定年後は「沖縄でスローライフ」と移住した夫婦。しかし“車社会”と“台風対策”で想定外の出費が連発し「毎月赤字」に!? 憧れの南国暮らしに潜む「見えない維持費」とは?

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定年後は「沖縄でスローライフ」と移住した夫婦。しかし“車社会”と“台風対策”で想定外の出費が連発し「毎月赤字」に!? 憧れの南国暮らしに潜む「見えない維持費」とは?
青い海と温暖な気候。定年退職後、長年の夢だった「沖縄でのスローライフ」を実現させる夫婦は少なくありません。
 
しかし、憧れの南国暮らしには、観光旅行では気づかない「見えない維持費」が潜んでいます。貯蓄4000万円、月々の年金23万円というゆとりあるはずの60代夫婦が、移住後に「毎月赤字」に陥り、わずか数年で東京へのUターンを余儀なくされるケースも起きています。
 
彼らの生活を狂わせたのは、沖縄ならではの車社会と、台風・気候対策による想定外の出費でした。
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車なしでは暮らしにくい沖縄では維持費が重くなる

沖縄本島では、那覇市の一部を除いて、車なしの生活は現実的ではありません。日常の買い物、病院通い、役所への用事、趣味の外出など、あらゆる場面で車が必要になります。
 
定年後の移住では、「時間に余裕があるから、公共交通機関でゆっくり移動すればよい」と考える人もいます。しかし、バスの本数や路線は地域によって限られます。病院やスーパーが近くにないエリアでは、車がないと生活の自由度が大きく下がります。
 
移住を機に車を購入する夫婦も多いでしょう。ただ、沖縄の車維持費には本土とは違う現実があります。
 
まず、四方を海に囲まれた沖縄では、塩害による車のサビが深刻です。海風や台風の塩雨によって、車の下回りやマフラー、ブレーキまわりが傷みやすくなります。下回りの防錆塗装、いわゆるアンダーコートをしておかないと、車の寿命が短くなる可能性があります。
 
また、ガソリン代も全国平均より高めに推移しやすく、任意保険料や車検代も必要です。コンパクトカー1台でも、月に1万5千円〜2万5千円の維持費がかかります。
 
夫婦で別々に行動するために2台所有したり、開放感から高級SUVなどを購入したりすれば、家計への負担は一気に膨らみます。年金生活では、毎月数万円の固定費増加が赤字のきっかけになりかねません。
 

台風対策と塩害対策で住宅費が想定以上にかかる

沖縄の南国らしい気候は魅力ですが、自然の厳しさもあります。特に台風対策は、住まいの維持費に大きく関わります。
 
沖縄は毎年複数の台風が接近するため、住宅には強風や飛来物への備えが必要です。中古物件を購入してリノベーションする場合、屋根の補強や台風シャッターの設置に、一般的な住宅で50〜100万円もの追加費用がかかることがあります。
 
さらに、塩害対策として耐塩害仕様の外壁材を選ぶと、通常よりも費用が20〜30%跳ね上がります。海が近い家ほど景色は魅力的ですが、その分、外壁、金属部分、窓、エアコン室外機などが傷みやすくなります。
 
「中古住宅を安く買えた」と思っても、住み始めてから屋根、外壁、雨戸、窓まわりの修繕が必要になれば、数十万円から100万円単位の出費が続くことがあります。
 
さらに見逃せないのが火災保険料です。2024年10月に全国で火災保険料が値上げされましたが、水災や風災のリスクが高い沖縄県では、保険料が18〜25%も引き上げられており、維持費をさらに押し上げています。
 
持ち家であっても、固定資産税、保険料、修繕費、台風対策費は毎年のようにかかります。家賃がないから安心という考えだけでは、老後資金の計画が崩れる可能性があります。
 

電気代や物価の差で年金生活の赤字が広がる

沖縄移住で見落としやすいのが、日々の生活費です。まず、電気代です。沖縄は冬の暖房費が少なく済む一方で、夏場の冷房や除湿が欠かせません。湿度が高い時期が長く、エアコンや除湿機を使う期間も長くなります。
 
沖縄電力は火力発電への依存度が高く、燃料費高騰の影響を受けやすい面があります。再エネ賦課金の上昇などもあり、2026年現在も電気代の値上がり傾向が続いています。
 
「冬が暖かいから光熱費は安いはず」と考えていると、長期間にわたる冷房費で想定を超えることがあります。特に、鉄筋コンクリートの住宅や日当たりのよい部屋では、熱がこもりやすく、冷房を止めにくい場合もあります。
 
食費にも沖縄独自の事情があります。地元産の野菜や魚は手頃な一方で、輸送コストがかかる乳製品、パン、加工食品などは本土よりも割高になりがちです。買い物の仕方を変えないと、東京時代より食費が下がらないこともあります。
 
さらに、移住当初は気分が高まり、景色のいいカフェでのランチや、夜の飲み歩き、観光地への外出が増えやすくなります。毎週末を旅行気分で過ごしていると、レジャー費や外食費が膨らみます。
 
気がつけば、想定していた月々の生活費である夫婦18〜25万円程度を大きく超え、年金収入だけでは生活できなくなります。月々の年金23万円があっても、車、保険、電気代、修繕費、外食費が重なると、貯蓄を毎月切り崩す赤字生活に陥る可能性があります。
 
高齢になるにつれて、専門的な医療へのアクセスに不安を覚えることもあります。本土に住む子どもや孫に会うための帰省費用もかさみます。こうした事情が重なり、最終的に移住を断念するケースもあります。
 

まとめ

沖縄でのスローライフは、定年後の暮らしとして大きな魅力があります。青い海、温暖な気候、ゆったりした時間は、都会では得にくい価値です。
 
一方で、生活者として暮らす沖縄には、観光では見えにくい維持費があります。車社会による車の購入費や維持費、塩害対策、台風に備えた住宅補強、火災保険料、長期間の冷房費、輸送コストが反映された食費などが家計を押し上げます。
 
貯蓄4000万円、年金月23万円という一見ゆとりある家計でも、想定外の出費が続けば毎月赤字になることがあります。老後資金を守るには、家賃や住宅ローンだけでなく、車、保険、修繕、光熱費、帰省費まで含めて試算することが大切です。
 
移住前には、まず数ヶ月の「お試し移住」を経験するのがおすすめです。ウィークリーマンションや賃貸で生活し、実際の買い物、通院、移動、電気代を体感すれば、理想と現実の差を確認できます。
 
憧れだけで移住を決めるのではなく、生活者としての資金計画を立てることが、後悔のない沖縄スローライフへの第一歩になります。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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