40代会社員です。今から税理士試験に挑戦する価値はありますか? 資格取得で収入はどれくらい変わるものなのでしょうか?
税理士は税務や会計の専門家であり、独立開業や会計事務所への転職、企業の経理・財務部門での評価につながる可能性があります。
一方で、税理士試験は長期戦になりやすく、合格まで数年かかることも珍しくありません。収入も、資格を取ればすぐ大幅に上がるとは限らず、実務経験や営業力、働き方によって大きく変わります。まずは目的を明確にすることが大切です。
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税理士試験は40代からでも挑戦できるが長期戦になりやすい
国税庁の税理士試験結果表によれば、令和7年度(第75回)の受験者数は3万6,320人で、そのうちの約3分の1にあたる1万1,632人が41歳以上でした。全体の合格率は21.6%であるのに対し、41歳以上では11.5%に留まっています。
若年層に比べると合格率は低い傾向にありますが、それでも毎年1000人以上の40代・50代以上が合格(一部科目合格含む)しており、40代からの挑戦が遅くはないこと、勉強の継続が鍵となることが伺えます。
税理士試験は、簿記論と財務諸表論の会計2科目と、税法科目から選ぶ3科目の合計5科目に合格する必要があります。日本税理士会連合会によると、税理士試験は科目合格制で、一度に5科目を受ける必要はなく、合格した科目は生涯有効です。
この仕組みは、働きながら勉強する40代会社員にとって大きなメリットです。1年に1科目ずつ合格を目指すなど、生活に合わせて進められます。
一方で、5科目すべてに合格するには時間がかかります。仕事、家庭、介護、体力面を考えると、勉強時間の確保が最大の課題になります。
40代から挑戦する価値があるかどうかは、目的によって変わります。独立したい、定年後も専門職として働きたい、経理・財務の仕事を深めたい、相続や事業承継に関わりたいなど明確な理由があるなら、挑戦する意味はあります。
反対に、「なんとなく収入が上がりそう」という理由だけなら慎重に考えたほうがよいでしょう。税理士試験は費用も時間もかかるため、途中で目的を見失うと続けにくくなります。
資格だけで収入が上がるのではなく実務経験が重要
税理士資格を取れば、必ず収入が大きく上がるわけではありません。
厚生労働省の統計によると、税理士の平均年収は約810.8万円ですが、ハローワークの求人統計における求人賃金(月額)の平均は34.7万円(年算で約416万円)となっており、雇用形態や経験によって大きな開きがあることが示されています。
勤務税理士として働くのか、独立するのか、企業内で評価されるのかによって大きく変わります。
会計事務所に転職する場合、税理士試験の科目合格が評価されることがあります。特に簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、相続税法などの科目を持っていると、実務との関連が強く、転職活動でアピールしやすくなります。
ただし、未経験から入る場合は、最初から高収入とは限りません。
企業の経理・財務にいる人なら、税理士試験の勉強で得た知識が実務に役立ちます。法人税や消費税、決算、税務調査対応などに強くなれば、社内での評価や昇進につながる可能性があります。ただし、会社が資格手当を出すかどうかは規程次第です。
独立開業すれば高収入を目指せる一方で、顧客を獲得する営業力、事務所運営、責任の重さも必要です。資格は入口であり、収入を決めるのは実務経験と信頼です。40代から目指すなら、勉強と同時に、どの分野で強みを作るかも考えましょう。
まずは簿記や科目合格から始める方法もある
いきなり税理士試験5科目合格を目指すと、負担が大きく感じるかもしれません。まずは日商簿記2級や税理士試験の簿記論・財務諸表論から始める方法があります。会計科目は税理士試験の土台になり、経理職への転職や社内評価にもつながりやすい分野です。
40代会社員の場合、平日の勉強時間が限られます。毎日1〜2時間、週末にまとまった時間を取れるかを現実的に考えましょう。家族の理解も重要です。試験直前だけでなく、数年単位で勉強が続く可能性があるため、無理な計画は挫折につながります。
費用面も確認しましょう。専門学校、通信講座、教材、受験料を含めると、科目ごとにまとまった費用がかかります。会社の資格支援制度や教育訓練給付金の対象講座がないかも調べるとよいでしょう。
税理士資格まで取り切らなくても、科目合格や簿記資格が仕事に役立つことはあります。まず1科目に挑戦して、自分に合うか確認するのも現実的です。合格科目が生涯有効である点を活かし、長期計画で進めましょう。
まとめ
40代会社員が税理士試験に挑戦する価値はあります。ただし、目的が明確で、長期的に勉強を続ける覚悟がある場合です。税理士試験は科目合格制で、合格科目は生涯有効なので、働きながら少しずつ進めることができます。
一方で、資格を取ればすぐ収入が大きく上がるとは限りません。会計事務所での実務経験、企業内での評価、独立後の営業力などが収入を左右します。資格は収入アップのきっかけにはなりますが、それだけで成功が決まるわけではありません。
まずは、税理士資格で何を実現したいのかを整理しましょう。独立、転職、社内評価、定年後の働き方など目的がはっきりすれば、勉強の価値も見えやすくなります。最初は簿記や会計科目から始め、自分に合うか確かめながら進めるのがおすすめです。
出典
国税庁 税理士試験の概要
厚生労働省 job tag 税理士 – 職業詳細
国税庁 令和7年度(第75回)税理士試験結果表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

