきたら、正しい道の譲り方は
救急車が近づいてきた際にとるべき行動は、「進路を譲ること」です。道路交通法第40条では、緊急車両が接近してきた場合、一般道では左側に寄って一時停止すること、交差点付近ではその交差点を避けて左に寄ることが定められています。
これに従わない場合は、緊急車妨害等違反として違反点数1点・反則金6000円(普通車)が科せられます。
高速道路であっても、左側の路側帯に寄って一時停止するのが原則です。一般道と異なり路肩への退避が求められる場面もあるため、後続車の動きにも注意が必要です。渋滞中は車間距離が詰まりがちですが、万一に備え緊急車両が通過できるスペースを意識して確保しておくと良いでしょう。
「ついていくだけ」のつもりが、反則金2万円超えになるケースも
追走そのものが直接の違反にならないとしても、救急車の動きに乗じて追走すれば、違反を次々と重ねるリスクがあります。ここでは、救急車が赤信号の交差点に進入する場面でそのまま後続したケースを考えてみましょう。
信号無視(違反点数2点・反則金9000円)に加え、救急車が対向車線にはみ出した際に同様の走行をすれば通行帯違反(違反点数1点・反則金6000円)、さらに前方車両を追い越せば追い越し禁止違反(違反点数2点・反則金9000円)となります。
わずか数分の走行であっても、反則金が合計2万4000円を超える可能性があるのです。
また、違反点数が累積すると免許停止・取り消しのリスクも生じます。前歴が何もないケースであっても、過去3年間の累積点数が6点に達すると30日間の免許停止になります。追走の数分間で2~3件の違反が重なれば、その水準に達しかねません。
渋滞を数分早く抜けるために、数万円の反則金と免許停止のリスクを負うことになるのです。
まとめ
救急車の後ろを追走すること自体は、道路交通法上の禁止規定はありません。しかし、緊急車両だけに認められた特例に乗じなければ合法的についていくことは難しく、気づけば信号無視や通行帯違反を重ねていた、というリスクがあります。
緊急車両が近づいてきたら、左に寄って一時停止する、このシンプルなルールを守ることが、反則金や違反点数の累積を避けるうえでも大切です。渋滞の数分を惜しんで、思わぬ出費や免許停止のリスクを抱えることのないよう、いざというときの行動を今一度確認しておきましょう。
出典
e-Gov法令検索 道路交通法
警視庁 交通違反の点数一覧表
警視庁 行政処分基準点数
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

