夏場のスーパーで無料の氷をクーラーボックスに大量に詰めていたら、店員に「常識の範囲内でお願いします」と止められました。これって窃盗罪になるのでしょうか?
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無料の氷でも店の所有物であることに変わりはない
スーパーの製氷機にある氷は、店がお客さんのために用意しているものです。無料で使えるとしても、誰のものでもないわけではありません。店が管理している財産です。
刑法の窃盗罪は、他人の財物を盗んだ場合に成立します。窃盗罪となれば、「10年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金に処する」とあります(刑法第235条)。氷も、店が用意した財物と考えられます。そのため、店の許可された範囲を超えて持ち帰ると、問題になる可能性があります。
もちろん、購入した生鮮食品や冷凍食品を冷やすために、備え付けの袋へ少量入れる程度なら、店が予定している使い方と考えられます。問題になるのは、買った商品を冷やす目的を超え、家で使うために大量に持ち帰るような場合です。
過去には、スーパーの無料サービスの氷を大量に持ち帰ろうとして、窃盗容疑で逮捕されたと報じられた例もあります。この例では、氷12kgと店側が想定した利用範囲を超えていたことが問題になったとされています。
「常識の範囲内」と言われた後に続けると危険
今回のように、店員から「常識の範囲内でお願いします」と止められた場合、その時点で店側の意思はかなり明確です。
それでも氷を詰め続けたり、店員の注意を無視して持ち帰ったりすると、店側の意思に反して持ち出したと見られやすくなります。無料サービスであっても、店が認めていない使い方を続ければ、窃盗罪の可能性が出てきます。
「何キロ以上なら違法」という明確な線引きはありません。買った商品の量、持ち帰りに必要な量、店の掲示、備え付け袋の数、店員からの注意の有無などで判断されます。
たとえば、刺身やアイスを買って小袋1〜2袋の氷を使うのと、空のクーラーボックスに大量に詰めるのでは、意味が大きく違います。後者は、買った商品を冷やすためというより、氷そのものを目的にしていると見られる可能性があります。
必要な氷は購入するか、店のルールに従う
夏場に車で長時間移動する場合や、バーベキュー、キャンプ、釣りなどで大量の氷が必要な場合は、スーパーの無料氷ではなく、販売されているロックアイスを購入するのが安全です。
無料の氷は、あくまで購入した商品の品質を保つためのサービスと考えましょう。店によっては「お一人様1袋まで」「生鮮食品購入者のみ」「備え付けの袋をご利用ください」といった掲示があります。このようなルールがある場合は、必ず従う必要があります。
掲示がない場合でも、常識的な量にとどめましょう。迷うときは店員に「この量を使ってもよいですか」と確認するのが確実です。店員に止められたら、その場でやめることが大切です。
無料サービスは、利用者のマナーに支えられています。一部の人が大量に持ち帰ると、ほかの客が必要な分を使えなくなり、店がサービスをやめてしまうこともあります。
まとめ
スーパーの無料の氷は、無料で置かれていても店の所有物です。購入した商品を冷やすために少量使う範囲なら通常問題になりにくいですが、クーラーボックスいっぱいに大量に詰める行為は、店の想定を超える可能性があります。
特に、店員から「常識の範囲内で」と注意された後も続ければ、店の意思に反して持ち出したと判断され、窃盗罪に問われるおそれがあります。
大量の氷が必要なときは、販売用の氷を購入しましょう。無料だから自由に持って行ってよいのではなく、店が認めた目的と量の範囲で使うことが、トラブルを避ける一番の方法です。
出典
e-Gov 法令検索 刑法(明治四十年法律第四十五号)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

