母の死後も「都営団地」に住み続けられると思ったら大間違い!? “正式な同居許可”がないと追い出されるって本当? 親の家を引き継げない「ルールの落とし穴」とは?
東京都の使用承継制度では、名義人の死亡などやむを得ない事情があり、正式同居許可を受けて継続して住んでいる同居親族等で、収入基準などを満たす場合に限り、引き続き使用が許可される仕組みです。住み続けたい場合は、早めに管理窓口へ相談することが大切です。
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都営住宅は相続のように自動で引き継げるものではない
都営住宅は、民間の持ち家のように、名義人が亡くなったら家族が当然に相続できるものではありません。公営住宅は、住宅に困っている低所得世帯に低い家賃で住まいを提供する制度です。そのため、入居者や同居者には一定の条件が設けられています。
東京都の案内では、使用承継制度は、名義人の死亡や離婚による転出など、やむを得ない事情がある場合に、条例等で定める基準を満たした同居親族等に引き続き都営住宅の使用を許可する制度とされています。つまり、名義人の子どもだから、長く出入りしていたから、親の介護をしていたからという理由だけで、自動的に承継できるわけではありません。
特に重要なのは、正式同居許可を受けていたかどうかです。JKK東京(東京都住宅供給公社)は使用継承の許可条件として「原則として、名義人が入居したときから引き続き同居しているか、又は正式同居許可を受けてから1年以上経過した方であること」としています。
親の家に実際に住んでいたとしても、東京都や管理者に無断で同居していた場合、承継が認められにくくなる可能性があります。住民票を移していたかだけでなく、正式な同居手続きがされていたかを確認する必要があります。
同じ都営住宅に正式に同居しており、長く生活の本拠として住んでいた場合は、承継を申請できる可能性がある一方で、普段は別の場所に住んでいて、母の介護や見守りのために通っていただけなら、同居者として扱われない可能性があります。
名義人が亡くなった場合は、まずJKK東京などの管理窓口に連絡し、使用承継の対象になるか確認しましょう。黙って住み続けると、後から不正使用と見られるおそれがあります。
名義承継は収入基準の条件や例外もある
都営住宅の使用承継では、単に親族であること、名義人と正式に同居していたこと、継続して居住していたこと、だけでなく、収入が入居収入基準以下であることも条件となります。
都営住宅は低所得者向けの住宅であるため、承継を希望する人の収入が基準を超えている場合、承継が認められないことがあります。また、住宅に困っているかどうか、他に住める住宅がないかも判断に影響する場合があります。
入居収入基準は、承継しようとする世帯の収入の合計が「認定月額15万8千円、高齢者、障害者等の世帯は月額21万4千円)を超えていないこと」です。世帯収入は、「名義人が死亡又は転出した時点の使用料算定のもとになる収入」であることをJKK東京は案内しています。
承継が認められる親族の範囲や優先順位は、平成19年の制度見直しののち、平成20年にも一部変更されています。配偶者、高齢者、障害者、病弱者などは扱いが異なることがあります。自分で判断するのではなく、正式な申請前に東京都やJKK東京のHPや窓口で条件を確認しましょう。
承継が認められない場合は退去を求められることがある
使用承継が認められなかった場合、そのまま都営住宅に住み続けることは難しくなります。名義人が亡くなった後に承継の許可を受けられなければ、住宅の明渡しを求められる可能性があります。
これは厳しく感じるかもしれませんが、公営住宅には入居を待っている人がいます。条件を満たさない人がそのまま住み続けると、住宅を必要としている他の世帯との公平性が問題になります。
東京都は、転居先探しに配慮し、6ヶ月間の退去猶予をとっています。それを超えると、近傍同種の住宅の家賃相当額を負担することとなります。
承継が難しい場合でも、転居先探しや退去時期について相談できることがあります。生活に困る場合は、自治体の福祉窓口や住宅相談窓口も利用しましょう。
また、名義人の死亡後は、家賃や共益費、各種手続きも整理する必要があります。相続人が複数いる場合、残された家財の処分や退去費用の負担で話し合いが必要になることもあります。都営住宅の承継は、相続とは別の問題ですが、家族間の整理も早めに進めることが大切です。
まとめ
都営団地の名義人だった母が亡くなっても、同居していた知人が必ずそのまま住み続けられるとは限りません。都営住宅の使用承継は、名義人の死亡などやむを得ない事情があり、正式同居許可を受けて継続居住している同居親族等で、収入基準などを満たす場合に限られます。
重要なのは、正式に同居していたか、生活の本拠として住んでいたか、収入基準を満たしているかです。親子というだけで引き継ぎできるわけではありません。
名義人が亡くなったら、できるだけ早く管理窓口へ連絡し、使用承継の申請ができるか確認しましょう。条件を満たさない場合でも、退去時期や転居先について相談する余地はあります。自己判断で住み続けず、正式な手続きを進めることが大切です。
出典
東京都住宅政策本部 使用承継制度(平成19年8月25日から)
JKK東京 都営住宅等の使用承継申請 (名義人の変更)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

