夫が病気で働けず、収入が途絶えました。生活保護は「最後の手段」だと思っていましたが、借金があっても申請できるのでしょうか?

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夫が病気で働けず、収入が途絶えました。生活保護は「最後の手段」だと思っていましたが、借金があっても申請できるのでしょうか?
夫が突然の病気に倒れて働けなくなり収入が途絶えてしまうと、目の前の生活費だけでなく将来への不安も大きくなってしまうかもしれません。
 
それでも、「生活保護は本当にどうしようもなくなったときの最後の手段」と考え、申請をためらう人も少なくないでしょう。特に、「借金があると受け付けてもらえないのではないか」と悩む人もいるようです。
 
生活保護は、生活に困窮している人に対して、最低限度の生活を保障する制度です。ただし、受給には一定の要件があり、借金の扱いについても知っておくべきポイントがあります。本記事では、生活保護の受給要件と、借金がある場合でも申請ができるのかについて、分かりやすく解説します。
小山英斗

CFP(日本FP協会認定会員)

1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ

人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。

「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
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生活保護とはどのような制度か

生活保護は、病気や障害、失業などによって収入が不足し、生活が成り立たなくなった人に対し、国が最低限度の生活を保障する制度です。
 
厚生労働省の考え方では、「利用できる資産、能力、援助などを活用してもなお生活が困難な場合」に利用できる制度とされています。そのため、「働けるなら働く」「活用できる資産があれば使う」「ほかの制度を先に利用する」といった原則があります。
 

世帯収入が最低生活費を下回っているかどうか

生活保護の受給要件の一つに「能力の活用」があります。これは、「働くことが可能な場合は、その能力に応じて働いて収入を得てください」というものです。
 
そのため、夫が病気で就労できず、世帯収入が大きく減少したような場合、生活保護の対象となる可能性はあります。しかし、重要なのは実際に生活費を賄えない状態にあるかどうかです。
 
生活保護では、国が定める「最低生活費」と「世帯収入」を比較して判断します。世帯収入が最低生活費を下回る場合、その不足分が支給対象となる仕組みです。判定は個人ではなく、原則として世帯単位で行われます。
 
例えば、夫が病気で休職中でも傷病手当金や十分な貯蓄があるような場合や、妻が働くことで、当面の生活維持が可能であれば、生活保護の対象にならないケースもあります。一方で、収入が途絶え、貯蓄も乏しく、生活費や家賃の支払いが困難な状況であれば、申請を検討できる可能性があります。
 

生活保護のその他の受給要件

生活保護は、「収入が少ない」だけで必ず受けられる制度ではありません。本章で、その他の受給要件を確認しておきましょう。
 

資産の活用

預貯金や不動産、生命保険の解約返戻金など、生活に活用できる資産がある場合は、まずそれを使うことが求められます。ただし、生活に必要な最低限の家財や、通勤に使う自動車などは一定の条件のもとで認められるケースもあります。
 

あらゆる給付や支援の活用

年金、雇用保険、児童手当など、他の公的支援制度を利用できる場合は、先にそちらを活用することが求められます。それでも生活費が不足する場合に、生活保護が適用されます。
 

扶養義務者による扶養

親族から援助を受けられる場合は、それが生活保護に優先されます。そのため、親族が扶養できるかどうかを確認されることはあります。ただし、親族がいることや扶養照会が行われることだけを理由に、生活保護の申請ができなくなるわけではないため、扶養照会を恐れて申請を諦める必要はありません。
 

借金があっても生活保護は申請できる

「借金があると申請できない」という誤解がある人もいるようですが、実際には、借金の存在は受給要件の直接的な障害にはなりません。
 

借金は受給の「妨げ」にならない

生活保護の審査で重視されるのは、現在の生活状況と収入と資産のバランスです。借金があること自体は、受給資格を失わせる要因にはなりません。
 
ただし、借金の返済のために生活保護費を充てることは認められていません。保護費はあくまで「最低限の生活費」を賄うためのものであり、返済には使えないという点は理解しておく必要があります。
 

借金がある場合の対処法

借金と生活保護を並行して考える場合、法テラス(日本司法支援センター)や弁護士への相談を通じて、自己破産や任意整理といった債務整理の手続きを同時に進めるケースがあります。
 
法テラスには、無料法律相談や弁護士費用を立て替え払いしてもらえる制度(法テラスの審査が必要)もあるため、「お金がないから相談できない」という状況にもサポートがあります。
 

まとめ

生活保護は、決して特別な人だけの制度ではありません。夫が病気で働けない状況で生活費の確保が難しいのであれば、相談を検討する選択肢になり得ます。ただし、生活保護は世帯収入でも判断されるため、妻が働ける状態で収入を得られるのであれば、妻が働くことも求められます。
 
また、借金があっても生活保護の申請は可能です。ただし、生活保護費で借金返済をすることは原則できないため、債務整理など別の対応が必要になる場合があります。
 
「借金があるから無理だろう」と自己判断して相談を諦めるのではなく、まずは自治体の福祉事務所や法テラスといった専門家に状況を相談することが大切です。早めの相談が、生活再建への第一歩につながる可能性があります。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
日本司法支援センター 法テラス 法テラス(日本司法支援センター)とは
 
執筆者 : 小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)

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