妻の「妊娠」が分かり“海外旅行”をキャンセル…。航空券とホテル代「20万円」は返金されないのでしょうか?
妊娠を理由にキャンセルする場合でも、必ず全額返金されるとは限りません。航空券やホテルの予約条件、旅行会社の規約、海外旅行保険の内容によって結果は変わります。
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返金されるかどうかは予約時のキャンセル条件で決まる
海外旅行を取りやめる場合、最初に確認するべきなのは、航空券とホテルのキャンセル条件です。航空券には、返金できる運賃とできない運賃があります。安い航空券ほど、キャンセルしても運賃部分が戻らないことが多く、戻るとしても空港税や一部手数料だけという場合があります。
ホテルも同じです。「キャンセル無料」と書かれているプランなら、期限内であれば返金されます。一方、「返金不可」「事前決済」「セール料金」などのプランでは、代金が戻らないことがあります。
妊娠は本人や家族にとって大きな事情ですが、契約上は「自己都合のキャンセル」と扱われます。ただし、医師から渡航を控えるよう言われた場合などは、航空会社やホテルが個別に配慮してくれる可能性もありますが、あくまでも予約時の契約内容が優先となります
確認するときは、予約完了メール、航空会社やホテルのマイページ、旅行会社の規約を見ましょう。キャンセル料がいつから何%かかるのか、キャンセルしらいくら戻るのか具体的に把握することが大切です。
参考までに、消費者庁の「キャンセル料に関する消費者の意識調査」を確認するとさまざまなサービスにおいてキャンセル代は発生し、少なくない額であることを読み取ることができます(表1)。ホテル・旅館等の宿泊を見ると、キャンセル料の支払い額(平均)は「13,956.2円」となっています。
表1
令和6年1月消費者庁消費者制度課 「キャンセル料に関する消費者の意識調査」報告書より ※総回答数は15万6630人、標本として2000人を抽出
旅行会社や予約サイトを通した場合は連絡先に注意する
航空券やホテルを旅行会社、予約サイト、OTA(※)で申し込んだ場合は、連絡先に注意が必要です。航空会社やホテルに直接連絡しても、「予約サイトへ相談してください」と案内されることがあります。これは、契約や支払いが予約サイト経由になっているためです。
※OTAとは「Online Travel Agency」の略称で、実店舗を持たず、インターネット上だけで旅行商品の取引を行う旅行会社のこと
特に海外の予約サイトを利用している場合、日本語で表示されていても、運営会社が海外にあることがあります。そのため問い合わせ窓口が分かりにくかったり、返金まで時間がかかったりすることもあります。
インターネット予約ではキャンセル料100%などの条件が付いている場合があるため、国民生活センターも契約内容や問い合わせ先を確認するよう注意を呼びかけています。
海外OTAを利用した場合、日本の旅行業法や標準旅行業約款の適用を受けません。原則それぞれのサイトで定められている規約に従うことになる点に注意が必要です。
連絡するときは、妊娠が分かったこと、医師から渡航を控えるよう言われているか、診断書を提出できるかを伝えます。診断書があれば、例外対応や手数料免除の判断材料になることがあります。
海外旅行保険やクレジットカード保険で補償される場合もある
航空会社やホテルから十分な返金が受けられない場合でも、海外旅行保険で補償される可能性があります。保険には、旅行キャンセル費用を補償する特約が付いていることがあります。これは、病気やけが、家族の入院など、一定の理由で旅行を中止した場合に、キャンセル料を補償するものです。
ただし、妊娠に関するキャンセルが対象になるかどうかは、保険会社や契約内容によって異なります。妊娠そのものは対象外でも、医師が旅行を禁止した場合や、妊娠に伴う体調不良で通院した場合などに対象となることがあります。自己判断で中止しただけでは補償されない可能性もあります。
クレジットカード付帯の海外旅行保険にも注意が必要です。カードによっては、旅行代金をそのカードで支払った場合だけ補償されるものがあります。また、そもそもキャンセル費用補償が付いていないカードも多いです。カード会社に連絡し、今回のケースが対象になるか確認しましょう。
請求には、予約確認書、キャンセル料の明細、医師の診断書、領収書などが必要になることがあります。キャンセル手続き後に画面が見られなくなる場合もあるため、予約情報や規約の画面は保存しておくと安心です。
まとめ
妻の妊娠を理由に海外旅行を取りやめる場合、航空券とホテル代20万円が返金されるかは、予約時のキャンセル条件によって変わります。返金可能な予約なら戻る可能性がありますが、返金不可の航空券やホテルでは、全額戻らないこともあります。
ただし、医師から渡航を控えるよう言われている場合や、診断書を提出できる場合は、航空会社、ホテル、旅行会社が個別に対応してくれることもあります。また、海外旅行保険やクレジットカード保険のキャンセル補償が使える可能性もあるため、契約内容を確認しましょう。
大切なのは、出発日が近づく前に動くことです。キャンセル料は日が近づくほど高くなることが多いため、旅行を中止する方向なら早めに連絡しましょう。妊娠中は体調が変わりやすい時期です。返金の可能性を確認しながら、母子の安全を優先して判断することが大切です。
出典
消費者庁 「キャンセル料に関する消費者の意識調査」報告書 令和6年1月
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー


