生活保護の母に「エアコン代10万円」を渡すのは大間違い!? 良かれと思った“現金援助”が保護費の減額を招くこともある?家族の親切が大損につながる「収入認定の落とし穴」とは?
ただし、保護開始時に持ち合わせがない場合など、特別な事情があり、熱中症予防が特に必要と認められる場合は、購入費が支給される可能性があります。まずはケースワーカーへ相談しましょう。
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エアコン購入費は必ず支給されるわけではない
生活保護を受けているからといって、エアコン購入費が必ず支給されるわけではありません。
厚生労働省の事務連絡では、エアコンを含む日常生活に必要な生活用品は、原則として保護費のやりくりによって計画的に購入するものとされています。
つまり、すでに生活保護を受けている世帯で、特別な事情がない場合は、毎月の保護費の中から少しずつ準備して購入するのが基本です。ケースワーカーに相談しても、すぐに購入費が支給されるとは限りません。
ただし、だからといって相談しても意味がないわけではありません。高齢の母がエアコンのない部屋で暮らしている場合、熱中症の危険があります。ケースワーカーは、生活状況を確認し、購入に向けた家計管理の助言、生活福祉資金貸付の紹介、他の支援制度の案内をしてくれる可能性があります。
また、電気代が心配でエアコンを使えない人もいます。厚生労働省の通知では、電気料金の滞納やそのおそれがある人に対しても、必要な家電製品が使用できなくならないよう配慮することが求められています。購入費だけでなく、使用できる環境づくりも相談しましょう。
特別な事情がある場合は支給対象になる可能性がある
生活保護制度では、一定の特別な事情がある場合に、冷房器具の購入費用が支給されることがあります。
厚生労働省の「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」には、保護開始時に最低生活に必要な家具什器の持ち合わせがない場合、災害で失った場合、転居により現在の家具什器が使えない場合などには、3万6700円または5万8400円の範囲内で支給される可能性が示されています。
冷房器具の購入費用に関しては、熱中症予防が特に必要とされ、初めて到来する熱中症の恐れがある時期を迎える際、真にやむを得ないと判断された場合には、7万8000円の範囲内で支給が認定できるとあります。
母が高齢である、持病がある、医師から室温管理を指示されている、部屋の構造上かなり暑くなる、といった事情がある場合は、相談時に具体的に伝えましょう。診断書や通院状況、室温の記録などがあると、必要性を説明しやすくなります。
また、購入費だけでなく、設置工事費がどう扱われるかも確認が必要です。エアコンは本体だけでは使えず、工事費や専用コンセント工事が必要になることがあります。見積書を取る前に、どこまで認められる可能性があるかケースワーカーに聞きましょう。
勝手に購入せず事前にケースワーカーへ相談する
エアコンが必要だと感じても、先に購入してから「後で費用を出してください」と申請するのは避けたほうがよいでしょう。生活保護では、事前に福祉事務所の判断を受けることが大切です。自己判断で購入すると、支給対象として認められない可能性があります。
相談するときは、「夏が心配です」だけでなく、母の年齢、体調、部屋の暑さ、現在使っている冷房器具の有無、扇風機だけでは不十分な理由を具体的に伝えましょう。可能であれば、室温の記録、医師の意見、エアコン設置の見積もりを用意します。
また、生活福祉資金貸付を利用して購入する方法を案内される場合もあります。貸付は返済が必要ですが、生活保護費から代理納付できる場合もあります。支給にならない場合でも、購入に向けた現実的な方法を一緒に考えてもらうことが大切です。
家族が援助して購入する場合も注意が必要です。生活保護を受けている人に家族が現金を渡すと、収入認定に関係することがあります。エアコンを現物で購入して渡す場合も、事前にケースワーカーへ相談しておくと安心です。
まとめ
生活保護を受けている母の部屋にエアコンがない場合、ケースワーカーへ相談することは大切です。ただし、エアコン購入費は必ず支給されるわけではありません。原則として、日常生活に必要な生活用品は保護費のやりくりで購入するものとされています。
一方で、保護開始時に持ち合わせがない場合や、災害・転居など特別な事情があり、熱中症予防が特に必要と認められる場合には、一定額の範囲内で支給される可能性があります。母の年齢や体調、部屋の暑さなどを具体的に伝えましょう。
大切なのは、勝手に購入せず、事前にケースワーカーへ相談することです。支給が難しい場合でも、貸付制度や家計管理、電気代の相談など、別の支援につながる可能性があります。夏本番を迎える前に、早めに動くことが母の安全を守ることにつながります。
出典
厚生労働省 事務連絡 生活保護世帯におけるエアコン購入費用に関する取扱い等について
厚生労働省 2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

